- 投稿日:2024/12/19
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はジェームズ·P·ウォマックほか著『リーン生産方式が、世界の自動車産業をこう変える。』1990年発行をつまみ食いします。
まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ジェームズ·P·ウォマック出典:Amazonのプロフィールから
マサチューゼッツ工科大学(MIT)教授、リーンエンタープライズ協会会長。ハーバード大学で修士、MIT で「日本、ドイン製造業比較研究」により博士の学位取得。MIT の常勤研究員として米国企業のマルチクライアント方式によるジャパンプログラムなどに参画。共著者のダニエル·ルースはMIT教授、ダニエル·T·ジョーンズは英サセックス大学研究員、英リーンエンタープライズ·アカデミー会長。
別の記事で紹介した
「ジャパンバッシング」につながる1970年代の日本企業の躍進。世界初の"人材戦略"の教科書:ハーバード・ビジネススクールテキスト
これに対抗したハーバード・ビジネススクール精鋭の教授陣が本気でつくった教科書が上記の本である。
本書はMIT(マサチューセッツ工科大学)で研究プロジェクトから生まれた。
研究対象は日本の自動車会社:トヨタである。
その代表として取り上げられる生産方法が「トヨタ生産方式」である。
通称:TPS(Toyota Production Systemの略。)
「トヨタ生産方式」のすごさは、ひと言でいうとムダを徹底排除した点。
MIT(マサチューセッツ工科大学)は一般的な方法論にまとめて、”リーン生産方式”と名づけた。
リーンとは「Lean (ぜい肉がない、無駄がない)」という意味。
リーンFIREとかで聞いたことがあるかもしれない。
意味:贅沢しないで倹約に努める早期リタイアのこと。
この研究を一冊にまとめたのが本書である。
多くの日本人は意識していないが、「トヨタ生産方式」は海外で高く評価されている。
当時は、本気で日本を危険視していたのだ。🧐
リーン生産方式の誕生と進化
手作りから大量生産、そしてリーン生産へ
車の生産は次のように進化してきたと本書で語られる。
❶手づくり生産方式
❷大量生産方式
❸リーン生産方式の順番で進化した。
❶手づくり生産方式
19世紀末まで車づくりの主流。
小さな工場で熟練職人が顧客の注文に合わせてつくっていた。
生産台数は年間50台程度。
車はすべて客の要望に合わせた特注品。
品質はバラバラで車は高価で裕福な人しか買えなかった。
❷大量生産方式
出典:Wikipedia T型フォード 1910年式モデルT・ツーリング。
20世紀初頭、ヘンリー・フォードがT型フォードの生産で実現。
大工場で働く作業員はベルトコンベアーを流れる部品のネジを締めるという単純作業を繰り返す。
部品をベルトコンベアーで流し、「ボルトにナットを付ける人」「ナットを締める人」と作業を徹底的に細分化。
これで作業員は数分間の単純作業の訓練を受けて、すぐラインに配置できる。
作業繰り返しによる「慣れ」で生産スピードが上がり、同じ車を大量生産できる。
結果、車の価格は一気に下がって庶民も買えるようになった。
とはいえ、問題は多かった。
働く環境は悪化する一方。😭
労働者の不満は溜まり、労働争議も起きた。😠😡😡
❸リーン生産方式
モノもカネもない状況で生まれたのが「トヨタ生産方式」
参考:トヨタ公式PDF
時は1950年代。
当時のトヨタは今とはまったく異なり、戦後に車の生産を始めたばかりの弱小自動車会社だった。出典:Wikipedia
トヨタの若き技術者・豊田英二(のちのトヨタ自動車会長)は、当時世界一だった米国フォードの工場を視察。
3カ月間かけてすべてを学び尽くした。
出した結論が「米国の大量生産方式はムダだらけ。まだまだ改善できる」だった。
とはいえ、当時のトヨタは問題が山積みだった。
破産寸前に追い込まれ、苦渋の決断で社員の4分の1を解雇した直後。
車の生産経験は乏しく、国内市場は小さい。😱😱
日本経済は戦争で壊滅してお金もなく、最新設備導入はムリだった。
当然、大量生産方式の導入もムリ。
なので、徹底的に知恵を絞り出した。
車にはボンネットやドアなどさまざまな種類の部品がある。
現在では、1つの車に3万点あると言われている。
年間100万台以上つくる米国自動車会社の場合。
各部品の専用工作機械を数百台ズラッと並べて、各工作機械に作業員を置いていた。
補足:工作機械
さまざまな材料を加工して、所要の形状に作り上げる機械のこと
「母なる機械=機械を作る機械」ここから「マザーマシン」とも呼ばれる。
こうなると、「不良品は最後に見つけて直せばOK」と考えていた。
⇒ 作業員は品質を気にせず、同じ不良品が大量に出た。
当時、トヨタの生産台数は数千台。
お金がないので1台の工作機械を創意工夫をして使いこなし、車を組み立てなければならなかった。
つまり、必要な部品だけしか余裕がない。
組み立て前のつくる部品が少ないので、ミスもすぐに気がつく
⇒ 在庫コストはゼロ。
⇒ 不良部品が大量に出回ることもなくなった。
リーン生産方式の出発点は、モノもカネもない状況でムダ削減のために知恵を絞ることだった。
⇒ 生産効率が向上し、コストを削減できる。
⇒ 少ない投資で生産性が劇的に向上した。
蛇足 工作機械業界
工作機械は業種が業種なので、国内はお爺ちゃん企業が多い。
つまり、配当金がそれなりに出る企業が多い。
JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)に並ぶ、大きな顔は大体そんな感じ。
設備投資の代表格なので、輸出入の影響を受けやすい。
自動車の景気が悪ければ、当然悪くなる。
半導体産業で設備投資が増えれば、良くなる。
景気が敏感な業種である。
なんの話だったっけ🤔
次はリーン生産方式の凄さとは何かについて語る。
が、記事が長くなるので一度区切ろう。
まとめ
⇒ 「無駄を省き、効率を追求することが成功の鍵」
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆