- 投稿日:2024/08/16
- 更新日:2025/11/05
有名企業に飛び込んだら
新卒で入った会社は、テレビでCMも放映している通販の大手。「やったー!有名企業に入社できたぞ!」なんて浮かれていたのは、新卒研修の折り返し地点まででした。僕たちが配属されたのは、高額商品を主に扱う事業部。前半の「社会人とは!」なんて研修とは一変、目の前にはヤクザと見間違うほどのリーゼントのおじさんが立ってるじゃないですか。会社説明会で「若くして店長から部長に出世のチャンス!」なんて言われて、僕たち新人はその言葉に夢中でしたが、どうやら重要なのはそこじゃなかった模様…。その後の半月は、まるで洗脳のようなマインドコントロール研修。幸い、僕は大学時代、体育会系の武道部で鍛えられていたので、「まぁ、これくらいなら…」と何とかやり過ごしましたが、「ああ、卒業してもこのノリ続くのか」と思うと心が重かったです。
大分ブラックで楽しい日々
新卒配属先は大分でした。月3日しか休みのない超ブラックな職場。それでも不思議なことに結果が出るし、先輩たちとも仲良く遊んでいたので、それなりに楽しい日々でした。商材は主に着物で、若い女の子のいる家庭に浴衣の反物をプレゼントし、展示会に誘い出してから着物を売るという手法。びっくりすることに、これが結構売れるんですよ!なんと、約3割の確率で売れるんです。僕はそれまで、着物の「き」の字も知らなかったので、「本当に売れるのか…?」と疑っていたんですが、現実はそんな僕の想像をはるかに超えていました。
摩訶不思議な女性の思考
このとき、男性と女性の思考の違いに気付きました。女性は、関係性にもよりますが、娘と仲が良く、その娘が気に入ったら、数十万から数百万もする着物をポンと買っちゃうんです。え、普段は数十円から数百円安い大根を買うために隣町のスーパーまで行くんじゃなかったっけ…
セールスの極意は「信者」づくり?
キャリアを積んでくると、高額商品を売るのは、商品そのものよりも顧客との関係性が大切だと痛感しました。最初は「他人」だった顧客が、知り合い、友達、親友、そして最終的には「信者」に…!この階段を登らせることができれば、あなたはもうセールスの達人です。
保険もまるで宗教?
この関係性の構築は、保険の営業にも当てはまります。当時の営業組織は、日本生命を真似て作られており、主に女性をターゲットにした同年代の女性が前面に立って人間関係を築きながら商品を販売します。ここでは、損得感情を超えた強固な信頼が求められます。トップセールスたちは、日々、顧客のために心血を注ぎ、その見返りとして保険の契約を獲得していきます。これだけガッチリ作られた人間関係を、今さら「ちょっと話し合いをしたいんだけど…」なんて言っても、変えることは難しいでしょう。よく「信頼貯金」と言いますが、場合によっては、あなたよりもセールスの人の方が顧客との信頼貯金が多いかもしれません。
保険を断ったら地獄が待っている?
保険商品を「あなたのために良いものを紹介したのに!」と薦められて契約したのに、後で勝手に断ったりすると、関係が悪化するのは火を見るより明らかです。リベシティに入っているような人なら、ある程度損得勘定を理性的に処理できると思いますが、高額商品を購入する顧客には、夫婦関係や子供関係に何かしらの不満やストレスを抱えていることが多いです。日頃から親や子供としっかりコミュニケーションを取って、セールスマンが入り込む隙を与えないようにしましょう。
セールスマンはホストと同じ?
これは新興宗教、ネットワークビジネス、ホストなんかにも共通します。一度こういった人たちにターゲットにされると、抜け出すのは容易ではありません。以前、テレビで新興宗教にハマった奥さんが家庭を完全に崩壊させ、数千万円も団体に寄付してしまった被害者家族のご主人のインタビューが放送されていましたが、そのご主人の話し方や雰囲気から察するに、奥さんも悩みを抱え、誰にも相談できずに宗教に走ってしまったのでしょう。
家族を守るためのコミュニケーション
少なくとも、大切な家族がどんな友達と付き合っているのか、どんな悩みを抱えているのかは、しっかり把握しておきましょう。そうすれば、家族をぼったくりや詐欺から守ることができるかもしれませんよ。