- 投稿日:2026/02/13
- 更新日:2026/02/13
令和8年(2026年)、「年収の壁」が変化
令和8年の税制改正では、基礎控除や給与所得控除が引き上げられ、所得税がかからない年収の上限が上がっています。
しかし、住民税は所得税と全く同じような措置があるわけではなく、また、税金のほかに社会保険のことも考える必要があります。
この記事では、
夫(給与所得者)の扶養に入っている、パート勤務の妻(給与所得者)
を想定し、税金・社会保険を整理してわかりやすくお伝えします。
令和8年の「年収の壁」は大きく4つ
令和8年時点において、家計にインパクトがある境界線は次の4つです。
「年収の壁」は、大きく分けて、
・税金の壁 ※住民税、夫の配偶者(特別)控除、所得税
・社会保険
の壁があります。
ポイントは、「税金の壁」は“超えた分だけ”にしか税金がかからないけれど、「社会保険の壁」は“全額に”保険料がかかるということです。
年収別シミュレーション
手取りはどれくらい増える?働き損にはならないの?
実際に、妻の年収が上がるごとにどれくらい世帯の手取りが増えるのかをシミュレーションしました。
令和8年分を反映できるシミュレーションサイトがなかったので、スプレッドシートで計算しました。
全体感をつかむ目安にしていただければと思います。
💡前提条件(令和8年版)
・妻はパート給与収入のみ(副業なし)
・給与所得控除:所得税74万円、住民税65万円
・所得控除:基礎控除(所得税104万円、住民税45万円)、社会保険料控除のみ
・社会保険料率:15%(自己負担分)
・住民税率:10%(均等割を含めず)
・夫の税率:所得税+住民税=20%
※1 社会保険の負担が発生すると、社会保険料の額がそのまま社会保険料控除となるため、年収178万円を超えても当分は所得税が発生しないことになります。
※2 「夫の負担増」は夫が受ける配偶者特別控除の額が段階的に減少することによる影響です。配偶者特別控除の減少額に、夫の税率をかけて算出しています。
「逆転現象」の正体は“社会保険”
改正以前と変わらない現象なのですが、年収130万円のとき、年収110万円のときと手取りが同じくらいになってしまっています。(赤い網掛けの行)
これは、年収130万円になると社会保険の扶養に入れなくなり、自分で社会保険に加入する必要があるからです。
ここで、税金と社会保険の存在が手取りに与える影響を整理します。
・税金:超えた分だけに税金がかかる。多少超えてもダメージは小
・社会保険:全額に保険料がかかる。超えるとガクッと手取りが落ち込む
つまり「働き損」と感じるのは、社会保険に加入すると“全体の15%”が急に引かれるからです。
「+20万円の法則」で崖を超えよう
社会保険の壁を超えても、「+20万円」くらいまで伸ばせば、手取りも回復して黒字に。
つまり、扶養を抜けるなら中途半端はNG!
→ 一気に+20万円以上稼ぐ! これが崖越えの鉄則です。
社会保険は2026年10月から「労働時間基準」に
社会保険については、2026年10月(令和8年10月)から、加入のルールが変わります。
週20時間以上勤務していれば、企業規模に関係なく社会保険加入が必要に。
「106万円の壁(年収基準)」は、実質的に廃止されます。
年収130万円の判定も、実績ではなく雇用契約書の見込み年収で判断されます。
つまり、突発的な残業でうっかり扶養を外れるリスクが減る方向に。
事業所得がある人は、経費を引いた後の利益計算が必須!
税金の扶養内に入れるかどうかは「合計所得金額」、税金がいくらかかるかは「課税所得」で判断されます。
上のシミュレーションでは給与収入のみという前提で、給与年収のみをベースに試算しましたが、ここに副業(事業所得)が加わると試算が難しくなります。
収入が給与収入のみであれば、給与年収がわかればある程度「合計所得金額」「課税所得」が算出できるのに対し、事業所得ではそうはいかないためです。
副業(事業)がある人は、経費を引いた後の利益の額が重要になります。
🌟計算式
・合計所得金額 =給与所得(給与収入 - 給与所得控除)+(売上 - 経費 - 青色申告特別控除)
・課税所得 =合計所得金額 - 所得控除(基礎控除、社会保険料控除など)
※具体的な数字情報を載せて後ほど更新します🙏
まとめ:「損しない程度に」ではなく「主体的に稼ぐ」
税金面で令和8年・9年は、基礎控除や給与所得控除の特例加算があり、「もうちょっと稼ごうかな」というハードルは、令和7年やそれ以前に比べて下がっているように感じます。
また、あえてパート先で社会保険に加入し、パート先を「マイクロ法人代わり」にしつつ事業所得を伸ばすという戦略をとれば、効率よく・かつ遠慮なく、手取りを増やしていく道もあります。
「稼ぐ力をがんばっても、働き損かも…」と悩む前に、数字の構造を知って、主体的に働き方を選びましょう。
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※この記事は、令和7年12月19日に発表された「令和8年度税制改正大綱」をもとに、「年収の壁」に関わるポイントをわかりやすくまとめたものです。
実際の手続きや判断が必要な場面では、その時点での最新情報をチェックしつつ、必要に応じて税務署や専門家にも相談してみてくださいね。