- 投稿日:2025/01/07
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は野沢慎司著『リーディングス ネットワーク論―家族・コミュニティ・社会関係資本』2006年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。
学術論文なので、まぁ、読まなくても大丈夫です。
著者:野沢慎司
1959年、茨城県水戸市生まれ。1989年、東京都立大学大学院博士課程単位取得退学。静岡大学人文学部助教授、トロント大学都市コミュニティ研究センター客員研究員を経て、明治学院大学社会学部教授。専攻は、家族社会学、社会的ネットワーク論、コミュニティ論。
本書では監修と翻訳を担当している。
ネットワーク研究において理論の転換をもたらした7本の研究論文を収録。
社会ネットワーク分析の理論・方法を知る上での基本論文集。
勁草書房 出版社内容情報
え?論文?どうした😅
きっとそう思うだろう。
しかも2006年。無理もない。
“なんで今更”って思ったでしょ。私は“今“の話をしているんだよ。
出典元:葬送のフリーレン 4巻 /小学館 魔法使いフリーレンの言葉
私たちはLINEやX(旧Twitter)、フェイスブック、リベシティなどのソーシャルメディアで、多くの人たちとつながるようになった。
人とのつながりについては、海外では50年以上前から研究されている。
が、これらの研究はほとんど紹介されていないのが現実である。
ソーシャルメディア:インターネットを利用して、個人や企業が情報を発信・共有・拡散できる双方向のメディアの総称。
ソーシャルメディアの代表的な例
・ブログ
・SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
・動画共有サイト
・メッセージングアプリ
・情報共有サイトなど…。
ビジネスでソーシャルメディアに関わる人は、押さえておきたい一冊である。
✅ つながりの質が未来を変えることを証明している論文集である。
先ほどの魔法使いの言葉を借りるなら…。
「”つながり”の本読んでないでしょ。”つながり”は実践だけが大事なわけじゃないんだよ」
原理がわからないまま使うから、応用ができないということだ。
歴史や背景、人間を知ることは「なぜ今こうなっているのか」を知るヒントである。
ここでは掲載論文7件の中から特に重要な論文3件を選び、概要を紹介。
というか、私も全部読まずに返却した。
私は学者ではない。ノウハ―なのだ。
「弱いつながり」を知っておこう。
あまりにも、いいねやレビューにこだわると、長続きしないものだよ🍀
ソーシャルネットワーク理論
スモールワールド―世界は意外と狭い
人は平均5人の仲介でつながる
スモールワールド理論は、スタンレー・ミルグラムが提唱した“世界の狭さ”を実証するものだ。
スタンレー・ミルグラム:アメリカ合衆国の心理学者。出典:Wikipedia
初対面の相手と話していて共通の知り合いが見つかる経験を、多くの人がしている。
1967年の実験では、米国全土から選んだ無関係の2人が平均5人の仲介でつながると証明された。
ミルグラムは、「世の中って狭いなぁ」という私たちの実感を、世界で初めて実証実験したのである。🤔
しかもこれはネットの世界ではなく現実での実験。
現代のSNSでも応用できる理論。
⇒ 身近な人間関係の価値を再発見しよう。
⇒ そして、世間は狭い。
評判の悪い行動ばかりすると、別の職場やコミュニティでもその素行は意外とバレている。信頼を積むのだ。
山岸俊男著「日本の『安心』はなぜ、消えたのか」
「SNS」や「オンラインコミュニティ」は「信頼社会」である。
いい評判を地道に蓄積する人を世間は評価する。
社会関係資本―人間関係が生む新たな価値
信頼が築く“資本”としての関係
ジェームズ・コールマンは、人間関係を“社会関係資本”と位置づけた。
ジェームズ・コールマン:アメリカ合衆国の社会学者。
教育社会学、公共政策などを研究し、ソーシャルキャピタルという語を初めて用いた人物の一人。出典:Wikipedia
『ソーシャルキャピタル(社会関係資本)』
個人が持つ信頼関係や人間関係などの社会的ネットワークを資本とみなす概念。または信頼と善意をベースにした人間関係の蓄積のこと。
橘玲(たちばなあきら)さんの「幸福の資本論」で主張されている…
「幸福の土台になるのは3つの資本」の「社会資本」(家族や友人等との絆・繋がり)の元ネタといって良い。
「ビジネスは、まずヒト・モノ・カネ」といわれる。
しかし現実には、人のご縁で仕事が進むことも多い。
あなたも「彼のお願いだから、なんとかしよう」と考えることも多いはず。
「ヒト・モノ・カネに次ぐ第4の資本」としてコールマンが1988年に提唱したものである。
実はITが発展する2000年代よりもこの概念は既にできていた。
ニューヨークのダイヤモンド卸商人はユダヤ人が独占しており、互いに姻縁関係で結ばれている。
品質鑑定では、保証もかわさずに袋ごとダイヤモンドをゴッソリ渡す。
しかし、人造ダイヤなどへのすり替えは起こらないという。
互いに強い信頼関係で結ばれているから、信用によって取引が成り立つ。
銀行の貸金庫とは仕組みがそもそも違うのだ。🤔
閉鎖的なコミュニティの中には「こう振る舞うべき」という不文律があり、それを破ると制裁が待っている。
江戸時代の「村八分」もまさに私的制裁だ。
村八分:江戸時代から昭和初期にかけて行われていた慣習で、村の掟や慣習に背いた人や家族に対して、住民が火事や葬式などの場合を除いて交際を絶つこと。
村という共同体の秩序を維持するために、暴行や窃盗などの刑事犯や村落共同体の秩序を乱す者に対して行われていた。
⇒ "正直に"信頼を積み上げることがあなたの「社会資本」を増やす。
豊かな社会関係資本は、信頼の輪を広げ、コミュニティ全体の利益を増幅する。
山岸俊男著「日本の『安心』はなぜ、消えたのか」
また同じ書籍だが、こちらは「安心社会」の視点の話。
現代は両方の「社会」を使い分けることが求められる。
弱いつながりの強さ―新しい知識をもたらす縁
疎遠な人こそチャンスの鍵
マーク・グラノヴェターが1973年に提唱した“弱いつながり”理論は、仕事や情報の発見に欠かせない。
マーク・グラノヴェター:アメリカ合衆国の社会学者。
スタンフォード大学社会学部教授で、現代の社会学に大きな影響を与えた。彼の唱えた中で、最も洞察力を見せた説は「弱い紐帯の強み」(1973年)として知られる。出典:Wikipedia
弱い紐帯の強みは「弱いつながり」と言い換えられる。
弱いつながりとは、普段はあまり会わないけれども、勉強会などで知り合い、ゆるくつながっているような人たちのこと。
リベシティ内でも思い当たる人がいるのではないだろうか?🤔
それが本文のタイトルでもある「弱いつながりの強さ(Strength of Weak Ties)」なのだ。
グラノヴェターが知人を通して新しい仕事を見つけた54名に、その知人とどのくらいの頻度で会っていたかを調査がある。
「弱いつながり」の知人経由で仕事を見つけた人が圧倒的に多かった。
頻繁に会う「強いつながり」の知人は9名(17%)で、残りの45名(83%)はあまり会わない「弱いつながり」の知人だった。
メリット
・弱いつながりは強いつながりよりも簡単につくれるので、幅広い人たちとつながり、様々な新しい知識が得られる。
・弱いつながりは広がりやすいので、情報を遠くまで伝えることができる。
なぜか?🤔
強いつながりの知人が持つ情報は"自分も知っている"ことが多く、転職の決め手にならなかったのだ。
つまり、弱いつながりは、新しいアイデアを得るのに向いている。
強いつながりよりも、これまで自分が知らなかった新しい有益な情報をもたらしてくれる可能性が高いのだ。
強い人間関係では新しい情報が入りにくいのに対し、疎遠な関係からは予想外の情報が得られる。
現代の副業やオープンイノベーションにも直結する重要な理論である。
オープンイノベーション:社内外の垣根を越えてアイデアやノウハウ、技術を取り入れ、新しい価値を創出するイノベーション手法。
第3の場も同じ。「ノウハウ図書館」や「リベシティ」も同じである。
ノウハウ図書館で「いいね」や「レビュー」の有用性は1973年には既に証明されているのだ。
⇒ 弱い関係を積極的に築こう。
まぁ、人のことは言えないが…。
入山章栄著『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』
トランザクティブ・メモリーの概念に近い。
組織のパフォーマンスを高めるためには、組織のメンバーが『ほかのメンバーの誰が何を知っているのかを』知っておくことである。
違う部署でも、弱いつながりがあれば、連絡を取りやすい。
まとめ
⇒ 世間は実際に狭い。
⇒ "正直に"信頼を積み上げることがあなたの「社会資本」を増やす。
⇒「いいね」や「レビュー」の有用性は1973年に証明されている。
⇒ ビジネスでソーシャルメディアに関わる人は、押さえておきたい。
弱いつながりは義務や使命感から生まれるものではない。
思いがけない幸運から生まれる。
長い間繰り返していれば、嫌でもいつか、誰かにたどり着くものである。
あわてない あわてない。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆