- 投稿日:2024/11/25
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は、宇沢弘文著『宇沢弘文の経済学』2015年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:宇沢弘文出典:Wikipedia
1928年生まれ。東京大学理学部数学科卒業、同大学院に進み、特別研究生。スタンフォード大学経済学部助教授、カリフォルニア大学助教授を経て、シカゴ大学教授。69年東京大学経済学部教授。その後、新潟大学教授、中央大学教授、同志社大学社会的共通資本研究センター長などを歴任。2014年死去。1997年文化勲章受章。世界計量経済学会会長を務めた。
現在日本で生活している人びとは、絶えまなく自動車の脅威にさらされている。
宇沢弘文著『宇沢弘文の経済学』
大前提として、今回の記事は車や二酸化炭素排出、経済の主義に関して良い悪いを問うものではありません。🤔
知識や見聞は、いずれ力になってくれることを目的として、いろんな視点で考えようというお話です。
結論
「カーボン・プライシング」は社会的共通資本の考え方から生まれた。
大事なのは「〇〇を手放す」選択肢を持つこと。
もちろん、必要なものは、必要な分使うこと。
カーボン・プライシングの考え方
1. 市場経済主義の限界
市場経済制度のもとでは、効率的な資源分配を実現することができるが、所得分配に関しては、公平性を期待することは困難となる。とくに、たんに現在の世代だけでなく、将来の世代にわたって所得分配を考えると、市場機構によってさらにいっそう不公平なものとなる傾向をもつ。
宇沢弘文著『宇沢弘文の経済学』
⇒ 「資本主義」は不平等の拡大や環境破壊を生む。
それはなんとなく理解しているけど、他に選択肢がないよ…。😭
そこで提唱したのが社会的共通資本である。
1つの国ないし特定の地域が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような自然環境、社会的装置を意味する。
宇沢弘文著『宇沢弘文の経済学』
社会的共通資本とは?
🌳 自然のもの
森や川:きれいな空気や水を作ってくれる。
地球の環境:みんなが健康に暮らせるために必要。
🏥 生活のための仕組み
病院:だれでもけがをしたり病気になったときに助けてもらえる。
学校:みんなが平等に勉強できる場所。
道路や公園:みんなが安全に移動したり遊んだりするためのもの。
つまり、道路や森林、水資源など、共有管理が必要な資産を指す。
「みんなで使うもの」を「みんなで守る仕組み」が「社会的共通資本」である。
⇒ みんなの生活基盤を守る鍵となる。👦👧
2. 自動車の社会的コスト
自動車通行によって第三者に大きな被害を与え、希少な社会的資源を使いながら、それらに対してほとんど代価を支払わなくともよかった、ということをあげることができる。
宇沢弘文著『宇沢弘文の経済学』
宇沢氏は1974年に「クルマは社会に大きな迷惑をかけているにもかかわらず、社会にただ乗りしている」ことを経済学の視点で分析し、著書『自動車の社会的費用』(岩波書店)を刊行、大きな反響を呼んだ。🧐
経済学に大きな足跡を残し、環境問題でも世界に大きな影響を与えている。
宇沢氏の計算では、クルマ1台あたり年額200万円の社会的コストが発生しているとしている。
しかし、生まれてきて、自動車に関わらない者はいない。
移動だけでなく、物流にも利用されている。
部屋の中だけで過ごしていても、インフラ作業者が自動車を使っている。
どんな人間でも、無視してはいけないのである。
社会的コストの例🚗 環境への影響
大気汚染
自動車から出るガスが空気を汚して、健康に悪い影響を与えることがある。ぜんそくやアレルギーの原因になることも。
地球温暖化
二酸化炭素(CO₂)などの温室効果ガスを出して、地球を暑くしてしまう。
🚧 交通の問題
渋滞
道が混んで時間をムダにしたり、イライラしたりする。
会社や経済にも悪影響を与える。
事故
自動車事故で人がけがをしたり、亡くなったりすることがある。
これを防ぐための対策費用もかかる。
💸 お金の問題
道路の建設と維持
自動車を走らせるために、道路を作ったり直したりするのには、たくさんのお金がかかる。それを税金で支払っている。
健康への影響費用
空気汚染やストレスで健康が悪化した場合、医療費も増える。
⇒ 利用するなら、本来の負担を考えるべきだ!
そのためのアイデア(みんなで守る仕組み)から提案されたのが、「カーボン・プライシング」である。
3.「カーボン・プライシング」
カーボン・プライシングとは、温室効果ガス(特に二酸化炭素、CO₂)の排出に「価格(コスト)」をつけることで、企業や個人の行動を変え、気候変動対策と経済活動の両立を目指す政策手法のこと
⇒ 二酸化炭素(CO₂)を出すと「お金がかかる」仕組み
お金がかかるなら、「どうしたらCO₂を減らせるかな?」ってみんな考えるようになる。
・炭素税(たんそぜい)
ガソリンや石炭を使うときに「CO₂を出す分の税金」を払う仕組み。
使えば使うほどお金がかかるから、エコな方法を探したくなる。
・排出量取引(はいしゅつりょうとりひき)
国や会社が「CO₂をこれだけまでにしよう」ってルールを決める。
決めた量より少なくできたら、その「減らした分」をほかの会社に売ることができる。
もちろん、難しい点もある。
お金がかかると困る人もいる
たとえば、ガソリンが高くなると車をたくさん使う人が大変になる。
みんなで協力するのが必要
ある国だけが頑張っても、ほかの国がCO₂をいっぱい出したら意味がない。
⇒ それでも、みんなで利益を得ながら、地球を守る方法を考えよう🌍
ビジネスに関わる以上は、環境を考える背景も理解しておくことも必要である。
個人で出来ることも、いくつかあるはず。
まとめ
⇒ 大事なのは「〇〇を手放す」選択肢を持つこと。
もちろん、必要なものは、必要な分使うこと。
社会的共通資本が安定的に維持、管理され、そのサービスが社会正義に適ったかたちで国民の一人一人に供給されるような制度の実現を目指すことが、経済学者が直面する最大の課題であるといってよいであろう。
宇沢弘文著『宇沢弘文の経済学』
タルムードでいう「ノーペイン・ノーゲインである。」
ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集:①魔法のザクロ
参考になる考え方の本ドーナツ経済学で環境のこれからを考える。
余談
最晩年のカール・マルクスは、地質学・植物学・化学・鉱物学、共同体について膨大な研究を行った。
「資本主義による生産性向上は人類を解放しない。むしろ社会の繁栄に不可欠な自然の生命力を破壊する」
「無限の経済成長はあり得ない。大地=地球をコモンとして持続可能に管理することが必要だ」という結論に至っていた。出典:Wikipedia
(カール・マルクス:ドイツの哲学者、経済学者、革命家。社会主義および労働運動に強い影響を与えた人物。有名な書籍:『資本論』)
最晩年のマルクスも、宇沢氏の社会的共通資本構想と同じ境地に至っていたのは興味深い。🤔
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆