- 投稿日:2024/12/24
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は、磯崎哲也氏の「起業のファイナンス 増補改訂版」(2015年発行)をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:磯崎哲也
公認会計士·税理士·システム監査技術者。1984年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。長銀総合研究所のインターネット産業のアナリスト等を務めた後、ベンチャーの世界に飛び込み、カブドットコム証券やミクシィの社外役員、中央大学法科大学院兼任講師などを歴任。現在、フェムトパートナーズ株式会社ゼネラルバートナー。著書に「起業のエクイティ·ファイナンス』など。
✅「起業で資金調達を安易に考えると地獄を見る。」
✅「ファイナンスを知っているか否かで、起業は天国と地獄に分かれる。」
この本は「起業のイメージを持ってもらうこと」を目的にしています。 すなわち、会社や役所にサラリーマンとして務めるのではなく、自分でビジネスをするとどうなるのか、ということについて具体的なイメージを持ってもらおうとおもって、書きました。
磯崎哲也著「起業のファイナンス 増補改訂版」
本書は、起業時のファイナンスに必要な基本知識を授けてくれる一冊。
資金を調達して管理する方法をまとめている。
資金調達をファイナンスともいう。
起業には大きく分けて、資金調達不要の起業と資金調達が必要な起業がある。
経験を活かしてコンサルタントとして起業するような場合、資金調達は不要。
しかし、大きな先行投資が必要で、起業家の資金だけでは足りない場合、資金調達が必要になり、ファイナンス知識は必須となる。
副業の場合は資金調達不要の起業に近いのはなんとなくわかるだろう。🤔
起業に必要なファイナンス知識
商品、売掛金、設備といった「資産」がほとんどないと、経営管理に関する知識もあまり要らなくなります。資金繰りを考えるのも楽ですし、商品や製品の在庫がないなら、生産や発注、在庫管理のノウハウもその分不要ですし、償却資産がなければ減価償却の計算も必要ありません。
磯崎哲也著「起業のファイナンス 増補改訂版」
ファイナンスと会計の違いを理解する
起業家にまず必須なのは会計ではなく「ファイナンス」だ。
ファイナンス(finance):企業や個人などが資金を調達したり、調達した資金を利用したりすることを指す。財務や資金管理、資金調達を意味する。
会計は過去の利益
ファイナンスは未来の企業価値に焦点を当てている。
⇒ 未来を見据えた計画を立てることが必要。
資金調達の基本形態を学ぶ
スモールビジネスの場合は、元々用意していた「種銭」で行うため「借金」の必要性がかなり低い。
しかし、1000万単位の資金は個人がそう簡単に捻出できるものではない。
ゆえに、資金調達(ファイナンス)が必要になる。
資金調達は「銀行からの借入」か「株式による出資」に分かれる。
リスクが低い事業は銀行から借り入れる形式が多い。
例 「銀行からの借入」
アパート経営はベンチャーと比較してリスクが低い。
銀行は不動産を担保にとったり、場合によっては社長の個人保証をつけたりして確実にお金を回収できる会社に資金を貸す。
例 「株式による出資」
ベンチャーの起業はリスクが高い。
そもそも成功確率がわからないので、資金を返済できる保証がない。
確実な資金回収を求める銀行の借入とは相性が悪い。
さらに「無形資産」や「情報財」となれば、埋没費用(サンクコスト)になる特性を持っている。
ベンチャーは「圧倒的に低コストのサービス」や「革新的な新商品」というような世の中にないまったく新しいイノベーションを目指す企業のこと。
ベンチャーは銀行借入ではなく「株式」で資金調達する。
具体例:「タイミ―」「メルカリ」
資金調達をする必要がなければ、銀行や投資家などの第三者に事業を見てもらう必要もないので(良くも悪くも)自分の思いどおりに事業が行えるのです。
磯崎哲也著「起業のファイナンス 増補改訂版」
リスクの高低で選択が異なる。
⇒ 事業特性に合った方法を選ぶ。
投資家との正しい向き合い方
ベンチャーというのは、誰も見たことがないようなことを具体的に形にするのが仕事です。 そのためには周りの人を巻き込まないといけないし、周りの人を巻き込めるのは、事業計画が合理的であることもさることながら、そういう未来像が実現すると信じる力が根源にあることが必要だと思います。
磯崎哲也著「起業のファイナンス 増補改訂版」
投資家のリスクと報酬を理解する
投資家はベンチャーにお金を投資し、ベンチャーは見返りに投資家へ株式の一部を渡す。
ベンチャーの価値が上がれば投資家は株式を売却して、差益(キャピタルゲイン)を得る。
投資家は成功確率が低いベンチャーに資金を投じ、キャピタルゲインを目指す。
成功率は10社に1社程度だ。
⇒ 投資家の意図を見極める。
起業家も投資家も企業価値を高めたいのは同じ。
投資家はCTO(最高技術責任者)や提携先を紹介したり、戦略を一緒に考えてくれたりする。
ただし、的外れなアドバイスもあるので、投資家との相性は大切。
世の中、エンジェル投資家ばかりではない。
契約書まわりでのトラブルを避けるため、投資家と起業家が相互に相性を見極めて出資を受け入れなければならない。
エンジェル投資家:創業間もないスタートアップやベンチャー企業に資金を出資する個人投資家を指す。
株主構成の重要性を知る
出資比率が高い投資家は経営に強い影響力を持つ。
株式には議決権があるので、裏を返せば、投資家から経営に「口出し」される。
無計画な資本政策は創業者の不利につながる。
「お金出すから起業しよう」の甘い言葉に注意。
⇒ 出資比率を慎重に管理する。
親切心で出資しているわけではない。
想定される可能性を考慮せよ。
起業で失敗しないための資本政策
自分が自信を持てない話で、取引先や顧客、投資家などを納得させられるわけがありません。
磯崎哲也著「起業のファイナンス 増補改訂版」
事前の準備が成功を左右する
企業価値を早期に高め、投資家との交渉を有利に進める準備を整える。
資本政策が当初の計画どおりにいくことはない。
しかし、行き当たりばったりで株を発行すると地獄を見ることもある。
大まかな見通しが大切としている。
⇒ 計画的な資本政策を実行する。
計画的な資本政策とは何か?🤔
最初の株価設定が重要
株式というのは企業の経済的価値やコントロール権(議決権)を小口化したものなのです。
磯崎哲也著「起業のファイナンス 増補改訂版」
設立時の株価設定が、後々の資本政策に大きく影響する。
株主構成を計算しながらスタートするべきと語る。
⇒ 適切な株価で企業を設立する。
仮に経営に詳しくても、「株価700円の企業のほうが、株価500円の企業よりも企業価値が高い」というのは初歩的な勘違い。
「企業価値」を何個に切り分けるかで「株価」が変わる。
例
NTTは、2023年7月1日付で普通株式を1株を25株に分割している。
つまり現時点で1株が156円。そして会社が発行する株式の総数は約1548億株。
KDDIは1株4,970円。会社が発行する株式の総数は約42億株。
同じ通信系の会社でも株価の大きさだけで良し悪しを考えるのは危険である。🤔
まとめ
✅「起業で資金調達を安易に考えると地獄を見る。」
✅「ファイナンスを知っているか否かで、起業は天国と地獄に分かれる。」
わたしは、優秀な人が全力で事業をやった場合で、事業がうまくいかなくて不幸になったベンチャー経営者や従業員というのは、ほとんど見たことがありません。
磯崎哲也著「起業のファイナンス 増補改訂版」
⇒ 資金調達の知識は起業家の命綱である。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆