• 投稿日:2025/01/06
  • 更新日:2025/10/01
リチャード・P・ルメルト著『良い戦略、悪い戦略』を見極める秘訣は何か?

リチャード・P・ルメルト著『良い戦略、悪い戦略』を見極める秘訣は何か?

シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

この記事は約5分で読めます
要約
「良い戦略」と「悪い戦略」の違いを解説する『良い戦略、悪い戦略』は、問題を診断し、明確な方針と行動を組み合わせる重要性を教えてくれる。戦略の核である診断、基本方針、行動の3要素を通じて、成功する戦略を構築するための考え方を紹介している。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はリチャード・P・ルメルト著『良い戦略、悪い戦略』(2020年発行)をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。


著者:リチャード·P·ルメルトface_Richard_Rumelt.jpg出典:日経BOOKプラス

カリフォルニア大学ロサンゼルス校アンダーソン·スクール·オブ·マネジメント(ハリー·アンド·エルザ·クニン記念講座)教授。「戦略家のための戦略家」と称される。多くの有名企業、非営利組織、そして複数の国の政府機関にコンサルティングを行っている。著書は少なく日本では知名度が低いが、戦略論と経営理論の世界的権威である。


筋がいい、筋が悪い戦略とは何だろうか?🤔


本書は「良い戦略」と「悪い戦略」に分けて明快に教えてくれる。

「良い戦略」はシンプルであり、状況から決定的要素を見極め、狙いを絞り経営資源を投入する。

しかし世の中では「悪い戦略」が圧倒的に多い。


0000000.png121-1.png鈴木博毅 著『「超」入門 失敗の本質』では…。

戦略は戦術で補えないため、戦略を間違えると失敗を招くとしている。

「戦略を間違えているなら勝てるものも勝てない。」


00000.png✅ 良い戦略 = 「問題の見極め、シンプルな解決策、具体的な行動」

✅ 悪い戦略の特徴は4つ。

✅ ❶中身がない、❷重大な問題を無視

✅ ❸目標と戦略を取り違える、❹単なる寄せ集め


悪い戦略がはびこるのは、分析や論理の戦略を一切行わずに、言わば地に足の着いていない状態で戦略をこしらえ上げようとするからである。 その背後には、面倒な作業はやらずに済ませたい、調査や分析などしなくても戦略は立てられるという安易な願望がある。

リチャード・P・ルメルト著『良い戦略、悪い戦略』


悪い戦略の特徴4つ

❶中身がない

分かりきったことを「戦略」と呼んでいるだけでは失敗する。

ある大手銀行の基本戦略は「顧客中心の仲介サービスを提供すること」である。

分かりきったことを難しい言葉を多用し、深く語っているように見せかけて、中身がない。

リベシティ内で銀行の窓口へ相談に行くことはやめたほうが良いというのも無理はない。

「戦略」という単語は格好よく聞こえるから使うものではない。


⇒ 必要なのは具体性。


❷重大な問題を無視

低迷や失敗の原因を特定しないままでは、解決策は生まれない。


著者のルメルト自身もコンサルティングをしている。

低迷するある会社がコンサルタントを雇って作成したという分厚い「統合戦略」を見せてもらった。

資料は詳細で一見完璧だが、低迷の原因が何で、いかに解決するかはどこにも書かれていなかった。

この会社が低迷している真の原因は、「余剰人員を抱え込んだ非効率な組織」だった。

「この問題を無視して分析もしないまま戦略をつくっても、うまくいくわけがない」と語る。


⇒ 問題に正面から向き合う。


❸目標と戦略の混同

0.png「いかに目標を達成するのか」を部下に丸投げしている状態は、戦略ではない。

戦略目標は「真正面から艦隊を突っ込ませ、敵を分断させて勝つ」というように、具体的で明確なものだ。

リチャード・P・ルメルト著『良い戦略、悪い戦略』

目標を掲げるだけでは戦略とは言えない。


⇒ 具体的な実行計画を立てる。


❹単なる寄せ集め

多くの施策を羅列するだけでは意味がない。

0000.pngA氏「今後も使い勝手のよい製品に集中すべき」

B氏「顧客の課題にソリューションを提供すべきだ」

C氏「半導体技術がカギだ。半導体チップに本腰を入れるべきだ」


3人ともバラバラなので、まとめた結果…。

「高品質の製品およびサービスを提供するために努力し、データ処理で業界トップを目指す」

これでは毒にも薬にもならない折衷案で、具体性もない。

これでは戦略とはいえない。


⇒ 本質的な優先順位を考える。


良い戦略の定義

0.png良い戦略は「シンプルで効果的」であると語る。

しかし、戦略で一番難しいのが「選択」である。


つまり、「戦略でまず考えるべきは、何をやらないか」である。

状況を診断し、重要な要素に集中する。

⇒ 問題を見極め選択する力が鍵。


そして、良い戦略の「核」は3要素で構成される。


実際、戦略を立てる作業の多くは、何が起きているのかを洗い出すことにある。 何をするか決めることだけが戦略ではない。 より根本的な問題は、状況を完全に把握することである。

リチャード・P・ルメルト著『良い戦略、悪い戦略』


戦略を成功させる3要素

❶核になる考え方に常に立ち返ること

何をするかよりも「なぜするのか」を問い続ける。

❷問題点を正確に見極めること

「仮説→データ→新たな仮説→データ→……」と繰り返す。

❸最初の案は破壊すること

最初の思いつきを盲信せずに叩き台として検証する。


つまり、診断・基本方針・行動を繰り返す

戦略は長くなればなるほど、脱線しやすい。


⇒ 戦略を一貫させる。

⇒ 戦略の質を高める。


0000000.png201.png内田和成著「仮説思考―BCG流問題発見・解決の発想法」

問題点を正確に見極める際には「仮説思考」が有効である。


 「今日は雨になりそうだ」と考えて傘をもち歩く。

⇒ 答えを先に決めて検証する問題解決法が仮説思考。


まとめ

245.png⇒ 良い戦略とはシンプルで一貫性があり、行動に結びつくもの。


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆_.png

ブックマークに追加した記事は、ブックマーク一覧ページで確認することができます。
あとから読み返したい時に便利です。

シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

投稿者情報

シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

イルカ会員

この記事に、いいねを送ろう! 参考になった記事に、
気軽にいいねを送れるようになりました!
この記事のレビュー(2
  • 会員ID:mQ6Q6Gnp
    会員ID:mQ6Q6Gnp
    2025/01/06

    大切なことをシンプルにするって難しいんですよね🤔 いろいろなことをしっかり考えるクセをつけたいなと思いました。 いつもご紹介ありがとうございます🙏

    シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

    投稿者

    2025/01/06

    お世話になっております。🍀 複数ある他の本の受け売りになりますが…。 ❶とにかく関連することを紙に書き出す ❷ChatGPTに共通点や流れや分類がないかを提案してもらう。 ❸図にまとめてみて、本質を洗い出してみる。 シンプルに考えるために全部から引き算するのも手かもしれません。

    シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

    投稿者

  • 会員ID:YC7VCJ43
    会員ID:YC7VCJ43
    2025/01/06

    この本は、一度読んだ事あるのですが、何とも難しいなと感じていました。 とてもわかりやすい解説で理解が出来ました! ありがとうございます😊

    シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

    投稿者

    2025/01/06

    トモ@ノウハウ図書館50記事目標様。 こんにちは🍀 理論の本は仕事の役に立つかどうかは、最重要ではないのだと思います。 「経済学」よりも「行動経済学」のほうが具体例もはっきりしていて身近に感じます。 理論は考える際の軸としては必要ですね。😊 正直、私も雰囲気ですが…。😅

    シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

    投稿者