- 投稿日:2024/12/17
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はスコット・ベドベリ著『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』2014年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:スコット・ベドベリ出典
https://toprunner-marketing.co.jp/speaker/detail/scott-bedbury/
1995年から98年まで、スターバックスのマーケティング担当副社長。それ以前は7年にわたってナイキの広告部長をつとめ、「ボーは知っている」や「ジャスト・ドゥー・イット」の広告キャンペーンを指揮した。現在はシアトル在住で、ブランド・コンサルタント会社「ブランドストリーム」のCEO。
補足 スターバックス(Starbucks)公式サイト:https://www.starbucks.co.jp/?nid=mm
世界に約90カ国以上で事業展開、日本だけで1700店舗以上。
カフェ業界の競争が激しい中で着実に店舗数を増加している。
本書はタイトルに反して結構な数、ナイキを軸に据えたブランド論が展開される。
なんか・・・本のタイトルがずるい本。
それもそのはず、著者はナイキとスタバのブランド構築に携わった人物。
スポーツブランド ナイキの参考記事
『SHOE DOG 靴にすべてを。』
フィル・ナイト 著 2017年発行
「人間は、生きてきたあいだの経験や行動で定義される。ブランドも、しかり。」
スコット・ベドベリ著『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』
本書は2000年初頭に書かれた、企業ブランディング論。
ブランドとは「名前・シンボル・デザイン・ロゴ」などを組み合わせた総称。商品の価値やイメージ・顧客との信頼関係なども含まれる。
なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?🤔
⇒ 答えは「お客に愛されるブランド」だからである。
例えば、ブランドをスタートするための4カ条を語る。
❶我々の目的は何か?
❷将来どこへ到達し、どのような企業でありたいか?
❸そこへ到達出来たら何をするのか?
❹何をもって成功とするか?
これがしっかりしていないものはブランドになりずらいとしている。
ブランドは企業文化、サービス、実施内容、社員の福利厚生を決めるとしている。
ブランドは社員や顧客の行動で生みだされる。
ブランドは一朝一夕で作られないのに、最も初めに輪郭を作らないといけない。
なお、スターバックスコーヒーの戦略を知りたいなら、こちらの書籍が良い。左「スターバックスを世界一にするために守り続けてきた大切な原則」
右「スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?」
スタバは値下げやテレビCMをしない。
4Pに基づくマーケティング戦略をしている。
1. Product(商品)
2. Price(価格)
3. Promotion(広告宣伝)
4. Place(販売場所)
スターバックスの成功は、「ブランド価値」「体験」「従業員」「地域密着」の4つを柱にした包括的な企業戦略。
顧客のことを第一に考え、コーヒーとその体験に徹底的にこだわる。
競争が厳しい中でも高い認知度と顧客の熱烈な支持を得る手法が書かれている。
では、本書に戻ろう。
陳腐化しているかというとそんなことはない。
今でも参考になるブランド論の話である。
ブランドのDNAを守ることの重要性
ブランドの核となる価値を定義し、徹底して守るべし。
ブランドは上手な戦略。下手な戦略。合格点以下の戦略。問題外の戦略の総和である。
スコット・ベドベリ著『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』
紙一枚。
広告一つ。
プレスリリース。
一つ一つの商品。
会社にかかってきた電話を転送する際の保留メロディさえも。
常にブランドの価値と結びついていなければならない。と語る。
商品、パッケージ、品質表示タグ、報告書がデザイン部を通過する仕組みを作るのも1つの手。
企業の根幹を揺るがす要素を明確にし、それを一貫して保護することが成功の第一歩となる。
例として、スターバックスの創業当初。
チーム内でブランドの方針の対立があったことを語る。
スターバックスはフードサービス業であると主張。
もう一方はスターバックスは逆に一杯のコーヒーで元気を提供するビジネスなのだと主張した。
スコット・ベドベリ著『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』
どちらも正しい。
もしも、スターバックスが自社のビジネスをほかのファーストフード店と同じフードサービス業と定義していたら、結果は変わっていただろう。
値引き、映画などとのタイアップ。
キッズ用のランチメニューといった企画をしていただろう。
「バーガーショップは客の腹を満たす。良いコーヒーハウスは魂を満たす。」
「スターバックスを肉体と魂を満たすエネルギー企業と考える。」
スターバックスは由緒ある伝統的なコーヒーハウスを目指した。
補足 コーヒーハウス(Coffeehouse)
17世紀半ばから18世紀。イギリスで流行した喫茶店。
多くの人が集まる情報交換の場、社交場の機能も兼ねていた。
⇒ ブランドの定義が企画を決める。
情緒的ニーズが顧客を惹きつける
優れたブランドは優れた商品を超える
顧客が商品以上の価値を感じる経験を提供する。
単なるモノではなく、感情に訴えかける価値を提供する。
これがブランドの魅力を高める秘訣と語る。
優れたブランドは消費者の物質的ニーズと情緒的ニーズを共に尊重することの重要性を理解している。
スコット・ベドベリ著『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』
物質的ニーズ:お腹を満たす。美味しいコーヒーを飲む。
情緒的ニーズ:気持ちの良い接客、雰囲気、第3の居場所。
⇒ 人はサービスに何らかの形で豊かにしてくれる経験を求めている。
ブランドは人が育てる
ブランドは社員や顧客の行動で形作られる。
ブランドは結局人間がするものである以上、常に不備な点を抱えた概念だ。
スコット・ベドベリ著『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』
ブランドに命を吹き込むのも。
ブランドを生き返らせるのも。
ブランドを動かすのも。
ブランドを支えるのも。
すべては人間である。
つまり、従業員のモチベーションを高める。
気持ちよく働いてもらえるよう可能な限りの支援をすべし。
厳しいプレッシャーの中でコンセプトを絞り出さなくてはならないクリエイティブの分野では特にそうだ。
コンセプトを分解して説明するのは簡単だが、異なる間を繋ぎ合わせて新しいコンセプトを作り出すのは難しい仕事なのだ。
スコット・ベドベリ著『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』
⇒ 人間(従業員)の存在がブランド価値を向上させる。
組織に関する記事はいくつか書いているのでそちらで。
優秀な人材がリスクを恐れず、現状に挑戦する姿勢を正当に評価される環境が望ましい。
マネジメントの問題は、人の問題である。組織行動学が解き明かす人と組織の本質
【組織が嫌になったら読め!】組織の罠 なぜ組織は動けなくなるのか?
時代を超える価値の提供
普遍的な価値を守り抜くことが長期的成功につながる。
不確実性の時代には社会の価値観に注目することだ。
社会の良し悪しの対象はしばしば振り子のように揺れて企業や業界を天国に登らせたり地獄に突き落としたりする。
スコット・ベドベリ著『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』
時代を超えるために、ブランドを支える七つの価値を紹介している。
❶シンプルであること
テクノロジーが生き残るには、シンプルでなくてはならない。
複雑なものは継承できない。
❷気長であること
ブランドもインターネットと同じスピードで構築できるという幻想を持ってはいけない。
❸適切であること
商品の付加価値や適切性を高める工夫よりもコスト削減に要素が企業が多い。
まずは顧客を見ること。顧客自身に価値を決めさせることが大切。
小売店の場合は顧客の身になって店のどの部分が重要かを見直す。
・顧客が感じることを感じるべし
・顧客が見るものを見るべし
・顧客が聞くものを聞くべし
・顧客が嗅ぐ臭いを嗅ぐべし
❹利用しやすいこと
広告や記事で消費者の購買意欲を喚起しておきながら、その後のケアをしないのはNG。
商品をちゃんと販売するところまでケアしなければならない。
❺人間的であること
人間味を感じさせるブランドがある一方で、
体温も感情も感じさせないブランドが何百と並んでいるのは何故だろう?
❻広範に露出すること
ブランドの広範な露出を心がける。
つまり、商品またはサービスをあるべき場所に置くこと。
コミュニティにとって最も役立つ場所に置くことである。
❼革新的であること
まずは企業にとって大切な人材に潜在能力を発揮してもらえるように工夫する。
革新的なアイディアを考えついた人間を表彰する制度も重要。
一度失った企業の知的財産を再建するコストは大きい。
まとめ
⇒ 知ることで、ブランドの未来は変わる。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良いブランド作りの選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆