- 投稿日:2025/11/04
はじめに
11月は、紅葉が深まり、夜風がひんやりと感じられる季節。
鍋や煮物、焼き魚など“旨味のある料理”が食卓に増えてくる頃です。
そんな季節には、料理と寄り添いながらしっかりと味を感じられる日本酒が恋しくなります。
今回は「香り・旨味・季節感」の3軸で選んだ、日本酒好きにも初心者にもおすすめの3本を厳選しました。
それぞれの特徴やペアリングのコツも紹介しますので、晩酌の参考にしてみてください✨
① 津島屋 外伝 契約栽培米山田錦 純米 瓶囲い
味わいの特徴
岐阜県・御代桜醸造が手掛ける「津島屋」シリーズのなかでも、“外伝”は特別な位置づけ。
契約栽培された山田錦を用い、瓶の中で静かに熟成を重ねた一本です。
冷やすとキリッとした酸味と透明感が際立ち、常温ではお米の優しい甘みが顔を出します。
さらに、ぬる燗にすると酸がまろやかに溶け合い、旨味の層がぐっと厚くなる――そんな変化を楽しめるお酒です。
11月におすすめの理由
寒さが増してくる11月は、食事に温かみとコクを求める時期。
津島屋 外伝は、まさに“食中酒”として寄り添う力が強く、料理の出汁や味噌の旨味と調和します。
軽いおつまみからメインの鍋まで、幅広いシーンで活躍する万能型です。
ペアリング🍲
豚の味噌漬け焼き:甘辛い味噌とキレのある酸味が相性抜群。
鶏団子鍋:温めた津島屋で、出汁とお酒が一体化する心地よさを。
きのこの炊き込みご飯:香ばしさと熟成感が調和して、秋らしさ満点。
② 陸奥八仙 緑ラベル 特別純米
味わいの特徴
青森県・八戸酒造が造る「陸奥八仙」は、全国でもファンの多い銘柄。
その中でも“緑ラベル”は、軽やかな果実香と柔らかな旨味が特徴の一本です。
口に含むとりんごやメロンのような香りがふわっと広がり、後味はスッと切れる爽快さ。
冷酒で香りを楽しむも良し、常温で旨味を感じるも良しと、飲み方の自由度が高いのも魅力です。
11月におすすめの理由
秋の終わりから冬にかけては、魚や根菜、きのこなど「甘みのある旨味食材」が主役になります。
このお酒の持つ“香りの華やかさと酸のキレ”は、そうした料理の脂やコクをやわらげ、口の中をリセットしてくれます。
疲れた夜にもスッと飲める、軽やかさと深みを両立した一本です。
ペアリング🐟
サンマの塩焼き:香ばしさと酸味がバランス良く、後味が軽やか。
里芋の煮っころがし:やさしい甘みを引き立てる穏やかな酸。
鶏もも肉の照り焼き:常温で合わせると照りの甘辛さに香りが重なり絶妙。
③ 一ノ蔵 特別純米 ひやおろし
味わいの特徴
宮城県・一ノ蔵が秋限定で出す「ひやおろし」は、春に搾った新酒を夏の間熟成させ、まろやかさを増した秋限定の一本。
香りは控えめながら、味わいにはふくらみがあり、米本来の甘みと旨味がじんわり広がります。
冷やではスッキリ、常温ではまろやか、ぬる燗にするとお米の余韻が長く続く――季節とともに味の表情が変わるのも魅力です。
11月におすすめの理由
秋の味覚がそろうこの時期、まさに「今が飲み頃」。
冷えた空気の中で、軽く温めたひやおろしをゆっくり口に含めば、穏やかな旨味が体を包み込みます。
“今しか味わえない季節の日本酒”として、贈り物にも喜ばれる一本です。
ペアリング🍂
秋鮭のホイル焼き:バターや味噌のコクを包み込む柔らかさ。
きのこバターソテー:熟成の香ばしさと素材の香りが共鳴。
サバの味噌煮:常温~ぬる燗で、甘辛い味噌を上品にまとめます。
まとめ📝
11月は、「旨味」「まろやかさ」「温度の変化」が日本酒の鍵。
今回の3本はそれぞれ方向性は違っても、共通して“秋の食卓を豊かにする”実力派です。
深みを味わいたいなら:津島屋 外伝
香りとキレを楽しみたいなら:陸奥八仙 緑ラベル
季節限定を満喫したいなら:一ノ蔵 ひやおろし
秋の終わり、湯気の立つ鍋や煮物を前に、お気に入りの盃を手に取ってみてください。
温度を少し上げるだけで、日本酒の世界はぐっと広がります。
今夜は“ゆるやかに流れる晩秋の時間”を、お気に入りの一本とともに🍶✨