• 投稿日:2025/11/27
信用創造ってなに? 子どもに教えたい1分で説明する経済用語 その5

信用創造ってなに? 子どもに教えたい1分で説明する経済用語 その5

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さく🌸🦔@楽天ROOM/マクロ経済

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要約
「お金は銀行が作ってる」って知ってた?世の中のお金は、銀行が貸し出しを行う瞬間にゼロから生まれます。これが「信用創造」。集めた預金を貸す「又貸し」ではないんです。お金の正体は貸し借りの記録?無限には増やせない理由とは?そんな疑問をわかりやすく解説します!

信用創造って何?お金の生まれる仕組みを簡単解説

答えだけ見たい方は目次で飛んでくださいね。
1分以内で説明する!を目標にまとめてあります。

実は「お金は銀行が作っている」って知ってた?

👧「お金って、政府や日銀が印刷して増やしているんでしょ?」

💐🦔「うーん…半分正解で、半分は不正解かな。世の中に出回っているお金(マネーストック)の大部分は、銀行が貸し出しを行うことで“新しく作られている” んだよ。このお金が増える仕組みのことを『信用創造』っていうんだよ」

👧「お金が増える???増やせるの?」

💐🦔「そうだよ。お金って債務と債権の記録だからね」

👧「それはちょっとむずかしい〜〜」

💐🦔「少しずつ紐解いていこ♪」

👧「お願いしまーす」


「信用創造」って聞いてどんなイメージが浮かびますか?

それとも初めて耳にされましたか?

今日は信用創造について説明したいと思います😊

銀行の基本的機能

基本的機能は4つ

銀行の機能は多岐にわたり、経済活動の発展に貢献していますが、基本的機能は4つあります。

1.預金の受け入れ

2,資金の運用

3,預金通貨の創出

4.支払手段の提供

です。

今回の信用創造とは3つ目の「預金通貨の創出」のことです。銀行に与えられた基本的機能なのです。

銀行が貸出を行う際は、貸出先企業Xに現金を交付するのではなく、Xの預金口座に貸出金相当額を入金記帳する。つまり、銀行の貸出の段階で預金は創造される仕組みである。

図説 わが国の銀行 全国銀行協会企画部金融調査室[編]より

銀行は預金を集めてその預金を貸し出すのではないのです。ご存知でしたか?

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誤解されやすい信用創造

「信用創造」は、その字面から誤解されることが多いです。

誤解その1, 「お金を刷りすぎると円の価値が薄まる!」

誤解その2, 「円の信用が!」「円の信任が!」

誤解その3, 「そんな打ち出の小槌みたいなことはありえない!」


👧「あぁ!それ、全部思ってた😅」

💐🦔「そうだよね。長年ふんわりと刷り込まれていくよね💦信用創造っていう言葉について、まずは説明するね」

信用創造という言葉の意味は?

信用創造は英語で「money creation」

元々、英語の「money creation」を和訳したときに「信用創造」という言葉になったのですが

「創造」→「creation」

これは理解しやすいですよね😊

で、「信用」→「money」

?????

「お金、貨幣」とは「債務と債権の記録」なのです

貨幣とは債務と債権が生まれたところに発生する

「信用」といっても「円は信用されている」とか「信用が失墜する」とかいう曖昧な話ではなく、

「貨幣とは債務と債権の記録」、借用証書であるということです。そして「二者間の貸し借りが成立した瞬間」にお金は生まれるんです。

英語で借用証書のことを「IOU」というのですが、これは「I owe you(私はあなたに借りがある)」の頭文字をとったところと発音から「IOU」と略されます。

整理すると…

money=IOU=借用証書=債務と債権の記録=貨幣

なので「money creation」とは「貨幣創造」なのです。現代においてお金を作り出す「仕組み」のことであって、裏技でもなければ、打ち出の小槌でもなく、ただの「銀行に与えられた役割」であり「そういう仕組み」なのです。

債務と債権は二者間で成立する

例えば、小切手。これはAさんが小切手を切ったとして、誰も受け取ってくれなければ、それは数字の書かれたただの紙ですね。

発行する人がいて、受け取ってくれる人がいる。これを「譲渡性がある」といい、貨幣の条件になります。


銀行与信(貸出)は銀行の預金債務と借り手の金銭債務の交換。 銀行は事前に現金を預からなくても融資を行える。

信用創造過程から考える日本の資金循環構造の変化と政府債務の維持可能性 戸村 肇早稲田大学政治経済学術院 2024年1月16日 より


信用創造で無限に貨幣を作れるのか?

「無限に!!」というよくある批判

👧「じゃあ、いっぱいお金作ってほしいよね!」

💐🦔「ほんとに!笑 でもね、やっぱり制約はあるよ」

👧「どんな風に?」

💐🦔「貸出相手がちゃんと返せると判断できた額じゃないとダメだし、準備預金制度っていうその銀行が貸し出せる総額っていうのが一応あるんだよ。」

👧「やっぱりそうか😅」

💐🦔「準備預金制度について説明すると、また長くなるからそれは別の機会にするね。」

信用創造が進むとどうなる?

銀行の貸出が増えると…

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逆に貸出が減ると…

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つまり 銀行貸出は経済の血流 なのです。

銀行が無限に貸し出せない理由

「貸し出せば預金を作れるなら、無限にお金を増やせるのでは?」

そう思うかもしれませんが、以下の制約があります。

・借りたい企業・個人がいない(資金需要)

・銀行の自己資本比率の規制

・貸倒リスク

・日銀当座預金(準備金)の必要量

・金利(需要と供給)

このため、銀行は無限に貸せるわけではなく、
貸出には経済全体の環境が大きく影響 します。

1分で説明する信用創造

信用創造は「現代のお金の仕組み」を理解する入口

まとめると…

✔ 銀行は預金を貸しているわけではない
✔ 貸出が新しい預金(お金)を作る
✔ 返済は預金(お金)を消す
✔ 日銀や政府の金融政策はこの仕組みが前提
✔ マネーストックの増減は貸出によって大きく左右される

銀行は「お金を動かす」だけでなく、「お金を作る」機能を持っている。元々与えられている銀行の役割の一つ、
それが「信用創造」です。


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