- 投稿日:2025/12/03
■ はじめに:なぜこの詐欺が危険なのか?
高校名を悪用した新しい特殊詐欺が急増しています。
この手口の怖さは、詐欺師が「本来知るはずのない個人情報」を事前に入手し、
“本物らしさ” を演出した状態で接触してくる点にあります。
警察によると、被害はすでに 11件・総額4,000万円超。
“息子を名乗る詐欺”に新たなパターンが加わり、より精巧になっています。
この詐欺では、犯人は電話口でこう切り出します:
この“高校名”が正しいため、多くの被害者は 一瞬で信用してしまう のです。
● なぜ高校名が知られている?
警察は以下を疑っています:
卒業名簿が闇市場に流出している
名簿業者や闇バイトがSNS/闇サイトで売買
氏名・高校名・卒業年までセットで提供されるケースも
つまり、詐欺師は “あなたの息子しか知り得ない情報” を握ったうえで電話してくる ということ。
これは心理的に非常に強力で、
通常のオレオレ詐欺よりもはるかに見抜きにくい手口です。
信頼を得た後、詐欺師は必ず 緊急性 × 金銭 のストーリーに持っていきます。
① 「税金の支払いに間に合わない」
焦らせて、考える時間を奪う典型的なパターン。
② 「投資でトラブルが起きた」
近年多い“投資を理由にした劇場型詐欺”です。
③ 「上司が一緒に取りに行く」=現金受け取り型
最終的には詐欺師が直接家まで来て現金を回収。
これは 最も危険で、強盗型へ発展する可能性もある と警察が警告しています。
■ 3. この詐欺が成功してしまう“3つの心理トリック”① 息子の高校名=「本人に違いない」という思い込み
詐欺師の狙いはここです。
正確な高校名を聞くと、被害者は思考が止まります。
② 電話中に“判断力を奪う”よう話を畳みかける
焦らせる
休む間なく話す
恥をかきたくない心理を利用
③ 家族に相談させない
“秘密にして”と言う時点で詐欺確定です。
■ 4. すぐできる防御策:この4つだけ覚えてください① 家族間で「合言葉」を決める
例)
小学校の担任の名前
ペットの名前
実家の合言葉
第三者が知らない情報を使うのが最強。
② 家族からの“金銭の話”は必ず折り返し確認
そのまま会話を続けず、
→ いつもの番号に自分でかけ直す
これだけで9割防げます。
③ 現金を“取りに行く/取りに来る”は100%詐欺
どんな理由でも、
家族・会社・警察が 現金を取りに来ることは絶対にありません。
④ 名簿流出を前提に行動する
情報は守られていない前提で行動する時代。
SNSの公開範囲の見直し
名簿業者に個人情報削除請求
家庭内で対策共有
情報が漏れているからこそ「本物らしさ」が作られると知ることが大切です。
■ 5. 被害に遭ってしまった時の緊急対応すぐに110番(特殊詐欺専用窓口があります)
振り込んだ銀行に連絡し口座凍結を要請
現金手渡しの場合は受け渡し場所の記憶を伝える
LINE・メール・着信のスクショを保存
“恥ずかしい”と思って相談をためらう人が多いですが、
1時間の遅れが取り戻せる金額を大きく左右します。
この詐欺の本質は、
あなたの“家族しか知らないと思っていた情報”を武器にしてくる点です。
しかし ――
以下の3つを守れば、必ず防げます。