- 投稿日:2025/05/27
- 更新日:2025/12/18
✅ 対象読者になる方
⭐️育休から復帰するママ・パパ(正社員・契約社員・パート含む)
⭐️今後育休を取得する予定の方
⭐️人事や労務に携わる方
1️⃣育児休業等終了時報酬月額変更届(社会保険料が下がる)
▷ この制度を一言で言うと?
「今の収入に合った保険料に変えてもらう」ための申請です。
✅ なぜこれが必要なの?
育休復帰後、時短勤務などでお給料が下がる人は多いですよね。 でも、その下がった給与に合わせて社会保険料が自動で安くなるわけではないんです。
❗ 実はココが落とし穴!
社会保険料(健康保険・厚生年金)は「標準報酬月額」という“ランク”に基づいて計算されます。 これは定時決定(年1回の社会保険の見直し)4〜6月の給与を基に9月の保険料から変更されるのが基本ルール。
つまり… ✅ 4月に復帰した場合でも、9月までは「育休前の高い給料」で保険料が引かれ続ける!
・育休前:月収30万円(標準報酬月額30万円)→ 保険料:月約45,000円 ・復帰後:時短勤務で月収20万円になっても → 9月までは保険料変わらず!
✅ この制度を使うと何が変わる?
「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出すると、 → 育休復帰後の3か月間(例:5〜7月)の給与を元に算定され、9月を待たずに標準報酬月額を見直してもらえる → たとえば7月や8月分の保険料に反映される
✅ 金額で見ると…
・育休前の月収:30万円(保険料自己負担 約45,000円/月) ・復帰後の月収:20万円(保険料自己負担 約30,000円/月) 差額:15,000円 × 2=3万の節約に!
✅ 手続きの流れ(簡単)
・育休から復帰したら、会社(人事・労務)に申請したい旨を伝える
・会社があなたの復帰後3か月分(例4月〜6月)の給与をもとに、日本年金機構へ提出する。
・申請が認められると、最短で翌月(例6月に申請なら7月)から保険料が下がる
✅ 出し忘れるとどうなる?
そのまま9月の定時改定まで待つことになり、4月復帰後7月から保険料が安く出来るのに、7月〜8月が無駄に高い保険料を払うことになります。
✅ まとめ:こんな人は特に申請すべき!
・時短勤務やパートなどで、育休前よりも収入が下がっている
・次の育休が1年以上先の見込み
・少しでも毎月の負担を減らしたい
2️⃣ 養育期間標準報酬月額特例申出書(将来の年金額を守る)
▷ この制度を一言で言うと?
「育休前の高い給与ベースで将来の年金を計算してもらう」ための申請です。
✅ なぜ必要なの?
育休から復帰した後、時短勤務などで給与が下がると、その低い給与額で年金額が将来計算されてしまうのが本来のルールです。 つまり、給与が下がる=保険料が減る=将来もらえる年金も減ってしまうということ。
そこで、この特例を申請すれば
✅ 保険料は下がった金額で済むのに将来の年金額は、育休前の高い給与ベースで計算してもらえる! → 「保険料は安く」「年金は高く」なる、とても有利な制度です。
✅ 私の妻のケース:2023年7月育休 → 2025年4月復帰の場合
・育休前の給与:月30万円(例)
・復帰後の給与:月20万円(時短勤務)
・標準報酬月額は20万円になる(=年金額も下がってしまう) ここでこの特例を申請すると…
➡️ 年金は30万円ベースで将来支給される!
➡️ でも保険料は20万円分しか払わなくてよい! → まさに「得しかしない制度」です。
✅ 適用条件
・お子さんが3歳未満(復帰時点でOK)
・時短勤務などで報酬が下がっている
・特例を希望して、書類を提出する
✅ どれくらい年金額に差が出る?
仮に10年間、標準報酬月額が20万円 vs 30万円の差があるとすると…
・年金差額:約8,000円/月(概算)
・20年間年金を受け取ると… → 約8,000円 × 12ヶ月 × 20年 = 約192万円の差!
✅ 申請の方法と必要書類
◎誰が出す?
・原則は**本人(育休取得者)**が提出
・ただし会社経由でまとめて申請してくれる場合もあります(確認要)
◎いつ出す?
・育休復帰後
・書類取得後、できるだけ早めに提出
(※時効:提出月の2年前までしか遡って適用できない為、遅れると損をする)
◎必要書類
1.戸籍謄本(育休取得者が記載されているもの) → あなたの戸籍に奥様が入っていれば、あなたの戸籍でもOK(委任状で取得可)
2.住民票(世帯全員・マイナンバーなし) → これも育休復帰後に発行されたものが必要です
✅ 出さないとどうなる?
保険料が下がっても、将来の年金も低い報酬基準で計算されてしまう
・一生で数十万〜百万円単位の年金額の差が出る
・特に育児で時短を長く続ける人は影響大
✅ 注意点
・「この特例は老齢年金の基礎額を守るものであり、健康保険の標準報酬月額には影響を与えません。よって、出産手当金や傷病手当金は、時短後の低い標準報酬月額で算定されます。」
3️⃣育休中にも有給が発生!活用すれば復帰がラクに
▷ ポイント
・育休は「在籍」扱いのため、勤続年数にカウントされる
・育休中に新たに有給が付与されることが多い
・復帰後、最大40日近い有給を持っている可能性も!
▷ 活用方法
・慣らし保育中に「毎日午後だけ出勤」など、段階的復帰に有効
・子どもの急な体調不良、通院対応に
・看護休暇では足りない分の補完にも使える
▷ 有給戦略のコツ
・復帰前に「自分の有給残数」を必ず確認
・計画的に申請 → 職場との信頼関係を維持しつつ柔軟に使う
4️⃣ 子どもの体調不良には「看護休暇」も使える
【概要】
・小学校入学前の子ども(2025年4月から小学3年生まで)
・1人につき年5日
・2人以上なら年10日
・時間単位で取得OK
・パート・契約社員でも取得権あり(法定)
【活用できる具体的なケース】
・発熱など急な体調不良:保育園からの呼び出し対応、早退
・通院:小児科、耳鼻科、眼科などの診察付き添い
・薬の受け取り:処方薬をもらうための通院同行
・感染症で登園停止:インフルエンザ、RSウイルス
・経過観察や心のケア:熱は下がったがまだ不安、食欲・睡眠の変化対応
・自宅療養期間:新型コロナ・インフル等で登園できない間の看病
✅ 時間単位で使える!
看護休暇は「時間単位」での取得も可能です(法律で明記されています)。たとえば午前中だけ病院に行く、午後だけ付き添う、など柔軟な対応が可能です。
【使った時間だけ減る!「1日=何時間か」は勤務時間で決まる】
・フルタイム(所定労働時間8時間)の場合 → 1日あたり8時間分
・パートタイム(所定労働時間5時間)の場合 → 1日あたり5時間分
例:所定労働時間が8時間の人が2時間だけ取得した場合 → 1日分ではなく「2時間分のみ」消費されます。
【有給?無給?】
・法律上は「無給」でもOK
・ただし、会社が就業規則等で「有給」としている場合も多くあります
・ご自身の勤務先の規程を確認しておきましょう
こちらで看護休暇が有休になる企業が調べられます。
5️⃣ ギリギリまで育休を使うのも賢い戦略!

多くの自治体では「その月の末日までに復帰すれば“月単位で復職扱い”」になるため、慣らし保育をしていても、その月末までに職場復帰の届けが出ていればOKというケースがほとんどです。
【 これを利用すると…】
・育休をフルに使い切れる
・慣らし保育中の勤務日を最小限に抑えられる
・有給や看護休暇を温存できる
【 具体例】
4月復帰予定の方が、4/1〜4/14を慣らし保育、4/15以降に出勤 → 「4月復帰」としてカウントされます(最後の育児休業給付金が少し遅れます)
→ 育休は4月末まで伸ばすことは可能!(復職届は4月中に出す)
→ 看護休暇・有給は未消化のままスタートできる!
6️⃣(2025年4月新設)育児時短就業給付金(育児時短就業給付金)

▷ この制度を一言で言うと?
「時短勤務で減った収入を少し補填してくれる“ハローワークからの手当”」です。
✅ なぜこれが注目されているの?
2025年4月から始まったばかりの新制度で、子育て中の時短勤務者を金銭的に支援するためのもの。該当するのに申請していない人が多く、“知らなきゃもらえない”給付金の代表格です。
✅ 受給条件(ざっくり)
・子どもが2歳未満である
・雇用保険に加入している
・育児休業給付を受けた実績がある(または要件を満たす)
・所定労働時間をフルタイムより短縮して働いている(※6時間以下という数値基準ではなく、あくまでフルタイムより短いことが要件)
・週20時間以上、31日以上の雇用見込みがある
・月11日以上勤務していて、一定の賃金を得ている
✅ どれくらいもらえる?
短時間勤務後の給与の 13%相当(月あたり)
例:時短勤務で月収15万円 → 約19,500円(15万 × 13%)
→ 年間にして約20万円前後の支援になるケースも!
✅ いつまで支給される?
・子どもが 2歳の誕生日の前日まで
・毎月の勤務実績をもとに継続審査あり
✅ 申請方法
・会社(人事・労務)に「育児時短就業給付金を申請したい」と伝える
・会社がハローワークへ書類提出
・その後も、勤務実績に基づいて継続申請してもらう形(本人がハローワークへ行く必要は基本なし)
✅ 注意点
・「対象は『2歳に満たない子を養育するために所定労働時間を短縮して就業している期間』です。また、短時間勤務の要件は『フルタイムの所定労働時間より短いこと』であり、6時間という数値基準はありません。」
✅ 最後に:復帰後3か月が勝負!「知らない損」を防ごう
✍ ワンポイントまとめ
「申請すれば得できる制度」「黙っていると損をする制度」が多いのが育休明けのリアルです。
3か月以内のアクションが、将来の家計と心の余裕を大きく左右します。
このチェックリストと情報を、人事・上司とのやりとりや、家族のスケジューリングにぜひ活かしてください!
🔖 参考資料・出典
厚生労働省『育児休業等終了後に受け取る報酬に変動があったとき』https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kounen/tekiyo/menjo/20140626-01.html
厚生労働省『養育期間標準報酬月額特例申出書に関する手続き』https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/20150420.html
厚生労働省『育児時短就業給付金(雇用保険)制度概要』https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001394846.pdf
Q&A〜育児休業給付(雇用保険関係)〜 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html