- 投稿日:2026/02/11
- 更新日:2026/04/03
第6話 老後2000万円問題の正体は「FIREの不足分」だった。
前回の記事には、ミスターピッグ🐷さんから素敵なコメントをいただきました。
「FIREを『余白を選べる生き方』と捉える点に賛成です!」ザトくんとの実質週3日稼働という共通点、とても心強いです。数字の達成も大切ですが、それ以上に「自分の意志で余白を選べている」という実感が、心の平穏に繋がりますね。
ミスターピックさん、レビューありがとうございました。
さて、第6話は少し毛色の違う話を。かつて日本中を騒がせた「あの問題」についてです。
■ 老後2000万円問題は“年金がある前提の話”だった
数年前に話題になった「老後2000万円問題」。 あのとき、多くの人が「そんなに貯められない!」と不安になりました。
しかし、税理士として、そして一人の生活者として数式に分解してみると、あれはこういう話なんです。
年金(基礎生活費)+ 2000万円(不足分)= 老後の生活費
つまり、年金という「土台」がある前提で、足りない部分をどう補うか、という議論だったんですね。 私は長年公務員として働き、「定年まで勤め上げれば大丈夫だろう」と、正直どこか他人事のように捉えていました。
しかし、今回「年金とFIRE」を並べて考えたとき、ハッと気づいたんです。 「老後2000万円問題って、FIREの不足分の話そのものじゃないか」と。
■ FIREの構造は「年金+資産収入」でできている
リベシティのFIREの定義はシンプルです。「生活費を労働以外(金融資産)の収入で賄える状態」のこと。 その収入源を分解すると、実は老後2000万円問題と同じ式になります。
生活費 = 年金(基礎部分)+ 資産収入(不足分)
私たちが目指しているFIREは、特別な魔法ではありません。 「老後2000万円問題」は、実は多くの人が無意識に目指していた「FIREの不足分」を可視化したものだったのです。
■ 若い人のFIREは、なぜ「ハードモード」なのか
では、若い方のFIREはどうでしょうか。 彼らには時間という資産がある一方、まだ年金という土台がありません。つまり、生活費の全額を自力(資産収入)で賄う必要があります。
「4%ルール」で計算してみると、その壁の高さがわかります。
年間200万円必要なら → 5000万円年間400万円必要なら → 1億円
2000万円どころの話ではありません。さらに、子育てや住宅ローン、交際費など、若いうちはどうしても支出がかさみます。構造的に「ハードモード」にならざるを得ないのです。
■ 高齢者のFIREは、実は“半分クリア済み”
一方で、私のような60代はどうでしょうか。 先日、DIYで賃貸物件の壁紙を張り替えながら、ふと考えました。 「自分たちは、すでにFIREの半分をクリアしているんじゃないか?」と。
年金という確実な土台がある生活コストが若い頃より低い(外食が減り、手軽な七輪で焼く冷凍焼き鳥で十分幸せになれる)
住居が安定している(ローン済みの自宅か、子供が独立後は小さな賃貸物件でよい)
高齢者のFIREは、若者のように「全額を資産で」と気負う必要はありません。年金で足りない「余白」の部分だけを、少しの資産と、少しの「じわじわワーク(週3勤務など)」で埋めればいい。 そう考えると、シニア世代のFIREは圧倒的に現実味を帯びてきます。
■ 「FIが先、REは後」──この順番がすべて
ここで今回の核心です。私が一番お伝えしたいのは、この順番です。 「
FI(経済的余裕)が先にあって、RE(退職)は後からついてくるべき」。
逆は非常に危険です。
「仕事が嫌だからとにかく辞めたい(RE先行)」
「株価が上がっているから、今ならいけるはず」
こうした焦りからくる退職は、ただの「無職」に近い状態になりかねません。
まずは、ライフプラン表で「自分にとっての不足分」を可視化すること。 FI(経済的な安心感)が整えば、RE(退職や減速)は自然と選べる選択肢になります。
■ 結び:今日もまた、じわじわと。
私は65歳になって、ようやくこの構造が腑に落ちました。 派手な早期リタイアではないけれど、年金を土台にしつつ、不足分を「小金持ち山(5000万円)」の資産と、不動産所得と週3日の税理士業務で補う。
これが、私の選んだ「じわじわFIRE」の形です。 仕事を完全に辞めるのではなく、ハンドルを握り直す感覚。
今日もまた、「人生、今日が一番若い日」。 夕暮れの帰り道、空を眺めながら「今日もいい一日だった」と思える余白を大切に、このHands-on FIREを続けていきたいと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※第7話は、「FIの本質(第二キャリア)を考えるきっかけとなった、リベ住民のOGAさんの「FIREの研究論文」のご紹介 です。第7話はこちらから読めます。
https://library.libecity.com/articles/01KGVZZ0A7T3J9CM38AAFAP9FT
