- 投稿日:2026/03/19

腰椎の疾患による強い痛み。
思うように動けない身体。
そして何より、長年一緒に暮らしてきた愛犬との別れ。
自由を失ったように感じる日々の中で、私を支えてくれたのは、日記に書き留めてきた何気ない出来事でした。
最近、その2年間の日記を読み返してみたのですが、そこには思っていた以上に多くの「回復のヒント」が残っていました。
今日は、その中から 自分にとって大きかった5つの気づきを書いてみたいと思います。
① 1日1ミリでも進めば、それでいい
身体が思うように動かないとき、人は簡単に無力感に飲み込まれてしまいます。
そんなときに助けになったのが、「小さな学習」でした。
この時期、私は
・ 語学
・ ドット絵
・ ウクレレ
・ スケッチ
など、いろいろ試してみました。
その後、特に続いたのがスケッチでした。
最初は長い時間描くのがつらかったので、練習時間を
・ 1分
・ 3分
・ 5分
・ 10分
というふうに、かなり細かく分けました。
すると不思議なことに、「1分ならできる」と思えるようになります。
そうやって少しずつ続けていくうちに、気づけばクロッキー帳を1冊使い切っていました。
そのとき、ふと思いました。
没頭できる時間は、痛みや不安から心を少しだけ解放してくれます。
そして、小さな上達は想像以上に心を支えてくれるものだと感じました。
② 思い出は「過去」ではなく「今」にある
2023年の夏、愛犬が病気で亡くなりました。
最初の頃は、写真を見るだけで涙が止まりませんでした。
でもある日、iPhoneが自動で作った「ペットの思い出動画」を見ているとき、ふとこんなことを思いました。
「この子、まだ私の記憶の中で走り回っているな」
それから、少しずつ写真を見る時間の意味が変わっていきました。
思い出は、ただの過去ではなくて、
今も自分の中で生き続けているものなのかもしれません。
悲しみを消すことはできなくても、
それを温かい記憶として抱えていくことはできる。
そう思えたとき、少し前に進めた気がしました。
③ 外を歩くことは、想像以上に効く
自宅と病院の往復だけの生活が続くと、心まで縮こまってしまいます。
リハビリが進んだころ、久しぶりに少し遠くへ出かける機会がありました。
日記を見返すと、そのときの歩数まで書いてありました。
ある日は
→ 8,000歩ほど
別の日には
→ 10,000歩を少し超えました
初めて1万歩を超えたときは、本当に驚きました。
さらに別の日には、13,000歩ほど歩き、大きな川の景色を眺めました。
美術館に入ったり、市場を歩いたり。
外の空気に触れるだけで、気持ちがずいぶん軽くなります。
歩くことは、身体のリハビリでもあり、
心のリハビリでもあるんだなと感じました。
④ 不快な時間も、ちょっとした想像で変わる
MRI検査を受けたことがある人なら分かると思いますが、あの音はかなり大きいです。
最初はただただ不快でした。
でもあるとき、こう考えてみました。
「これ、80年代の曲のドラムみたいだな」
さらに
「お祭りの太鼓や銅鑼っぽいかも」
と思って聞いてみたら、不思議と気持ちが変わりました。
騒音が、なんとなく「お祭りの音」に聞こえてきたんです。
また、窓拭きロボットを導入したのも小さな変化でした。
窓がきれいになると、自然とカーテンを開けるようになります。
すると、外の光や景色が部屋に入ってくる。
テクノロジーって、単なる便利な道具ではなく、
生活の見え方を少し変えてくれるものなのかもしれません。
⑤ 人の優しさは、意外とあちこちにある
孤独を感じているとき、誰かの小さな優しさがとても心に残ります。
雪道で滑りそうになったとき、支えてくれた人。
旅行先で道を教えてくれた人。
そしてある春の日。
以前関わっていた人が、感謝の言葉と一緒にハグをしてくれました。
当時の私にとって、その温もりはとても特別なものでした。
夜市で席を譲り合う人たち。
シャボン玉を追いかけて遊ぶ子どもたち。
世界は、思っているよりも優しさに満ちているのかもしれません。
だから私は、そういう瞬間を日記に書き留めるようにしています。
おわりに
2年間の日記を振り返って思ったのは、回復というものは一直線ではないということです。
良くなる日もあれば、戻る日もある。
それでも、少しずつ前に進んでいく。
痛みや悲しみは消えないかもしれません。
でも、小さな進歩や人の優しさを集めていけば、人生はまた作り直していける。
そんな気がしています。
もしよかったら、
今日あなたが感じた
「小さな幸せ」
「小さな進歩」
を思い出してみてください。
そして、できれば書き留めてみてください。
きっと未来のあなたを支えてくれるはずです。