- 投稿日:2024/10/13
- 更新日:2025/10/11
こんにちは、ざわと申します。
筆者は昨年子供が産まれ、現在妻は育休中です。来年4月に復職する予定のため、今年1年間妻は(ほぼ)収入がない見込みです。そのため、配偶者控除の適用を行う予定です。
配偶者控除は、専業主婦(夫)やパートタイマー勤務者を配偶者に持つ人に適用されると考えられることが多いですが、実は普段フルタイム勤務で配偶者控除の対象とならない人でも、育休中で収入が少ない(所得が一定額を下回る)場合は適用されます。
所得税率20%の場合、住民税分と合わせて年間109,000円の節税効果がありお得ですが、自分で申請しないと適用されません。知っていると知らないとで差が生まれます。早速詳細を確認してみましょう。
配偶者控除とは
そもそも配偶者控除とは、以下のような制度です。
納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを配偶者控除といいます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm
所得税・住民税両方に対して適用されます。
配偶者特別控除というよく似た制度もありますが、これは配偶者の所得がいくらかある場合に適用され、配偶者所得が多くなればなるほど段階的に控除額が少なくなる制度です。厳密には扶養親族の数え方などが変わりますが、実質的に地続きの制度と考えて良いと思います。
控除を受ける方の合計所得金額によって控除額が変わり、所得が多くなると控除額が減少します。合計所得金額が1000万円以上(収入換算で1195万円以上)になると控除額が0となり適用されなくなります。
念の為注意ですが、ここでいう「控除額」は「所得控除の額」です。「控除額38万円」の場合、税金が38万円安くなるわけではありません。所得税(住民税)計算の根拠となる「合計所得」が38万円減らされるということです。
出産手当金や育休給付金は所得に含まれない
育休を取得する場合、給与所得が少なくなる代わりに、多くの方が「出産手当金」や「育児休業給付金」の給付を得ているかと思いますが、これらは所得には含まれません。
なので、例えばある年の1月〜12月まで育休を取得し給与を会社から受け取ってない場合、(他に収入が無ければ)年収は0かそれに近い額になるのではないでしょうか。ただし、賞与の支給される会社の場合、支給対象期間に前年の勤務期間が含まれるなどで、わずかに支払われる額があるかもしれません。
また、1年まるまる育休期間ではなかったとしても、数ヶ月分の給与を足して所得が一定額に収まれば、「配偶者特別控除」を適用できるかもしれません。一度ご自身で計算してみたり、リベシティ内の「税金相談チャット」で相談されることをお勧めします。
手続きの方法
会社員の方の場合、お勤め先の総務・人事担当に問い合わせ、必要書類を準備の上申請を行うことで、その年の年末調整で適用され、払いすぎた税金が戻ってきます。
ちなみに、年末調整の際に配偶者控除等を記入する欄があるので、その際に申請を行うのでももちろん良いのですが、筆者の勤め先の場合、年の途中であっても随時申請を行うことが可能だったので、早めに申請を行いました。後回しにすると、不測の事態が起きたり、忘れたりして申請し忘れてしまうかもしれません。大事なことは後回しにせず今やる。大事ですね。
個人事業主の方や、会社員だけど年末調整までに申請し忘れた!という場合、確定申告を行い申請すれば同様に戻ってきます。
どれくらい節税できる?筆者の場合を例に計算してみた
筆者の場合、どれくらい節税される見込みなのかを以下で計算してみます。
なお、筆者の妻は今年1年間育休期間であり、収入が6月賞与(昨年の勤務期間分)のみですが、十分に少なく、配偶者控除が適用される見込みです。
所得税の場合
筆者の年収ゾーンの場合、以下の所得金額3,300,000円〜6,949,000円の範囲で控除されるため、節税額は380,000円×20%=76,000円です。
住民税の場合
住民税(所得割)の税率は一律10%のため、節税額は330,000円×10%=33,000円です。
合計
合計の節税額は76,000円+33,000円=109,000円です。
1年でこれだけの額を節税できるのは大きいですね。
あの時申請し忘れていた!⇨5年以内は遡及して請求できます
ここまでお読みいただいた方の中には、例えば、
「2年前に妻が育休取得していたが、配偶者控除を適用し忘れていた!」
といった方がいるかもしれません。
そんな方、まだ請求できるかもしれません。5年以内であれば、以下のリンク先を参照し、所定の書類を提出することで請求することができます。
A1-2、H1-1 所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続|国税庁
この請求については、通常の確定申告の期間外でも申請を行うことができます。
また、所得税について申請を行えば、住民税についても再度申請を行う必要はなく、住民税も地方自治体で自動的に再計算されるとのことです。
ちなみに、この「更生の請求手続」では、配偶者控除のみならず、「医療費控除」や「ふるさと納税」など、5年以内の確定申告時に行い忘れていた申請や請求を、同様に遡って請求することができます。
これを機に、過去の確定申告の際にやり忘れていたことがないか、確認してみるのも良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
育休中の配偶者控除は意外と気づきづらいかもしれません。筆者も育休明けの今年に入ってから気がつきました。
こういった情報を少しでも知っているかどうかが、今後の資産形成に大きく影響してくると思います。筆者自身もこれからも情報感度を高くして生きていこうと思います。
過去には育休の最もお得な取得方法や、育休明けの社会保険料を安くできる制度についても記事を書いたので、ぜひご一読いただけますと幸いです。
【取り方次第で16万円UPも!】育児休業取得時の手取り額を最大化させるための方法・考え方
【筆者は手取りが計2万円増加!】育休明けの社会保険料、安くなります!制度と手続きを解説
これらの情報が少しでも役に立ち、皆さんの資産増加に少しでも貢献できればこれ以上の喜びはありません。
参考になったという方は、いいねやレビュー等いただけると大変励みになります。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

