- 投稿日:2024/12/11
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はダニエル・コイルの『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』(2018年発行)をつまみ食いします。
まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ダニエル・コイル
ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー作家。
米国のジャーナリスト。ライフスタイル情報誌『Outside』の上級編集者を経てフリーに。ノースウェスタン大学特任研究員。
チームの文化は、メンバーが「誰」であるかで決まるのではない。
メンバーが「何」をするかで決まる。
というのがこの本書。
最強チームをつくるには
本書は冒頭で、ある実験を紹介している。
MBA現役生のチームと幼稚園児のチームが「あること」で勝負した。
補足
MBA(Master of Business Administration)とは、経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位。「経営学修士」とも呼ばれる。
公認会計士や中小企業診断士などの「資格」ではなく「学位」である。
「あること」とは、まず4人のチームをつくる。
①乾麺20本、②セロテープ90㎝、③糸90㎝、④マシュマロ1個を使って、18分間にできるだけ高い構造物をつくり、てっぺんにマシュマロを置くこと。(通称:マシュマロ・チャレンジ)
さぁ、どちらが勝ったと思うだろうか?🤔
まあ、こんな言い方をしているということは…幼稚園児のチームが勝ったわけだ。
何度か勝負をして、平均の高さは66㎝。対するMBAチームは25㎝。
しかも圧勝である。
要因はこれだけ。
「幼稚園児がMBA現役生より賢いのではない。幼稚園児のほうが賢く協力し合ったのだ。」
MBAチームは議論しながら「誰がリーダーだ?」等としょ~うもない空気を読んで余計なことを考えて、本当の問題(乾麺が折れやすいなど)まで頭が回らなかった。
幼稚園児は一見でたらめだが、余計なことは考えず作業に没頭し、問題を見つけて協力し合った。
子どもたちは躊躇せず、ただ試してみる。
それがうまくいかなければ、また別のことを試す。
たった18分しかないのだから。
参考の外部記事:MBAの学生の創造性は幼稚園児より低い?
このように現代の組織は、現場のチーム力で成果が決まる。
「高い技術、優秀なメンバー、迅速な意思決定、強いリーダーシップが重要」だと言われる。
しかし、まったく同じメンバーでも、やりようによってチーム力は何倍にも増幅するし、逆に間違えると何分の一にも低下するのだ。
最強チームを作る3つのスキル
本書では世界で最も成功している8つのチームを分析し……
❶安全な環境をつくる
❷弱さを見せる
❸共通の目標をもつ
共通スキルを3つ発見した。
① 安全な環境を作る
チームの成果を左右するのは安心感。
わずかな仕草や態度で、「ここでは自由に意見を言える」というメッセージを送り合う。
エイミー·C·エドモンドソンの『恐れのない組織』では「心理的安全性」という言い方で表現できる。
「ここではなんでも言える。心おきなくリスクがとれる」
と感じる雰囲気を持ち、従業員は失敗を恐れずに新たな挑戦をできる。
結果としてイノベーションが生まれる。
リスクの取れない組織は問題が隠蔽され、不正行為が常態化する。
⇒ 信頼関係が土台を築く。
② 弱さを見せる
弱さを共有することで、強い協力関係を築く。
例
ピクサーの会議で、問題を率直に指摘し合う社内会議「ブレイントラスト」
これもエイミー·C·エドモンドソンの『恐れのない組織』で紹介している。
ブレイントラスト:「3つのルール」
ルール❶ 建設的なフィードバック
個人でなくプロジェクトに対して意見する。
監督は喜んで批判に耳を傾けること
ルール❷ 相手には強制しない
意見の採用・却下は、監督が最終責任をもつ。
ルール❸ 共感の精神をもつ
フィードバックは「粗探しで恥をかかせる」ことが目的ではない。
ピクサー映画の最初のバージョンは例外なく駄作だという。
この社内会議で制作中の映画に対して率直な指摘を繰り返し、徹底的に映画の問題を洗い出す。
制作者が弱さを認めて意見を求める。
これで信頼し合えるチームになり、傑作映画を生み出す。
これによってピクサーは、長編映画17本を製作し、1本当たりの収益は平均5億ドル以上。アカデミー賞も13回受賞している。
⇒ 弱さはリスクではなく武器。
③ 共通目標を持つ
最強チームをつくるには、各自が「自分が働く意味」を"具体的に"理解する。
現実は、組織の共通目標はほとんど共有されていない。
多くのリーダーは「自分の言葉は部下に通じている」と考えたいものだ。
「会社の優先事項トップ3を知っている社員は何%か」と600社の幹部に質問したところ、平均は64%
同じ会社の従業員に「優先事項トップ3を知っているか」と質問すると、知っていたのはわずか2%である。
リーダーの言葉は「耳にたこができる」くらい伝え続けなければ共有されない。
企業によっては、会社の方針カードを社員に配り、年に1度テストしているところもある。
まぁ…有効かどうかは別の問題だが…。🤔
⇒ 目的意識がチームを結束させる。
チームに悪影響を与える人間はどんな人か?
チームを崩す3つの要因
① 攻撃的(性格が悪い)
② 怠惰(努力しない)
③ 愚痴を言う人物(周囲を暗くする)
チームにこのような悪影響を与える人間がいると成果が40%も低下する。
みんなやる気満々の会議で、1人だけ疲れた顔でずっと下を向くと、次第に他メンバーに伝染し、疲れてやる気を失うようになる。😱
⇒ 逆境に負けない仕組みが必要。
そのヒントになるメンバーがいるという。
「悪影響のある人」を中和するメンバー
■物静かで口調は穏やか、常にニコニコしているメンバー
端的にいえば「ムードメーカー」
身を乗り出して笑顔を振りまく。
緊張した空気が一転して、和やかな雰囲気になる。
この小さな繰り返しが自由に意見交換を始められる場を作る。
集団内の「安全なつながり」をつくるさまざまなしぐさが中和してくれる。
⇒ 日々のさりげない行動の積み重ねが大事
■弱さを隠さないメンバー
多くのリーダーが「強くあれ」と考え、弱さを隠してしまう。
こうなると部下も弱さを隠すようになる。
「自分は弱い。助けが必要だ」というメッセージをやり取りできれば、相手との間に弱さのループが生まれる。
このループが広がれば、チーム全体に信頼が生まれて、協力し合うようになる。
線引きは難しいだろうが、「本音」で協力しあうことが秘訣である。
⇒ 弱さを見せられる「安全な環境づくり」がカギ
私やあなたが現在こうして産まれ、生きているのは、群れで生活してきた結果である。
しぐさや視線などのシグナルを敏感に感知する機能が私達に組み込まれている。
悪影響の雰囲気は私たちが思っている以上に強力である。
まとめ
⇒ チームの文化はスキルで作れる。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆
蛇足
今回、この本の引用が2回出たのも無理はない。
エイミー·C·エドモンドソン教授の論文と書籍が引用された総回数はなんと5万回以上。
「論文の価値」は引用の回数や頻度によって決まる。
つまり、説得力のある結論なのだ。
・『恐れのない組織』
エイミー·C·エドモンドソン著 2016年発行