- 投稿日:2025/02/05
- 更新日:2025/10/30
はじめに
花粉症とはアレルギー疾患の一つです。花粉症と言っても、スギ花粉、ヒノキ花粉、夏の雑草、秋の雑草などアレルゲンはさまざま。
年中、鼻水や目のかゆみに悩まさるアレルギー体質の方もいれば、これからの時期限定、特にスギ花粉に苦しめられている方は多くいると思います。
スギの木なんか全て燃えてしまえ〜!!!!
と一度は思ったことがあるのではないでしょうか😅
お気持ちよくわかります!
しかし、現実は病院に行ってお薬をもらうか、市販薬で症状を抑えて耐え抜く方が多いことでしょう。
そこで、耳鼻科クリニックで花粉症に悩む患者さんの悩みを聞き、治療について説明した経験からみなさんのもわかりやすくお伝えします!
結論
完治することは難しい
残念ながら、スギ花粉症に限らずアレルギー疾患の完治は難しいと言われています。
しかし、自分にあった治療法を見つけることでうまく付き合って行くことができます。

治療法の選択肢
1, 抗アレルギー薬を内服する
抗アレルギー薬の内服治療が花粉症の患者さんの多くを占めていました。
抗アレルギー薬は、小さいお子さんも服用できるものもたくさんあります。
副作用として眠気が出ることがありますが、眠気が出にくい薬も開発されています。
メリット
・内服するだけなので簡単
・鼻水、目のかゆみなど花粉症に伴う症状全般を抑えてくれる
・薬の種類によっては一日一回で済むものもある
・症状の強弱で内服量を調整できるものもある
デメリット
・眠気が出やすい
・効果が弱いと感じる薬もある
・症状がある期間、飲み続ける必要がある
紹介する治療法のなかでは取り組みやすい治療法です。
まずは内服から勧められることが多いでしょう。
ジェネリック医薬品で同等の効果で、薬の値段も抑えられます。
2,舌下免疫療法を受ける
舌下免疫療法はアレルゲン(スギ花粉症であれば、スギ花粉エキスを薬にしたもの)を舌の下、舌下にいれて溶かして身体に取り込み
身体をアレルゲンに慣らしてあげよう!という治療。
初回は医師や看護師、薬剤師からしっかりと説明を受けて、少量から内服し、段階的に増量していきます。
初回は院内でアナフィラキシーなどの重篤な副作用が出ないか観察し、翌日からは自宅で内服。
内服期間は3年〜5年で、長く治療を続けることで効果がでるとされています。
毎日できるだけ決まった時間に内服する必要があり、服用直後は激しい運動や体温を高くする行動(入浴やサウナなど)は控えるなど、治療を始めるために色々な注意事項を理解する必要があります。
メリット
・長期間の効果が期待できる
・小さいお子さんでも治療できる
・鼻水や目のかゆみなど症状全般に効果あり
・内服と言っても舌下で溶かして飲み込むので、どの年代でも服用しやすい
・体質改善の効果が期待され、スギ花粉に反応しにくい体質になる
デメリット
・アレルゲンを身体に取り込むため、口のかゆみや耳のかゆみなどのアレルギー症状が出る人もいる。アナフィラキシーを起こす人も稀にいます。
・3〜5年間、毎日飲み続ける必要がある
・基本的に1ヶ月に1回は受診が必要
・症状がなくてもやめられない。中断すると初回からやり直し
・スギ花粉症にしか効果がない(同時期に飛散するヒノキ花粉には全く効果がない)
・治療開始時期はスギ花粉が飛散しない期間のみ
・すぐに効果がない
この治療は長く内服することで効果の出るものです。
ランニングコストでいうと、スギ花粉の時期だけ抗アレルギー薬を内服する人よりもお金がかかります。
また、スギ花粉が飛散している時期に開始すると、アレルゲンを過剰に取り込んでしまい、アレルギー症状が強く出てしまうので、治療開始時期はだいたい5月ごろから12月ごろと限定されています。
しかし、3年以上継続している方は効果を実感している方が多かったのを覚えています。
そして最大のデメリットとも言える、効果の実感に長期間かかるということです。
長期間内服することで効果がある、反対に長期間内服しないと効果が感じられない。効果が出ていない間は抗アレルギー薬と併用される方が多かったです。
3,レーザー治療
鼻の粘膜をレーザーで焼いて鼻水が出にくいようにする治療です。これはスギ花粉だけでなく、夏や秋の花粉症で悩んでいる方も多く治療されていました。
メリット
・レーザー照射時間は短く、1回の処置で終わる
・局所麻酔で行える
・時期に関係なく、アレルギーで鼻水が多い人は効果を実感しやすい
デメリット
・局所麻酔をしていても痛みを伴う
・照射直後は鼻詰まりがひどくなる
・効果持続期間は人それぞれ
・目のかゆみや肌荒れなどの鼻水以外のアレルギー症状には効果なし
レーザー治療は簡易的に比較的即効性のある鼻水を止めることにだけ特化した治療です。
かゆみなどには効果はなく、また、粘膜を焼く処置のため粘膜の再生とともに再発します。
数年に1度の人もいれば半年ほどで効果が実感できなくなったとおっしゃる方もいました。
粘膜の再生速度は個人差の大きいものになるので、効果持続期間はやってみないとわからないというところが一番大きい治療だったと思います。
4,ゾレア皮下注射
今までお伝えした治療よりも効果が高いと実感する人が多い薬です。
しかし、この治療を受けるには、他の治療よりも条件が厳しく、また費用もとても高いです。
✅ スギ花粉に対する特異的IgEが陽性(血液検査で確認)
✅ 標準的な治療(抗ヒスタミン薬、点鼻・点眼ステロイド薬など)で効果不十分
✅ 年齢が12歳以上
✅ 体重と血中総IgE濃度に応じた適切な投与量が決められる
以上の条件が必須のため、今日受診したからといって、今日開始できる治療ではありません。
メリット
・重症スギ花粉症の症状を軽減できる
・抗アレルギー薬の使用量を減らせる
・症状が軽減し、スギ花粉症の時期の生活の質が向上する
・眠気などの強い副作用が少ない
デメリット
・価格が高い、体重や特異的IgEの量によって投与量が変わるので、人によって値段はさまざまです。
・皮下注射のため、必ず通院での投与が必要
・効果に個人差がある(これはどの治療でも言えること)
・アナフィラキシーなどの副作用の可能性がある
ゾレア皮下注射は
スギ花粉症においては重症の方のみ保険適用
となっているため、重症のスギ花粉症であることを採血や内服薬などで実際に治療して、それでも効果がないという証明が必要です。
必ず採血が必要で、かつ体重や特異的IgEの量で薬の決まりますので、金額にも幅があり、保険適用でもとても高額になります。
※ゾレアについては製薬会社のHPをご覧いただくとわかりやすいです
まとめ
舌下免疫療法は根治ではありませんが、体質改善がされることでスギ花粉に反応しにくい体質になることが期待できます。そのため、他の治療と比べてスギ花粉症のみ改善することが期待できます。
しかし、どの治療にも言えることは
やってみないとわからない
合う・合わないは個人差があります。
どれだけ良い治療でも、体質的に合わなかったり、費用面で難しくなったりします。
どの治療もメリット・デメリットがあります。
大切なことはかかりつけの医師としっかりと相談することです。
治療法は希望して選択することができますが、まずはあなたの症状にあった治療法を選ぶということが大切です。
私の息子もひどいスギ花粉症ですが、1年中アレルギーがあり特異的IgEも高値のため、舌下免疫療法は選択肢に入れませんでした。
一人ひとりに合った治療方で、大切なあなたの健康資産をこれからやってくる花粉症から守りましょう!
健康には睡眠も大切です!
以前睡眠についても紹介していますので、参考になれば幸いです。
長い文章を読んでいただきありがとうございました。
今回は図解を作成してみたり、不慣れなこともしたので2日以上も時間をかけてしまいました・・・
まだまだ慣れない記事作成ですが、これからも稼ぐ力を育てるために頑張っていきたいと思います。
いいね、コメントいただけるととても嬉しいです!
まだまだ修行中のため、ご指摘でも嬉しいです!!