• 投稿日:2025/12/28
  • 更新日:2025/12/28
【第40話】FIREについて研究してみた ~FIRE達成者が心配すること3選~

【第40話】FIREについて研究してみた ~FIRE達成者が心配すること3選~

OGA@社会人大学院生

OGA@社会人大学院生

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要約
大学院でFIRE(Financial Independence Retire Early)をテーマに修士論文を執筆しました!「FIREって何?」という教授や、「先行論文がないテーマはやめた方が良いですよ」という教授たちの反対を押し切り、書き上げた論文を分かりやすく解説します。

【第40話】FIREについて研究してみた
~FIRE達成者が心配すること3選~

🔶 なぜFIREしても不安は消えないのか?

リベシティのみなさん、こんにちは!社会人大学院生のOGAです。

大学院で「FIRE(Financial Independence Retire Early)」をテーマに修士論文を書いた経験を、みなさんにも共有したいと思います。


「自由な時間がほしい」、「会社を辞めて、もっと楽に生きたい」そんな願いを叶える手段として注目されているのが、FIRE(経済的自立・早期退職)です。しかし、FIREが現実味を帯びてきたり、実際に達成したりすると、多くの人がある共通した不安に直面します。


実は――

お金の問題さえ解決すれば、すべてがうまくいくほど、人の心は単純ではありません。

今回は、FIRE達成者が抱きがちな「3つの心配ごと」を整理しながら、本当の意味で豊かなFIRE生活を送るヒントを探っていきます。


1. 資産が枯渇してしまうのではないか?
 「いくらあるか」ではなく「減ること」への不安

FIREを目指す多くの人は、「5,000万円あれば…」「1億円あれば…」といった目標額を設定します。

しかし、いざ資産を取り崩す生活が始まると、多くの人が心理的な壁にぶつかります。


・資産額に関係ない不安:

 3億円持っている人であっても、資産が減っていくグラフを見ると強いストレスを感じます。


・損失回避性:

 人間は「得る喜び」よりも「失う痛み」を強く感じる傾向があります(行動経済学で知られるプロスペクト理論)。


結局のところ、安心感は「資産の総額」そのものよりも、「資産が急激に減らない仕組み」や「いつでも稼げるという自信」から生まれやすいのです。


2. 人とのつながりがなくなってしまうのではないか?
  「何者でもない自分」に向き合う

会社を辞めると、それまで当たり前に持っていた「肩書き」や「役割」が消失します。これは、想像以上に大きな心理的インパクトをもたらします。


・アイデンティティの喪失:

 「〇〇会社の△△」という立場がなくなることで、「自分が何者なのか分からない」と感じてしまうことがあります。


・孤独の苦痛:

 ハーバード大学の長期研究(成人発達研究)では、幸福な人生に最も必要なのは「良好な人間関係」であることが繰り返し示されています。


・貢献実感の欠如:

 人は誰かに必要とされ、役に立っているという実感がないと、自己肯定感を維持するのが難しい生き物です。


FIRE後は、この「人とのつながり」をどう再構築するかが、大きなテーマになります。
幸福を左右するのは、肩書きに代わる「役割」や「居場所」を自分でつくれるかどうかです。仕事以外のコミュニティや趣味、学び、そして誰かへの小さな貢献が、「何者でもない自分」への不安を、少しずつ埋めていってくれるでしょう。


3. やることがなくなってしまうのではないか?
  自由すぎる時間がもたらす「虚無感」

「毎日テレビを見て、ゲームをして過ごしたい」 そう思ってFIREしても、その生活が1ヶ月、1年と続くと、多くの人が「本当にこれがしたかったのか?」と自問自答し始めます。


・受動的な娯楽の限界:

 消費するだけの娯楽(テレビやSNS)は、短期的には楽しいですが、長期的な満足感(フロー体験)にはつながりにくいとされています。


・成長の実感:

 何かに挑戦し、少しずつでも前に進んでいるという感覚がないと、人は深い充足感を得にくくなります。


・良性ストレスの必要性:

 心理学の分野では、適度な緊張や挑戦(良性ストレス)が、学習や成長、幸福感にプラスに働くことが知られています。


だからこそ、FIRE後の時間は「何もしない自由」ではなく、自分で意味づけする自由として使えるかが問われます。

学び直しや創作、身体を動かすこと、人と関わる小さな挑戦など、少しの目標とリズムがあるだけで、時間は「虚無」から「充実」へと変わっていくでしょう。


🔶 まとめ:「サイドFIRE」はフルFIREの上位互換

FIREは、何もしないための選択ではなく、何をするかを自分で決めるための選択です。

時には、心をゆっくり休めることも必要です。テレビを見たり、好きなゲームをしたりすることも大切な時間です。

一方で、研究でも示されている通り、「適度なストレス」や「挑戦」は、私たちの集中力や成長、満足感を支えてくれます。

せっかく手に入れた「自由な時間」だからこそ、自分のやりたいことに、少しずつチャレンジしてみる。そんなFIRE生活も、十分にアリなのではないでしょうか。


最高のバランスは「サイドFIRE」にある


私は両学長が仰る通り、完全な「フルFIRE」よりも、適度に働く「サイドFIRE」の方が、より満足度の高い生活につながりやすいと感じています。

ただし、私がイメージしているサイドFIREは、「フルFIREの下位互換」ではありません。

・十分な資産を持ったうえで

・好きなことや価値を感じることに取り組み

・必要とされながら、自然にお金も入ってくる

そんな状態です。

言ってしまえば、フルFIREの上位互換のような生き方かもしれません。

(良い呼び名があれば、ぜひ教えてください…!)


FIREの本当の価値は、仕事を辞めることそのものではなく、「働いても、働かなくてもいい」環境の中で、本当にやりたい仕事を選べることにあります。

・好きなことでお金を貰えて、人に喜ばれる。

・仕事を通じて価値観の合う仲間が増える。

・遊んでいるのか働いているのか分からないほど没頭できる。

これこそが、お金と時間の自由を両立させた、「幸せなFIRE」なのではないでしょうか。


最後まで読んでくださりありがとうございました。

次回も、研究で得た知見をわかりやすく紹介していきます!

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OGA@社会人大学院生

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この記事のレビュー(2
  • 会員ID:rN9JTVFz
    会員ID:rN9JTVFz
    2025/12/29

     書かれている内容に異論はないのですが、FIREは人生の目的ではなく手段のような気がします。FIについては、お金に関する安全、自由、自立の点で価値はあると思いますが。  世の中、いろいろな人がいますが、怠惰で仕事をしたくない人もいるので、そのような価値の人は目的になるのかな?  人間24時間完全に充実させられる人の方が少ないのかも🤔だから仕事や学校など強制力のあるものが必要なのかも🤔  遊びのように仕事をするのが1番で天職についているのがベストのような気がします。遊び、仕事の境目がないのが理想ですね。  今回、挙げられていないことについて書くと、日本は敗戦後貧しかったので、ほとんどの人はFIREどころではなかったのでは。日本も今は金融資本も世界の中でも多く所有しており、一般人にもFIREの選択肢がでてきたのでは。  あとは日本の世間の文化で、FIREは世間でみれば、ただの無職で世間体が悪いということもあるのかな、と。家族、親戚、ご近所に見栄えが悪いという要素もあると思います。都会で隣に誰が住んでいるかわからない中で個人主義で生きている人は大丈夫だと思いますが。

    OGA@社会人大学院生

    投稿者

    2025/12/29

    モトさん 丁寧で深いレビューをありがとうございます。 とても考えさせられる内容で、私自身の研究テーマとも強く重なる部分が多いと感じました。 「FIREは人生の目的ではなく、手段のような気がします。」という点については、私もまったくその通りだと思っています。FIREは「幸せそのもの」ではなく、あくまで選択肢を広げるための土台ですから。 また、「遊びのように仕事をするのが1番で天職についているのがベストのような気がします。」というモトさんの理想像は、FIRE後に満足している人たちの姿と重なります。私自身も、完全に何もしない状態より、「自分で選んだ役割を持って何かに関わり続ける生き方」がしっくりくる気がしています。 貴重なご意見をありがとうございました。

    OGA@社会人大学院生

    投稿者

  • 会員ID:cuxFotZl
    会員ID:cuxFotZl
    2025/12/28

    めっちゃ、言語化されて共感しました 世の中への貢献という視点から、最近は配当金の一部を身近な地域へ寄付すること(少しずつですが)を始めました 興味深い記事ありがとうございました🙏

    OGA@社会人大学院生

    投稿者

    2025/12/29

    ふむふむさん 私の拙い文章を読んでくださりありがとうございました。 このようなお言葉をかけていただき本当に励みになります。 私もできる範囲で少しずつ他者貢献したいと思っています。 そのためにもまずは自分が豊かにならないといけませんね!

    OGA@社会人大学院生

    投稿者