- 投稿日:2026/01/15
- 更新日:2026/01/15
長年の悩みである身体の歪み。「どうせなら、一度の施術でビシッとまっすぐにしてほしい!」――そう願う気持ちは、とてもよく分かります。
しかし、私たちプロの世界では、その「一気に治す」というアプローチが必ずしも正解とはされていないことをご存知でしょうか?実は、身体の専門家が最も大切にしているのは、一見遠回りに見える、ある原則なのです。
--------------------------------------------------------------------------------
【驚きの新常識】プロは「歪んだ背骨」を直ぐに正しい位置へ矯正しない
整体の現場で鉄則とされていること、それは「大きく曲がっている背骨を、一気にまっすぐにしない」ということです。
これは、多くの人が抱く「早く治したい」という期待とは逆かもしれません。
しかし、身体の仕組みを深く理解しているからこそ、プロはあえて急な変化を避けるのです。では、一体なぜ、すぐに完璧な状態へと戻してはいけないのでしょうか?
--------------------------------------------------------------------------------
【理由】身体が「悪い姿勢」を記憶してしまっているから
その答えは、私たちの脳と身体の「記憶」にあります。
長期間にわたって歪んだ姿勢が続くと、脳だけでなく、筋肉や神経もその「悪い状態」を正常だと認識し、それに慣れてしまいます。いわば、身体全体で歪んだバランスを保つように最適化されてしまっているのです。
この状態で急激に骨格を正しい位置へ戻すと、脳と筋肉の連携がその変化に追いつけません。身体は、この急激な「正しい」状態を未知の脅威と認識し、防御反応として筋肉の張りや痛みの増幅といった反応を引き起こすことさえあるのです。
身体が慣れ親しんだ唯一の「安定した」状態、つまり歪んだ状態へ戻ろうとするからです。
--------------------------------------------------------------------------------
【解決策】時間をかけて、脳と身体を「正しい姿勢」に慣らしていく
では、プロはどのようにして安全かつ効果的に身体を整えるのでしょうか。
その答えは、段階的なアプローチにあります。通常、4〜5回といった複数回の施術を通して、少しずつ骨格を本来あるべき位置へと導いていきます。
これは、脳、筋肉、そして神経に、新しい「正しい姿勢」をゆっくりと再学習させるためのプロセスです。
急発進ではなく、丁寧な「慣らし運転」を行うことで、身体に余計な負担をかけることなく、変化を安全に定着させることができるのです。

単なる機械的な調整ではなく、身体に新しいスキルを教え込むようなものだと考えてみてください。楽器の演奏を学ぶように、一貫した穏やかな練習を重ねることで、神経系は新しい回路を築き、正しい姿勢がやがて自然で楽なものだと感じられるようになります。
--------------------------------------------------------------------------------
結論:まとめ
身体の歪みを整える上で最も重要なのは、一気に結果を求めることではなく、身体が本来の姿を思い出すための時間を十分に与えてあげることです。
まさに「急がば回れ」という考え方が、健康を取り戻す上でも真理と言えるでしょう。
この段階的なアプローチが有効なのは「神経可塑性」として知られる、脳の驚くべき適応能力を尊重しているからです。私たちは骨を無理やり元の位置に戻しているのではなく、姿勢を司る脳内の地図を、忍耐強く書き換えているのです。
『神経可塑性:脳がつくりかえられる力のことです。例)自転車の練習をすると、はじめは難しいのに、だんだん上手になりますね。それは、脳の中の道(神経のつながり)が、つかうほど太くて強い道に作りかえられることを示します。』

あなたのその身体の不調も、焦らずじっくりと向き合うことが、一番の近道なのかもしれませんね。
