- 投稿日:2025/11/14
中学三年生の長男が受験を迎え、家の中がいつもより少しだけピリッとする今日この頃。そんな時期だからこそ、次男(軽度ASD・小6)と三男(軽度ASD&ADHD・小4)の将来について考える時間が増えました。
ふたりが年長の頃に取得した療育手帳。あの時、早めに動いておいて本当に良かったな…と、今あらためて強く感じています。
◆ 手帳を取った理由は「福祉サービスの利用」
療育手帳の話題になると、「割引や控除目当てでしょ?」なんて声が聞こえることもあります。でも、わが家が手帳を取得した一番の理由はそこではありません。
“必要な福祉サービスにきちんとアクセスできるようにするため”。
それが最大の目的でした。
発達特性のある子どもたちは、成長のどこかで支援が必要になる場面がどうしても出てきます。療育手帳は、そうした支援にスムーズにつながるための“パスポート”のような役割を果たしてくれます。
◆ 「最悪の事態」に備えるための早期取得
支援の必要性を強く感じるタイミングって、多くの場合、
環境の変化に対応できなかったり
症状が悪化したり
二次障害が出てしまったり
いじめ・不登校などの問題が起きたり…
つまり、親子ともに余裕がなくなってからなんですよね。
そんな緊急の時期に、一から手帳の申請や判定を進めるのは本当に大変です。
我が家は「取得できる」と分かった段階ですぐに動いたので、早い段階から“いざという時に支援につながれる”という安心感を得られました。
手帳は、使う場面が来なかったらそれでいい。
でも、必要になった時にすぐ動ける、そんな安心のための存在です。
◆ 広がる「教育」と「就労」の選択肢
手帳があることで、日常生活だけでなく将来の進路まで、選べる道が増えていきます。
◇ 学校生活・進路面の安心感
学校や習い事で配慮をお願いする時、手帳があると話がスムーズに進むことがあります。また、支援級・支援学校を選びたい場合、手帳が条件になることもありますし、普通級で合理的配慮や支援を受けたい時の申請も、手帳があると負担が少なくて済むことがあります。
また「近くの学校では特性対応が難しい」などで少し遠方での学校を検討する時に、公共交通機関の割引制度(定期券など)が使えるのは経済的な支えになります。
「わが子の教育の選択肢を広げる」という意味で、制度は使えるところは迷わず積極的に活用していいと感じています。
◇ 将来の就労で大きな力に
私は特にここが重要だと感じているのは就労時の選択肢が増える事です。
手帳があることで、一般就労に加えて、公務員や民間企業の「障がい者雇用枠」も選択肢に入ります。一般枠が難しくなった時の“安全装置”としての役割もあります。
一般就労を始めた後に体調や環境が合わず続けられなくなったとしても、手帳があれば障がい者雇用へ移行するという道も現実的に検討できます。
“選択肢が多い”ということ自体が、子どもの人生にとって大きな安心材料になる。
これは、手帳を持っていてこそ感じられるメリットだと思います。
◆ 「使う・使わない」は選べる
療育手帳は“持っていること”に意味があり「使う・使わない」は本人の自由です。
使いたくない制度やサービスは、無理に使う必要なんてありません。
周囲に公言する義務もありません。
もし子供自身が手帳を持つ事を嫌がったり不要だと感じた場合には、返納や「更新しない」という選択もできます。
でも、困った時、つまずいた時、助けになってくれる存在でもあります。
わが家は、「いざという時に支援につながれる」という安心感をこの手帳からもらっています。
子どもたちが生きづらさを感じた時、守ってくれる“安全装置”としてそっと持たせておく――そんな感じで、手帳取得を検討してみてはいかがでしょうか?