- 投稿日:2025/11/03
■ 「分かっているのに、不安になる」のは自然なこと
こんにちは。元大手大学受験予備校職員の”たけいし”といいます!
私はこれまで大学受験予備校で多くの受験生、保護者と関わってきました。
「学歴が全てではない」
——頭では理解しているのに、心がついてこない。
受験期になると、多くの親御さんがこのギャップに苦しみます。
それも当然です。
なぜなら、親は「子どもの幸せ」を願う存在であり、
受験=その後の人生を左右する“分かれ道”のように見えてしまうからです。
ただし、ここで大切なのは、
「学歴を気にすること」そのものが悪いわけではないということです。
不安の根っこは「子どもの未来を信じきれない」ことではなく、
「子どもの未来を大切に思う」気持ちから生まれているのです。
■ 合格・不合格の「その先」をイメージできていますか?
親が不安に飲まれてしまうとき、
多くの場合、「合格する/しない」の二択の世界で考えてしまっています。
でも実際の人生は、もっと多彩なはずです。
●第一志望に合格したけれど、燃え尽きて大学で伸び悩む人
●進学したのは第二志望だったけど、自分に合った環境で花開く人
●一度失敗を経験したことが、その後の努力の糧になる人
受験の結果は“ゴール”ではなく“入口”です。
合否よりも、その後の過ごし方のほうが、人生を左右するケースが圧倒的に多い。
だからこそ、親がすべきは「合否への執着」ではなく、「その後の時間の支え方」です。
■ 「学歴=安心」ではなく「経験=財産」として見る
保護者の方が心を保つうえで、効果的なのは
受験を「将来へのテスト」ではなく「経験の場」として捉えることです。
たとえばこう考えてみてください。
子どもがこの受験を通して、 ・自分なりに目標を立てて努力すること ・計画通りにいかない中で工夫すること ・結果に一喜一憂しながらも前を向くこと この3つを経験できたなら、それだけで社会に出てからも活きる力が育っている。
「受験を通して、どんな“生きる力”を得られるか」
という視点で見れば、どんな結果も意味のあるものになります。
■ 実際の家庭でうまくいった例・苦しんだ例
🔹 うまくいった家庭の例
ある家庭では、
「合否よりも、最後まで自分のやり方をやり切れたかを大事にしよう」
と伝えていました。
結果は第一志望には届きませんでしたが、
子どもは「悔しいけど、努力できた」と前を向き、
大学での学びに主体的に取り組むようになったそうです。
🔹 苦しかった家庭の例
別の家庭では、
「この大学に行けなかったら…」という不安が強く、
模試の判定のたびに子どもを叱咤してしまいました。
子どもは徐々に“評価されるための勉強”になり、
結果的に本番でメンタルが崩れてしまったとのこと。
親の「不安」は、子どもにとって「空気/雰囲気」として伝わるもの。
だからこそ、親自身の心の整え方がとても大切です。
■ 親の心を整える3つの方法
① 「過去」ではなく「過程」を見る
点数や判定ではなく、子どもがどんな工夫や挑戦をしているかを見てあげましょう。
② 「比較」ではなく「理解」で支える
他の子や兄弟姉妹と比べると焦りが増します。
「この子は今、何を思い、感じているのか?」に焦点を当てるだけで、関係性が変わります。
③ 「合格」ではなく「成長」を言葉にする
「合格できるか」ではなく、「努力が素晴らしい」、「その努力を尊敬している」と伝える。
この一言が、子どもの自信になります。
親自身も子どもの努力や成長を尊敬できる視点を持ってほしいです。
■ 最後に:子どもの未来を“信じる勇気”を
子どもがどんな道を選んでも、その努力の経験は必ず「生きる力」に変わります。
親の役目は、最短ルートを示すことではなく、
“どんなルートでも歩ける自信”を与えること。
「この子なら、どんな結果でも乗り越えられる」
そう信じて見守る勇気が、子どもにとって最高の支援になります。
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