- 投稿日:2024/12/07
- 更新日:2025/10/17
*おことわり😌*
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私まりあんは、栄養士免許取得者です
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寒い季節になりました。
風邪を引いたりインフルエンザにかからないか気になりますよね🤒
では、なぜ私たちは風邪やインフルエンザにかかるのでしょうか。
「気温が低く体が冷えて免疫力が落ちるから」
でしょうか?
「空気が乾燥してるし、部屋の窓も閉めっぱなしだし、ウイルスがいっぱいいるから」
でしょうか?
それは確かに間違いではないですよね。
しかし、もっと本質的なことがあることがわかってきました。
それは「ある栄養素」の不足です。
「あ!それ、ビタミンCでしょ?風邪予防にはビタミンCをいっぱい摂ればいいんだよね!」
と、思ったあなた。

ぶぶぅー❌
答えは
『ビタミンD』
研究によると、ビタミンDは新型コロナウイルスを含む急性呼吸器感染症のリスク低減に関連があることが示されており、インフルエンザAの罹患リスクを42%減少させる可能性があるという研究結果があります。
風邪と言えば「ビタミンC」を思いつく人も多いでしょう。
確かにビタミンCは免疫力を強化する働きがありますが、
ビタミンDは感染症予防に関する働きを認識していない人が多く、実際に不足している場合が多いので、ずっと重要性が高いと考えられています。
今や注目度上昇中⤴️のビタミンD。
ビタミンDが私たちにとって、とても大切な栄養素なワケ、早速解き明かしていきましょう。

🔶ビタミンDの役割
ビタミンDは体内で多様かつ重要な役割を果たしています。
1️⃣カルシウムとリンの吸収促進
ビタミンDは腸管からのカルシウムとリンの吸収を促進し、血中濃度を適切に保ちます。
2️⃣骨の健康維持
骨の形成と成長を促進し、骨密度を増加させることで骨を丈夫にします。
3️⃣免疫機能の調整
細菌やウイルスを殺す「カテリシジン」というタンパク質の生成を促し、免疫力を向上させます。
4️⃣筋肉機能の支援
筋力低下を防ぎ、特にII型筋線維に作用して体幹の安定性を高め、転倒リスクを低減します。
5️⃣遺伝子調節
細胞の成長と分化に関わる遺伝子の働きを調節します。
6️⃣神経伝達の補助
筋肉を動かすための神経伝達を助けます。
7️⃣その他の健康効果
糖尿病予防、発がん抑制、アレルギー症状の改善など、幅広い健康効果が研究されています。
これらの役割により、ビタミンDは骨の健康だけでなく、全身の健康維持に重要な栄養素となっています。
かつてビタミンDは「骨の健康維持に役立つ」とされる程度でしたが、近年では、
ビタミンDは免疫力アップ、がんの発症や再発リスクを下げる、アルツハイマーの予防、花粉症・アレルギーの症状を改善する
など、私たちの体にとって非常に重要な働きをしていることがわかってきました。
世界中を震撼させた新型コロナウイルスの感染が拡大した際にも大きな注目を集め、ビタミンDが欠乏すると新型コロナウイルスの発症リスクや重症化リスクが増すという論文が世界中で多数発表されています。
🔶ビタミンDは体内で合成できる
ビタミンDは、日光(紫外線)を浴びることによって体内合成ができるビタミンです。
別名「サンシャインビタミン🌞」とも呼ばれます。
ビタミンDの体内合成の仕組みを簡単に説明します。
(🔶(番外編)ビタミンDとカルシウムの関係性 の下のイラストも参照してください)
❶紫外線を浴びる
皮膚にある「7-デヒドロコレステロール」という物質が、太陽の紫外線B(UV-B)を吸収します。
➋ビタミンD3ができる
紫外線の影響で、この物質が変化し、ビタミンD3(コレカルシフェロール)になります。
➌肝臓で加工
できたビタミンD3は肝臓に運ばれ、「25-ヒドロキシビタミンD」という形に変わります。
➍腎臓で活性化
さらに腎臓で加工されて、活性型の「1,25-ジヒドロキシビタミンD」になります。
これが体内でのビタミンDの働きです。
このように、日光を浴びることで体内でビタミンDが作られ、骨や免疫の健康に役立ちます。
🔶日本人の98%がビタミンD不足?!
東京慈恵会医科大学の研究により、2019 年 4 月から 2020 年 3 月までの期間に東京都内で健康診断を受けた 5,518 人を対象に調査を実施し、98%がビタミン D不足に該当していたことが明らかになりました。
この結果は、日本人の食生活の変化や日光浴不足が原因と推測されています。
ビタミンD不足は骨粗しょう症だけでなく、感染症、心血管疾患、神経筋疾患、自己免疫疾患の発症リスク増加にも関連する可能性があり、早急な対策が必要とされています。
🔶日光浴不足の要因
日光浴不足の主な要因を見てみましょう。
🔴屋内での生活時間の増加
・リモートワークの普及により、外出機会が減少
・高齢者や施設入所者など、屋外で過ごす時間が短い人が増加
🔴紫外線に対する過度な警戒
・オゾンホールの発見による紫外線への警戒心の高まり
・皮膚がんのリスクを懸念し、日光浴を避ける傾向
🔴美容意識の変化
・美白ブームの影響で、意図的に日光を避ける人が増加
・冬でも日焼け止めを使用し、紫外線を遮断する習慣
🔴文化的・宗教的要因
・イスラム教徒の女性など、常に全身を覆う衣服を着用する文化
🔴地理的・季節的要因
・高緯度地域での冬季の日照時間不足
・梅雨時期など、日照時間が減少する季節
これらの要因により、多くの人が必要な日光浴を十分に行えず、ビタミンD不足のリスクが高まっています🥺
みなさんはどれかの項目に当てはまることがありますか?
🔶ビタミンDを多く含む食材を食べましょう
ビタミンDを多く含む食材を積極的に食べるように心掛けましょう。
🐟魚類(サケ、イワシ、サンマ、しらす干し、うなぎなど)
🍄きのこ類(乾燥きくらげ、干ししいたけなど、乾燥させたものは生よりも含有量が高い)
🥚卵類
🔸効率的な摂取のコツ
🔺ビタミンDを多く含む食品とカルシウムを多く含む食品を一緒に食べる
🔺冬季は特にビタミンD摂取を心がける
🔺きのこ類を食べる前に天日干しすることでビタミンD含有量を増やす
🔺脂溶性ビタミンであるため、油と一緒に調理して摂取効率を上げる
また、日照時間の少ない冬の時期や、普段日光に当たらない人がビタミンDのサプリメントを摂取することも有効な手段です。
その際、ビタミンDは脂溶性ビタミンですので、過剰摂取にならないよう用量を守り、サプリメントを用いるようにしましょう。
🔶(番外編)ビタミンDとカルシウムの関係性
『良性発作性頭位めまい症』についてその経緯と予防法をお伝えします
の記事の中で、良性発作性頭位めまい症にはカルシウム不足の要因があることをお伝えしました。
日本人はカルシウム不足であることも指摘されています。
カルシウムは体内吸収が悪い栄養素です。
その理由と詳細をあげてみます。
🟣低い吸収率
カルシウムの吸収率は成人で20~30%とあまり高くありません。食品によって異なりますが、吸収率はわずか2~3割と言われています。
🟣小腸での吸収
メカニズムカルシウムは主に小腸で吸収されます。小腸上部で一部吸収され、大部分は下部に移動しますが、下部では管腔内のpHが上昇し、リン酸と結合して不溶化するため吸収されにくくなります。
🟣阻害要因
野菜に含まれるシュウ酸や、穀類や豆類に含まれるフィチン酸および食物繊維には、カルシウムの吸収を阻害する作用があります。
🟣年齢による影響
加齢とともにカルシウムの吸収率が低下する傾向があります。
🟣ビタミンDの重要性
カルシウムの吸収にはビタミンDが必要です。ビタミンD不足はカルシウムの吸収効率を低下させます。
カルシウムの吸収を高めるためには、ビタミンDの摂取や適度な日光浴、カルシウム吸収を促進する食品(例:牛乳のカゼインホスホペプチド)の摂取が効果的です
カルシウムも日本人には不足している栄養素。
ビタミンDとカルシウムの合わせ技でしっかり強い体を保持していきましょう!!
🔶まとめ
『風邪の季節にはビタミンCよりもビタミンDを摂りたい』
その理由(ワケ)をお伝えしました。
もちろんビタミンCも私たちにとって重要な栄養素。
免疫機能の維持、抗酸化作用、コラーゲン合成、鉄分吸収の促進などの重要な役割を持ちます。
ビタミンCが体の中に入ると体内中で奪い合いになるのだとか。
しかもビタミンCは水溶性ビタミンであるため、余分に摂取してもすぐ体から出て行ってしまいますので、一日の中でこまめに分けて摂取する必要があります。
ビタミンDは、近年感染症予防に関する働きが注目され、欠乏すると感染症の発症リスクや重症化リスクが増すということがわかってきたそうです。
しかしその認識が低く、日本人のほとんどがビタミンD不足だという報告・・・衝撃的ですよね。
風邪やインフルエンザの感染対策には、まずはビタミンDの十分な補給が必要です。
日光浴不足になりがちな冬の時期、お天気がいい日は積極的に日光を浴びて🌞、食事の面でもビタミンDが多く含まれる食材を選ぶように心掛けてみましょう。
そのような機会が取れない人は、サプリメントの活用が有効です。
また、体内吸収が悪いカルシウムの吸収の手助けをすることでも、ビタミンDは不可欠です。
ビタミンD摂取を意識的に行い、ウイルスに負けない丈夫な体で冬を乗り切りましょう!

最後までお読みいただき ありがとうございました😊