• 投稿日:2025/08/16
  • 更新日:2025/10/01
ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』

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シロマサル@ノウハウ図書館×本の要約🍀

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要約
成功を収めるには、自己完結型のイノベーションでは限界がある。 『OPEN INNOVATION』は、外部との知恵の交換によって生まれる革新力に注目し、社内技術の活用方法や新規事業の拡大戦略を提案する1冊だ。 2004年で時代遅れな部分もあるが、オープンイノベーションの基礎を知ろう

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』2004年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。


著者:ヘンリー・チェスブロウ

p1.jpg出典:日経ビジネス

米カリフォルニア大学バークレー校経営大学院教授(特任)
1956年生まれ。米エール大学経済学部卒(最優等)、米スタンフォード大学経営学修士(MBA、最優等)、米カリフォルニア大学バークレー校で経営と公共政策の博士号(Ph.D.)取得。ベンチャー企業の役員やコンサルタントとしても活躍。2003年に著作で、境界のない社内外の知的な協働によりイノベーションを起こす必要性を説く「オープンイノベーション」の概念を発表し一世を風靡した。


本書はオープンイノベーションの元祖と言える本である。

古いと思うだろうが、この手法は現在でも意識していないだけで使われている。


00000.png✅ クローズド戦略では、技術も人材も流出する

✅ オープン戦略で社内外の知恵を結集すべし

✅ 新規事業も既存事業も、外部との連携がカギ


多くのイノベーションは失敗する。
しかしイノベーションしない企業には死あるのみである。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』


ちなみに、社内だけでイノベーションを進める方法をクローズド・イノベーションと呼ぶ。


クローズド・イノベーションは内向きの論理である。一般に信じられているクローズド・イノベーションは次のようなルールに従うとされる。
・業界で最も優秀な人材を雇わなければならない
・新製品をマーケットに出すためには自ら開発しなければならない。
・最も早く新製品を開発した者が、それを最も早くマーケットに出すことができる。
・知的財産を守り、他社が真似できないようにすべきである。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』


新技術の発見→新製品の販売→売上、利益の増加→研究開発投資→…とサイクルを繰り返して成長していく。


では、オープンイノベーションとは何だろうか?

クローズド・イノベーションはもはや持続可能ではなくなった。
そこで、新しいアプローチ(私はそれを「オープン・イノベーション」と名づける)が出現した。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』


顧客の「片づけたいジョブ」を見抜くことがイノベーションの鍵だ。

言い換えれば、「客がイライラしていること」を解消すること。


素晴らしいサービスなのに知られていないなら、広告の手が考えられる。


では、手持ちの手札をどうすれば「お金に換える仕組み」にできるのだろうか?


オープンイノベーションとは?

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アイデアは世の中にあふれており、企業内部で研究開発を行うのは効率的ではなくなった。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』

00.pngオープンイノベーション:社内だけでなく社外の知識をも自社のビジネスモデルに組み込むことで、より効率的に素早く商品化し、利益をあげる手法。

ノウハウ図書館や人に会って「手法」を取り入れることも正しいし提供することで恩恵や利益を得ることができる👍

0000.png社内完結型の限界が招いた失敗

Parc_Signage_PRxrx_WQpng_R.jpgゼロックス (XEROX) 社はプリンター、複合機、複写機などの印刷機器を製造・販売するアメリカの会社。

ちなみに、かつて「富士ゼロックス」は富士フイルムと米Xeroxの合弁会社だったが、2021年に富士フイルムビジネスイノベーションに社名変更されている。


話を戻すと…。

ゼロックス社のPARC研究所は数々の革新技術(マウス、高速通信のイーサネット、美しい文字フォントのポストスクリプトなど)を生み出した。

しかし、企業が研究所で極秘裏に他社にない技術を生んで製品を出せば、多大な利益を生んでくれるという成功体験から、「価値」があることや予算の関係上、放置された「技術」がいくつもあった。

さらに掘り下げると、不採用研究の担当者がその研究を続けたい場合は会社から去るしかなかった。

結果、多くの研究者が転職・起業してしまった。

そして、ある研究者はアップルに移り、マッキントッシュを開発し巨額の利益を生みだした。

次々と不採用のアイデアは社外に流出し、他企業が商品化するようになった。

自社のテクノロジーは自社が独占し、販売も独占的に行わなければならないと考えている。
彼らの主張は次のようなものである。
・他社を使うとテクノロジーのコントロールが危うくなる。
・コントロールを失うと、他社がテクノロジーを盗む。
・他社がわれわれのテクノロジーで利益を上げることになる。
もしビジネス部門がテクノロジー開発に資金を提供してくれるならば、彼らにそのコントロールを任せても良いだろう。素早くマーケットに出してくれるはずである。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』

0.png⇒ 「ノウハウ」の囲い込みは永遠にできない。

⇒ 価値に気がつかず、技術流出。

⇒ 結果、稼ぐ機会を失ってしまった。

クローズド・イノベーションだった結果、ゼロックス社は恩恵を受けられなかった。

0000.pngトヨタがハイブリッド技術を他社に提供したのは、市場全体の成長を見越した戦略だ。

外部参考サイト:トヨタイムズ
HV特許を無償提供するトヨタの真意 そして電動化への誤解

不思議なことに独り勝ちしすぎると、他のプレイヤーがいなくなる。

その業界は衰退していく以外、道がなくなってしまう。

情報提供をして、多くの人に真似してもらうことでその技術を「スタンダード」に狙うこともできる。

参考資料:A・プランデンパーガー著『ゲーム理論で勝つ経営』


オープン・イノベーションで「アイデア」を売る。

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オープン・イノベーションは企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造することをいう。
オープン・イノベーションはアイデアを商品化するのに、既存の企業以外のチャネルをも通してマーケットにアクセスし、付加価値を創造する。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』

一方、オープン・イノベーションでは社内で生んだアイデアを使い倒す。

使わないアイデアは積極的に社外に出して稼ぐ。


特許のライセンス料もこれに近い。

つまり、「ノウハウ図書館」や「noteの有料記事」、「稼げなくなったことを情報商材」にするのもオープン・イノベーションだ。

参考:『2ヶ月で月30万円を実現する 超初心者でも稼げるAI活用法』

これに善悪はない。

事業を展開、拡大させる成長モデルである。


どのような「場」があるのかというと…。

❶大企業やVCがスタートアップと協業し、新規技術・製品を共創
(Microsoft for Startupsなど)

❷社外共創プラットフォーム
(富士通「Fujitsu Accelerator」、日立「Lumada Innovation Hub」ベネッセ「Bラボ」など)

❸大学・研究機関との連携
(東京大学 FoundX、慶應義塾大学 SFC研究所など)

❹技術展示会/異業種交流展示会
(お金の勉強フェス2025など)

❺アイデア募集プラットフォームやオンラインコミュニティ
(クラウドファンディング、リベシティなど)

つまり、X(旧Twitter)やnoteも立派な「オープン・イノベーションの場」になる。


あらゆる手段で知識を選別し、自分にない知識を開発する。

いまや知識の普及は速く、簡単に真似されてしまう時代。

企業や個人が知識を囲い込むのは不可能である。

知識が普及している世界では、誰もがいずれのマーケットにも容易に参入できるのである。ライセンスにより知識を囲い込むのことはできないのである。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』

0.png⇒ 社内で不採用のアイデアを外に売る

⇒ 知識を社外と循環させる戦略

・社外の知識を見つけ、理解し、選別する。
・社外の知識では欠けている部分を社内で開発する。
・社内と社外の知識を統合し、新たなシステムを創造する。
・社内で有効に活用できない研究結果を社外に出し、利益を得る。
研究には時間がかかるので、ビジネスに必要な知識がタイムリーに生み出されるとは限らない。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』

使わない技術は外に売る・使ってもらう。

反応を見ることで、研究方針にも活かす。

必要な知識は外から取り込む。

社内外で知識をぐるぐる回すことで、イノベーションのスピードが増す。

社内のアイデアと社外のアイデアをうまく結合してビジネスモデルを通じて商品化していく必要がある。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』


では、具体的にどのような「アイデアや技術」が向いているのか?


そのアイデアは「転用」できるかい?

Image_fx (3).jpg0.png⇒ 組み替え可能な構造がカギ

レゴブロックのように部品を自由に組み合わせられるアイデアや仕組みは、オープン型の戦略と相性が良い。

相互依存が強すぎる製品では、外部との連携が難しくなる。

0000.pngYoutubeで考えてみると…。

❶各要素が独立していて組み合わせ自由な仕組み

1.YouTubeチャンネル制作チーム(分業型)

動画編集者、サムネ職人、台本ライター、声優、BGMクリエイターなどがそれぞれ独立して業務を請け負い、組み合わせて1本の動画を完成させる。

メンバーは互換性あり(編集者が変わっても動画は成立する)。

モジュール単位での外注・入れ替えが可能で、再現性やスケールがしやすい。

2.テンプレートを活用した量産型YouTube運用

チャンネルタイプ:BGM系や解説・雑学系

(例:ナレーション → イラスト → ナレーション → CM)に素材を入れる。

台本、音声、映像、編集がすべて独立しており、別々に制作しても統合が可能。


❷要素が密接に影響し、全体に影響する仕組み

1.特定のYouTuberやVtuberの運用

クリエイターの世界観に最適化された全体設計。

演者のキャラクター性がチャンネルに依存する。

編集スタイル、話し方、撮り方、音楽の選定が密接に結びついており、一部を他人に任せにくい。

2.チーム系YouTubeチャンネル

例:アイドルやお笑い系グループYouTuberや集団でのゲーム実況者

複数人のキャラクター関係や掛け合い、リアクションが互いに依存。

1人抜けると構成バランスが崩れ、視聴体験が大きく変化する。


補足:構造を見誤るとどうなるか?

❶に見えて❷だった例:

特定のYouTuberやVTuber運営での「新キャラの追加」

バラエティグループYouTuberで、「メンバーの交代」を安易に実施。

結果、視聴者が離れた。


❷に見えて実は❶だった例:

切り抜き動画チャンネル。

演者本人の出演がなくても、編集者が上手く再構成すれば別コンテンツとして成立できる。

アニメレビューYouTubeで台本ライターを固定していたが、他ライターでも問題なかった。

語り手の声・演出・BGMがシリーズの「ブランド」を作っており、台本の書き手が入れ替わっても、視聴者は気づかなかった。


ちなみに分析であって、良し悪しではないので注意!

西野亮廣著「夢と金」のように商品に「応援する理由」があるものは強い。

BGM系や解説・雑学系は参入がされやすく、もっと良いチャンネルがあれば、「お客」は流れやすい。

どちらにもメリットがありデメリットがある。

つまり…。

現在のイノベーション活動の現状を確認することにより、2つの重要なことが可能となる。
あなたの企業の現在のビジネスを成長させることと、新たなビジネスを成長させることである。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』


まとめ

362.png✅ クローズド戦略では、技術も人材も流出する

✅ オープン戦略で社内外の知恵を結集すべし

✅ 新規事業も既存事業も、外部との連携がカギ

新たなビジネスを成長させるには2つの方法がある。買うか、作るかである。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』

⇒ 知恵は囲い込むより、開放して育てよ

⇒ 積極的にオープンにして稼ごう!

いつの時代でも変わらない真実は「イノベーションを続けなければならない」ということである。

ヘンリー・チェスブロウ著『OPEN INNOVATION ハーバード流 イノベーション戦略のすべて』


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

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