道標に光を【物語】

道標にも光を【物語】

プロローグ　時計の針

舞台は、スコットランド地方の田舎の小さな村、さらにそこから十数キロも離れた一軒家にたった一人で住んでいる少年から物語は始まります。

少年は古いレンガ造りの家に住み、裏の畑で野菜を育てて暮らしています。

たくさん野菜が取れた時には村に行き、とれたてのみずみずしい野菜を売って、代わりに少しばかりの硬貨をもらいます。

少年はそのお金で、ライ麦のパンを買い、バターとジャムを作るための砂糖を買います。

少年の生活は、とてもシンプルなものでした。

朝起きて顔を洗い、畑に出ます。

土を耕し、種をまき、水をやり、美味しそうな実が熟ればそれを摘みます。

まるで時計の針がカチカチと時を刻むように、

毎朝同じ時間に起き、畑へ出て、ご飯を食べ、同じ時間にベッドに入ります。

第一章　ライ麦と暖かい料理

ちょうど、少年から成年に変わろうという時、

村に住んでいる少女と恋に落ちます。

少女はいつもライ麦のパンを買っているパン屋さんの一人娘でした。

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