- 投稿日:2025/12/05
「ツールの壁」はAIで超えろ。FCP一筋の私が、たった1週間でPremiere Pro案件を納品できた全記録
こんにちは。福岡でリベシティを活動し、日々楽しく過ごしています。
えもです。
普段は軽貨物運送を本業としつつ、副業でウェブライターをしたり、趣味の延長でモトブログを運営したりしています。
今はブラックフライデー、サイバーマンデー、クリスマス、初売り……と続く絶賛繁忙期の只中。毎日ハンドルを握り、荷物を抱え、フラフラになりながら働いています。
しかし、この過酷な時期を過ぎると一転。年明けからGWあたりまでは閑散期に入り、仕事が激減。この時期になるとほぼニート状態に(笑)
「来年の閑散期こそは、指をくわえて待つのではなく、何か別の柱を作らなければ……」
そう思い立ち、リベシティワークスで自分にできそうな仕事を探して応募したのが、今回の動画編集案件でした。
しかし、そこで待ち受けていたのは「ツールの壁」による挫折と、そこから生成AI(Gemini)を使って起死回生の一手を打った、冷や汗ものの体験。
今回は、普段から使い慣れたFinal Cut Pro(FCP)で案件に挑んだものの挫折し、「未経験のPremiere Pro(Pr)をインストールしてゼロから作り直す」という決断をしてから、AIをコーチにして1週間で納品するまでの全記録を共有します。
※今回の話は「動画編集」という特定のスキルについてですが、実はこれ、リベシティで活動するうえで、あらゆる場面に応用できる「質問力・解決力」の話でもあります。
両学長のライブで質問するとき、各チャットで相談するとき、あるいは案件でクライアントや先輩に指示を仰ぐとき……。 「まずは自分で調べてから質問してみましょうか🦁」 学長がよく仰るこの言葉、実践するのは意外と難しいですよね。
しかし、AIを「壁打ち相手」にすることで、このハードルは劇的に下がります。 相手の時間を奪うこともなく、タイムラグなしで、どんな初歩的なことでも聞き放題。
今回は、そんな「AIをフル活用して、自力で壁を突破する方法」を、私の実体験を通してお伝えします。
第1章:「ソフトは何でもいい」の罠と、2週間のサンクコスト
使い慣れた剣で挑んだはずが……
当初、クライアントからは「他の人はプレミアプロだけど、同じようにできればソフトは何でも良い」と言われていました。
私は普段モトブログの編集でFCPを使っていたので、「それならいける!」と迷わずFCPで編集を開始。1週間かけて初稿を提出しました。
しかし、ここからが地獄の始まり😵
フィードバックで求められたのは、『他の編集担当者と全く同じテロップデザイン、アニメーション、エフェクトの挙動にしてほしい』という、修正指示。
再現不可能な壁
実は、クライアントが求めていた演出は、Adobe Premiere Proの機能(モーショングラフィックスなど)を前提としたものでした。
「FCPでも似たようなことはできるはず」 そう信じて、さらに1週間、FCPでの調整に時間を費やしました。
しかし、どうしても「完コピ」のクオリティが出ない。テロップの位置が微妙にズレる、アニメーションの挙動が違う……。
気づけば納期まで残り1週間。 手元にあるのは、クライアントの要望を満たせていないFCPのプロジェクトデータだけ。
「このままでは納品できない。信頼を失うだけだ」
私はここで、2週間かけて積み上げた作業データをすべて捨て、「触ったこともないPremiere Proをインストールして、イチから作り直す」という決断をしました。背水の陣です。
第2章:未経験ソフトを「AI活用」で乗りこなす戦略
Premiere Pro(以下Pr)をインストールして立ち上げた瞬間、絶望しました。 画面のレイアウト、ボタンの位置、用語……
FCPとはまるで違うコックピットがそこにはありました。
「1週間でこのソフトをマスターして、修正まで終わらせるなんて無理だ」
普通ならそう思います。マニュアル本を買いに行く時間も、YouTubeの初心者講座を1から見る時間もありません。
そこで私が思いついたのが、生成AI(Gemini)を「専属のスパルタコーチ」にすることでした。
戦略①:概念の「翻訳」
私は「動画編集」自体の知識はあります。わからないのは「Pr独特の挙動」だけ。
最初にパニックになったのは、「クリップを動かすと周りが消える(上書きされる)」問題。
私:「素材の場所を入れ替えたいんだけど、ドラッグすると前後の素材との隙間が空いたり、置いてある素材が消えたりしちゃう……」
AIコーチ:「それはFCPユーザーが最初にぶつかる壁ですね。Prは『上書き』が基本ですが、『Ctrl (Cmd)』を押しながらドラッグしてみてください。これでFCPのように周りの素材が自動で避けて、割り込み(インサート)ができます。」
ゼロから覚えるのではなく、わからないことはどんな些細なことでも、AIに質問することで学習コストを劇的に圧縮しました。
戦略②:UI(画面)の「翻訳」
マニュアルに書かれた指示も、未経験者には暗号です。 特に音量調整の場面で、私はパネルの画像を送ってこう聞きました。
私:(ミキサー画面のスクショを貼って)「手順書にある『リミッター設定』をしたいんだけど、この画面のどこを触ればいいの? 見方がわからない」
AIコーチ:「一見わかりにくいですよね。その画面の一番上にある小さな『fx』という枠を見てください。その枠の右端にあるさらに小さな『▼』をクリックするとメニューが出ます。そこから『振幅と圧縮』→『ダイナミック』を選んでください。」
AIがいなければ、この「隠しボタンのような小さな矢印」を探すだけで30分は検索していたでしょう。
AIは知りたいことを的確に、ピンポイントで教えてくれます。
第3章:トラブルは「言語化」せず「スクショ」で解決
独学で新しいソフトを触っている時、一番時間が溶けるのは「画面が変になったが、何が起きたかわからない時」です。
「なんかクリップが灰色になってる……」
「さっきまであったパネルが消えた……」
これを解決しようにも、そもそも「何が起きているか」が言語化できないため、検索ワードがわかりません。
「Premiere Pro 画面 変」などでググっても、求めている答えにはたどり着けないのです。
そこで私は、エラー画面や不明なパネルをスクリーンショットで撮影し、そのままGeminiに投げるという荒技を使いました。
ケーススタディ:消えたトラック
翌日、Prを立ち上げて編集を再開しようとすると、タイムライン上の動画クリップが見えなくなりました。
私:やべ、保存してなかった?💦
(スクショを貼って)「こんな画面になってしまったんだけど⋯」
AIコーチ:「バグではありません。初期状態にリセットしましょう。『ウィンドウ』をクリックして『ワークスペース』から『保存したレイアウトにリセット』を押してください。」
正直、「こんな画面になってしまった」という指示で欲しい情報を出してくるGeminiに驚きました💦
ケーススタディ:謎のグレーアウト
ある時、タイムラインの上部がグレーになっていました。
私:(スクショを貼って)「これ何? 壊れた?」
AIコーチ:「それは『イン点・アウト点』が設定されているだけです。書き出し範囲の指定なので、右クリックして『イン/アウトを消去』で消せます。」
検索ワードすら思いつかないトラブルが、数秒で解決していく。これは、「目(画像認識)」を持ったAIならではの強みでした。
第4章:プロの技を「ショートカット」で盗む
納期が迫る中、マウスでカチカチ、ポチポチ操作していては絶対に間に合いません。
私はAIコーチに作業手順を教わるたびに、「効率的に編集できるショートカットキーはないの?」としつこく聞き続けました。
そこで教わったのが、プロの編集者が呼吸をするように使っている「爆速ショートカットキー」です。
これを知ってから、私の編集スピードは体感で3倍になりました。ここで、FCPユーザーの私も感動した「Premiere Proの必須ショートカット」をシェアします。
1. カット編集の「三種の神器」(Q / W / Cmd+K)
最初は「ハサミツール(C)に持ち替えて切って、矢印ツール(V)に戻して、選択してDelete」という手順を繰り返していました。(Geminiにそう教わったから)
しかし、プロは絶対にそんなことはしていません。初心者でもわかる遅さです(笑)
私:「いちいちハサミと矢印を切り替えずにカット編集を効率化できないの?」
その質問にGeminiが返してくれたのが以下のショートカット群。(最初からそっちを教えて😂)
Q キー(前の編集点までリップルトリミング)
再生バーより「前(左側)」の不要な部分を一瞬で消し、隙間を自動で詰めてくれます。「ここから喋り始めた」という頭出しに最強です。
W キー(次の編集点までリップルトリミング)
再生バーより「後ろ(右側)」の不要な部分を一瞬で消し、隙間を詰めます。「ここまで喋った」というお尻の処理に使います。
Cmd + K (Win: Ctrl + K)
その場でスパッと切断します。ハサミツールに持ち替える必要はありません。
左手をキーボードの左側(Q, Wまわり)に置き、「Kで切って、再生して、いらない部分でQ(またはW)」
このリズムを掴むだけで、数時間の素材がみるみる短くなりました。
2. タイムラインを支配する「移動系」
マウスで再生バーをドラッグして微調整するのはストレスです。これもキーボードで解決しました。
↑ ↓ キー(編集点への移動)
クリップの切れ目(カット点)に、磁石のようにピタッと再生バーが移動します。マウス操作の「行き過ぎた!」というイライラがゼロになります。
Shift + Delete (リップル削除)
クリップを選んでこれを押せば、「削除」と同時に「空いた穴埋め」までやってくれます。
3. 割り込み編集の「魔法のキー」
FCPユーザーの私が一番苦しんだ「ドラッグすると上書きされて素材が消える問題」。これもAIが解決策を教えてくれました。
Cmd (Win: Ctrl) + ドラッグ
素材を移動させる時、このキーを押しながらドラッグすると、周りの素材が自動で避けて「割り込み(インサート)」してくれます。
FCPのマグネティックタイムラインと同じ挙動が、このキー1つで再現できました。
最終章:AIがいれば「ツールの壁」は怖くない
こうして、怒涛の1週間が過ぎました。 結果として、クライアントの要望通りの「完コピ」クオリティで動画を完成させ、無事に納品まで漕ぎ着けることができました。
今回の挑戦で得たもの
報酬はもちろんですが、それ以上に大きかったのは「自信」です。
これまでは「Premiere Pro指定」という案件を見るたびに、「自分はFCPしか使えないから……」と諦めていました。
しかし、今回の経験で「未経験のツールでも、AIを相棒にすれば、実戦の中で走りながら習得できる」という確信を得ました。
閑散期に向けて
年明けの閑散期、私はもう「ニート」ではありません。「Premiere Proも使える動画編集者」として、新しい仕事を取りに行ける状態になっています。
もし今、この記事を読んでいるあなたが
「本業が忙しくて新しいスキルなんて覚えられない」
「未経験のツール指定で応募をためらっている」
と感じているなら、ぜひAIを専属コーチにして飛び込んでみてください。
✅️ わからないことは「翻訳」させる。
✅️ トラブルは「スクショ」で見せる。
✅️ 面倒な作業は「効率化」を聞く。
この3つを意識するだけで、独学のスピードは何倍にも加速します。
AIは「気を使わなくていい」最強の先輩。
今回の経験で痛感したのは、「AIを活用すれば、コミュニケーションコストをゼロにできる」ということです。
もし私が、わからないことをすべて人間の先輩やクライアントに聞いていたらどうなっていたでしょうか?
「こんな初歩的なことを聞いたら呆れられるかも……」と躊躇したり、相手からの返信を待つタイムラグで作業が止まったりしていたはずです。
しかし、AI相手なら何の気兼ねもいりません。 何度同じことを聞いても、どれだけ「しょうもない質問」をしても、AIは嫌な顔ひとつせず、瞬時に答えを返してくれます。
リベシティ内での活動や、クライアントワークでも同じです。 誰かに質問する前に、まずはAIに投げてみる。
そうすることで、「自分で調べる力(自走力)」が鍛えられ、結果として相手からも「この人は自分で解決できる人だ」と信頼されるようになります。
「まずは自分で(AIと)調べてから」
この習慣をつけるだけで、私たちのスキル習得スピードは格段に上がります。 ぜひ皆さんも、今日からAIをフル活用して、ガンガン新しいことに挑戦していきましょう!
繁忙期の配達業務の中で、ヘトヘトになりながらも掴んだこのノウハウが、誰かの挑戦のきっかけになれば嬉しいです。