- 投稿日:2024/11/19
- 更新日:2024/11/21

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要約
ルーティン処方への思い込みや確認不足が原因で胃薬の処方を忘れた結果、患者が逆流性食道炎を発症し嘔吐が悪化した事例。多職種間の情報共有や処方確認の徹底が必要とされることを痛感したケースについて紹介します。
薬剤師ほんおーと申します。
今日は失敗談について書きたいと思います。
医療現場では、患者の命を預かる責任のもと、迅速かつ正確な処置が求められます。しかし、その中でも「思い込み」や「確認不足」が予期せぬ事態を引き起こすことがあります。今回取り上げるのは、胃酸を抑える薬の処方忘れによって逆流性食道炎が悪化し、患者さんの病態が増悪したケースです。この事例を通じて、医療従事者として注意すべき点を考察します。
事例:胃薬の処方忘れによる逆流性食道炎の悪化
ある日、吐き気止めを複数種類使っても吐き気が止まらない患者さんが入院していました。ずっと吐き続けていて見ていた私も正直キツかったです。
食道は通常、胃とは異なり胃酸を守る粘液が出ないため嘔吐が繰り返されることで胃酸でただれ逆流性食道炎を引き起こします。本来であれば胃酸を抑える薬を投与して食道炎を予防するのですが、私を含めた医療スタッフは胃薬の処方が抜けていることに気づかず、その結果逆流性食道炎を発症。食道の炎症により痛みが増したことでさらに嘔吐を繰り返し、患者の状態は悪循環に陥りました。

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