- 投稿日:2026/04/30
- 更新日:2026/04/30
はじめまして、チャリと申します。 ホテル業界で30年以上勤務し、現在56歳。定年まであと数年というところまで来ました。
両学長の教えに出会い、自由への道を歩み始めたのは数年前のこと。新NISAで着々と資産を積み上げながら、小金持ち山(金融資産5,000万円) の登頂を目指しています。
そんな中、最近になってようやく真剣に向き合ったのが「退職金・企業型DC・iDeCoの受け取り方」です。
「もらえるものはもらえばいい」くらいに思っていたのですが、実は受け取り方を間違えると数十万円単位で損をすることがわかりました。同じ定年前後の方に少しでも参考になれば、と思い記事にまとめます。
① まず「退職所得控除」を理解しよう
退職金を受け取るときの最大の武器が退職所得控除です。
計算式はシンプル:
勤続年数20年以下の部分:1年あたり40万円
勤続年数20年超の部分:1年あたり70万円
勤続33年の場合を例にすると:
800万円 + 70万円 × 13年 = 1,710万円(端数処理で変わる場合あり)
つまり、長く勤めれば勤めるほど控除額は大きくなります。30年以上勤続したサラリーマンにとっては、非常に強力な非課税枠です。
ここが重要:この枠は「その年限り」で消える
使わなかった控除の余り枠は翌年以降に繰り越せません。60歳退職なら、60歳のその年にしか使えない枠です。
② 問題:退職金+企業型DCを両方一括受取すると控除を超えてしまう
ここが多くの人が見落とす落とし穴です。
退職金だけなら控除の範囲内に収まっても、企業型DCも一括で受け取ると合計が控除上限を超えてしまうケースがあります。
私の場合もまさにそうでした。両方を全額一括受取すると控除上限を超えてしまう状況です。
そこで選択肢を整理しました。
③ 選択肢を比較する
選択肢A:退職金だけ一時金、DCは全額iDeCoへ移管
メリット
退職時の税負担ゼロ
DCはiDeCoで非課税運用継続
デメリット
控除の余り枠が消える
手元キャッシュが少ない
選択肢B:退職金+DCの一部を一時金、残りをiDeCoへ移管
メリット
控除枠をフル活用・税負担ゼロ
手元キャッシュが増える
残りのDCはiDeCoで非課税運用継続
デメリット
なし(強いて言えば手続きがやや複雑)
結論:私はBを選びます。
退職所得控除の余り枠は「今しか使えない非課税枠」です。ここを使い切ってキャッシュ化するのが最も合理的です。
④ iDeCoへ移管した資産はどうなる?
企業型DCからiDeCoへ移管した資産は、引き続き非課税で運用できます。
ただし、NISAと違う重要な点があります。
iDeCo 運用中
非課税
受け取り時
課税(退職所得控除 or 公的年金等控除)
新NISA 運用中
非課税
受け取り時
非課税
特定口座
運用時・受け取り時 共に課税
iDeCoは出口(受け取り時)に課税されるという点を必ず押さえておきましょう。
⑤ 受け取った一時金の運用先はどうする?
退職時に手にした一時金。NISAに一括で入れたいところですが、年間投資上限(最大360万円)があるので一気には入れられません。
現実的な運用方針はこうなります:
NISA枠が残っていれば、年間上限の範囲で優先的にNISAへ
NISA枠が満額なら、特定口座で運用しながら順次NISAへ移行
「特定口座は課税されるから損」と思いがちですが、利益の約20%が税金になるだけで、寝かせておくよりは断然有利。長期インデックス投資なら税引き後でも十分なリターンが出ます。
両学長も言われている通り、「非課税じゃないから」と投資しないのは本末転倒ですよね。
⑥ iDeCoの出口戦略は複雑…2026年からルール改正もある
ここが一番悩んだ部分です。
知っておくべき2つのルール
◆ 10年ルール(2026年1月から改正・旧5年ルール)
iDeCoを先に一時金で受け取り、その後に退職金を受け取る場合、10年以上の間隔を空けないと退職金側の控除が減額されます。
以前は5年でよかったのが10年に延長されました。これが「iDeCo改悪」と言われている内容です。
◆ 19年ルール(今回の改正で変更なし)
退職金を先に受け取り、後からiDeCoを受け取る場合は「19年ルール」が適用されます。勤続期間とiDeCo加入期間の重複分だけ控除が減額されるため、ほぼ確実に控除が大幅に削られます。
私の状況での影響
今回の私の戦略(退職金+DCの一部を同年に受け取る)では、どちらのルールも関係ありません。同年受取なので問題なし。
問題はiDeCoに移管した残額の65歳以降の出口です。
⑦ iDeCoの出口、3つの選択肢
方法 一時金(65歳〜)
メリット シンプル
注意点 19年ルールで控除がほぼ使えない
方法 年金形式(65歳〜)
メリット 公的年金等控除が使える
注意点 公的年金と合算される
方法 公的年金を繰り下げ+iDeCoを先に受け取る
メリット 公的年金を増額できる
注意点 ライフプランの設計が必要
「WPP戦略」という考え方
日本年金学会でも議論されている考え方で、頭文字を取って「WPP」と言います。
W:Work Longer(長く働く)
P:Private Pensions(iDeCo・DCなど私的年金を先に取り崩す)
P:Public Pensions(公的年金を繰り下げて増額し、一生涯の安定収入にする)
具体的にはこんなイメージです:
60〜64歳:再雇用で働きながら資産を運用継続 65〜69歳:iDeCoを年金形式で受け取りながら生活、公的年金は繰り下げ 70歳〜:42%増額した公的年金+残余資産で安心の老後へ
公的年金は1年繰り下げるごとに8.4%増額、最大75歳まで繰り下げれば84%増額されます。長生きリスクへの最強の保険とも言えます。
⑧ 私の60歳退職時の結論
整理すると、こうなりました:
項目 退職金
方針 一時金で受け取る
項目 企業型DCの一部
方針 退職所得控除の余り枠ギリギリまで一時金で受け取る
項目 企業型DCの残り
方針 iDeCoへ移管・非課税運用継続
受け取った一時金の運用先→特定口座で運用、NISAへ順次移行
iDeCoの出口→65歳以降の収入・税制状況を見て判断(FP相談も検討)
公的年金→繰り下げを検討(収入状況次第)
まとめ:定年前にやること
✅ 自分の退職所得控除の上限額を計算する(勤続年数から算出)
✅ 退職金と企業型DCの合計と比較する
✅ 控除の余り枠がある場合は、DCの一部も一時金で受け取る設計をする
✅ DC残額はiDeCoへ移管して非課税運用を継続する
✅ 65歳以降のiDeCo出口は、そのタイミングで改めて設計する
「退職金なんてもらえればいい」と思っていた数年前の自分に教えてあげたい内容です。
両学長がいつもおっしゃっているように、お金の知識は最大のリターンを生む投資ですね。小金持ち山登頂に向けて、最後の出口までしっかり設計していきます!
※本記事は個人の学習・整理を目的としたものです。税務・資産運用の判断は必ず専門家にご相談ください。制度は改正されることがありますので、最新情報をご確認ください。