- 投稿日:2025/11/17
「発言がなくて会議の雰囲気が暗い」
「参加者からのリアクションが分からず不安になる」
「発言を促すほど、相手を追い詰めてしまう気がする」
会議で発言が出ない場面は、多くの現場で見られます。
私は企業団体の会議運営に10年間取り組み、現在は会議改善コンサルタントとして、会議の仕組みづくりとファシリテーション支援を行なっています。その中で、発言が生まれにくい会議には共通する理由があると分かってきました。
この記事では、
参加者が発言しやすくなる方法
発言が出ない理由
発言のハードルを下げる工夫
をまとめて解説します。
発言が自然に生まれるための方法
1. 事前に意見を用意して参加してもらう
会議中に考えると焦りが出やすいため、事前に意見を考える時間を確保することが有効です。
メールやチャットで事前に質問を投げかける際には、
なぜ意見が必要なのか(理由)
どの点について考えて欲しいのか(範囲)
をセットにして伝えます。
人は「理由」が添えられると行動しやすい傾向があります。
2. 書き出してもらう
発言より先に、考えを言語化する場を作ります。
リアル:付箋に書き出し → 共有ボードへ貼る
オンライン:チャット、スプレッドシートで同時編集
書くことで、自分の考えを整理しやすくなり、その後の発言が促されます。
3. 要点の整理をする
「何について意見すべきか」が曖昧だと発言は止まります。
一度立ち止まり、
議題
なぜ意見が必要なのか
現在の論点
問題となっている点
をホワイトボードや画面上に見える形で整理します。
4. 考える時間をおく
沈黙は「停滞」ではなく「思考の時間」です。
「ここから数分間、各自で考える時間にします」と宣言することで、意味のある沈黙になり、発言が生まれやすくなります。
5. 対話できっかけを作る
多人数の会議では、発言しづらさが増します。
2〜4名の小グループで数分間対話することで、言葉が出やすくなります。
オンラインではブレイクアウトルームが有効です。
また、発表時に「誰の意見か」を伏せる方式にすると、心理的ハードルが下がります。
6. 同意であっても発言してもらう
「同意だから言わなくていい」と考える人は多いですが、
同意の一言でも発言ハードルは下がり、参加意識が高まります。
また、同意の中に独自の視点が含まれている場合もあります。
7. 全員に聞く
発言のタイミングを失っている人にとっては、順番があることで話しやすくなります。
ただし、会議の雰囲気が受容的であることが前提です。
8. 視点が変わる問いかけをする
発言を引き出すには、「考える角度」 を提示することが有効です。
例:
「役割の立場から見るとどうですか?」
「この議題とあなたの業務はどこでつながりそうですか?」
「過去に似た経験はありますか?」
視点が変わると、言葉は出やすくなります。
9. 必要な人だけに参加してもらう
参加人数が多いほど、発言のハードルは上がります。
特に発言の必要がない人の参加は、
発言が遠慮される
雰囲気が重くなる
生産性を下げる
原因になります。
議論に必要な人だけで会議を構成することが重要です。
理想は4名程度、それ以上の場合は小グループ分割を検討します。
<原因> 発言が出にくくなる要因
発言が出ない状態には、次のような背景があります。
原因状態関心が無い自分事化できていない理解が追いつかない情報過多・思考時間不足思いつかない切り口が見えない誰かと同意発言不要だと思っている発言が不必要と思う「言っても変わらない」感覚タイミングが分からない割り込みに不安を感じる意見に自信が無い否定や混乱が怖い多人数に遠慮している空気を読みすぎている責任が重くなる不安発言後のタスク負担を恐れる
原因に合った手法を選ぶことがポイントです。
ワクワク会議への工夫(アイスブレイク)
会議の最初に、緊張をほぐす短いやりとりを入れるだけで、
その後の発言量が変わります。
最近食べたおいしいもの
議題に関連する軽めの質問
最近あった小さな良いこと
など、負担のない前向きな話題を選びます。
理想の会議に向けて
参加者が「参加してよかった」と感じられる会議は、
会議後の行動意欲を高め、組織の生産性に直結します。
そのために最も大切なのは、
です。
まとめ
発言が出ないのには、理由がある
理由に合わせた場づくりと問いかけが必要
参加者は少数が基本。多い場合は小グループへ
会議冒頭のアイスブレイクが雰囲気を大きく変える
本質は「人を大切にする姿勢」