- 投稿日:2025/08/09
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は岩尾俊兵 著『世界は経営でできている』2024年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:岩尾俊兵
慶應義塾大学商学部准教授。平成元年佐賀県有田町生まれ。東京大学博士(経営学)。第73回義塾賞、第36回組織学会高宮賞(論文部門)、第37回組織学会高宮賞(著書部門)、第22回日本生産管理学会学会賞(理論書部門)、第4回表現者賞等受賞。組織学会評議員、日本生産管理学会理事を歴任。
世の中の九割九分九厘の人は仕事をしていない。
その筆頭はもちろん私である。
正確には人間の労力や時間のほとんどは、一応「仕事」という名前がついているだけの、何のために/誰のためにあるのかよくわからない無意味な「作業」ないし「運動」で費やされている。
岩尾俊兵 著『世界は経営でできている』
本書は、ビジネス書でありながら、人生や人間関係、さらには幸福までを語る。
新書なのでお求めやすい作品である。
人生にかかわるあらゆることは「経営」であり、様々な視点から教えてくれる。
本来の経営は『価値創造(=他者と自分を同時に幸せにすること)という究極の目的に向かい、中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し、究極の目的の実現を妨げる対立を解消して、豊かな共同体を創り上げること』と語っている。
本来の経営は失われ、その代わりに、他者を出し抜き、騙し、利用し、搾取する、刹那的で、利己主義の、俗悪な何かが世に蔓延っている。
本来の経営の地位を奪ったそれは恐るべき感染力で世間に広まった。
(中略)
「本来の経営」の欠如はすべての人の人生に不幸をもたらす。
岩尾俊兵 著『世界は経営でできている』
「経営なんて自分には関係ない」と思っていないだろうか?
✅ 本来の経営とは「価値創造」である
✅ 経営は誰もが関わる「人生の技術」である
✅ 他者と補い合い、共に豊かになる道を選ぼう
世界は経営でできている
日常は経営であふれている。
仕事にかぎらず、恋愛、勉強、芸術、科学、歴史……などあらゆる人間活動で生じる不条理劇は「経営という概念への誤解」からもたらされる。
岩尾俊兵 著『世界は経営でできている』
経営は一部の人のものではない
⇒ 経営はすべての人の人生に関わる。
ビジネスマンだけが経営をするのではない。
私たち全員が、自分の人生を「経営」している。
どんな人でもお金、時間、知識、信頼の収支のバランスを崩すことで貧乏から抜け出せなくなってしまう可能性がある。
なぜなら、誰もが他者と関わりながら生きているからだ。
目的に対して現在の手段が適正かどうか点検しなければ、過大な手段を用いてしまうことになる。
毎日の食べ物の確保に困っている家庭であってもテレビやスマートフォンやタブレットは一式揃っていたりする。
ストレス解消のために散財や大食いなどの不健康な行いも同様である。
本当に必要なのは、日々の生活や仕事の中に楽しさを見出すことである。
ジェームズ・クリア著『Atomic Habits』
悪い習慣を繰り返すのは、変えたくないからではなく、変えるためのシステムが間違っている。
「私が手にする結果は、設定した目標とはほとんど関係ない。結果の大半を決めているのは、〝私がどのような仕組みに従ってきたのか〟だ」
ジェームズ・クリア著『Atomic Habits』
⇒ 私たちの行動は「なにがしたいか」よりも、「なにが目につくか」である。
経営の目的は「価値創造」である。
出典:漫画「へうげもの」
志半ばに終わったとはいえ、織田信長の先見の明は注目すべきだろう。
戦国大名にとって、「戦功を立てた家臣に領土を与える」というのは、ひとつの政治戦略だった。
しかし、この安易な政治戦略は、日本統一が実現に近づくにつれ、新たに侵略する領土そのものがなくなるため、実行不可能になる。
そこで、天下布武が見えてきた織田信長が取り組んだのは、千利休や古田織部とともに、鎌倉時代・室町時代に流行し応仁の乱以降下火になっていた、唐物数寄的な茶道を再流行させることであった。
岩尾俊兵 著『世界は経営でできている』
旅先で見つけた工芸品
土地の奪い合いから茶器という価値の創造へと舵を切ろうとしていたと考えるのは中々に興味深い。
歴史を見つめなおすと、国家や政権は本来の目的を忘れるか、目的に対する手段が古くなるか、あるいはその両方によって滅びていく。
ローマ帝国も侵略による属州拡大という政治戦略が通用しなくなった段階で滅んでいった。
国家そのものの「経営」が上手くいかなくなることも十分にあるのだ。
⇒ 他者と自分を同時に幸せにする。
⇒ 強みと弱みが組み合わさって価値になる。
本当の経営とは、利益追求でも支配でもない。
「価値創造」こそが本質である。
搾取でも奉仕でもなく、対立を越えて共に豊かになること。
人間には得意・不得意がある。
だからこそ「他者の強みで自分の弱みを補う」ことができる。
その組み合わせが価値創造の鍵になる。
経営を誤解すると、人生が苦しくなる
たとえ見た目には裕福に見えようと、あるいは実際に年収が高かろうと、出ていくお金がそれ以上に大きくて支出を抑制できないならば誰でも貧乏になる。
岩尾俊兵 著『世界は経営でできている』
⇒ 誤った経営は人生に不幸をもたらす。
利己的な経営が広まり、他人を出し抜く社会になれば、誰もが疲弊する。
誤解された経営概念が個人にも社会にも損害を与える。
科学的な知識を全然信じないのに、株の上がり下がりを百発百中で科学的に的中させると評判の「先生」なる人物を信じこんでしまう。
SNSで勝手に有名大学の教授や証券会社の役員、インフルエンサーと偶然同じ名前の「ペンネーム」を使用しているのもそうである。
貧困は社会問題だが、貧乏は個々人の問題として経営できる部分がある。
資源の経営=お金、時間、信頼の管理
ケチの極致は実は一番の無駄遣いである。 極端な話、死ぬまでタンス預金にお金を貯め続けて、そのお金の在処を誰にも告げなかった人がいたとすると、巨額の現金はその人の死とともに実質的に失われる。
すると巨額のお金を自分のためにも他者のためにも使わずに捨てたに等しい。
岩尾俊兵 著『世界は経営でできている』
お金の本質は「価値との交換」であり、死蔵することではない。
⇒ 収入と支出のバランスが崩れると貧しくなる。
⇒ 必要なのは、情報を精査する時間があり、信頼できる人たちに知識を借りることができること
お金だけでなく、時間、知識、信頼の使い方も経営。
どれかが破綻すれば人生全体が不安定になる。
経営とは、バランスなのだ。
稲盛和夫著「稲盛和夫の実学」
会計=経営を知らない起業家は、いつか失敗する。
会計がわからなければ真の経営者にはなれない
稲盛和夫著「稲盛和夫の実学」
まとめ
✅ 本来の経営とは「価値創造」である
✅ 経営は誰もが関わる「人生の技術」である
✅ 他者と補い合い、共に豊かになる道を選ぼう
⇒ 経営とは、搾取でも奉仕でもない。「共に価値を創ること」
幸せを求めない人間も、生まれてから死ぬまで一切他者と関わらない人間も存在しないからだ。
他者から何かを奪って自分だけが幸せになることも、自分を疲弊させながら他者のために生きるのも、どちらも間違いである。
『倫』理的な間違いではなく『論』理的な間違いだ。
岩尾俊兵 著『世界は経営でできている』
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆