- 投稿日:2025/02/01
- 更新日:2025/10/26
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はA・プランデンパーガー著『ゲーム理論で勝つ経営』2003年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:A·プランデンパーガー
ニューヨーク大学スターン·ビジネス·スクール教授。ロンドン生まれ。専攻分野は、ゲーム理論、情報理論、認知科学。ゲーム理論の新分野の開発に従事するとともに、企業戦略へのゲーム理論の新たな活用法を研究している。また、ニューヨーク大学タンドンスクール·オブ·エンジニアリング特別栄誉教授、グローバル·ネットワーク教授も務める。
今回のサムネイルは良い画像がなかった💦
✅ 競争だけでなく、協調による価値創造が重要である。
✅ ゲームのルールや範囲を変えることで優位性を築ける。
✅ 他者の視点を取り入れた戦略が成功の鍵となる。
ビジネスは、戦争というよりもゲームに近いと考えられる。
「勝ちか負けか」、「双方が勝つ」もある。
際限ない価格勝負に陥り、共倒れになることもあり得る。
ひとり勝ちすらない。勝者なき戦いだってある。
それが、ゲーム理論である。
では、本書を読み解いていこう。
『ゲーム理論で勝つ経営』
ビジネスは勝敗だけでなく「価値創造」
競争相手だけでなく「補完的生産者」に注目しよう。
ゲーム理論ではビジネスの関係者をゲーム参加者にたとえて「プレイヤー」と呼ぶ。
プレイヤーにはいくつか種類がある。
わかりやすくするために、(クリームパン=価値)と考えてみよう。
❶「あなた」:パン屋
クリームパン=価値を生みだし、利益を得る。
❷「競争相手」:近所のパン屋
それぞれのクリームパンが欲しいお客を取り合う存在。
❸「補完的生産者」:パン生地、バター、クリームの生産者
顧客から見た自社商品の価値を高めてくれる存在。
つまり、自社商品の価値を下げるプレイヤーが「競争相手」になる。
⇒ 協調によって価値を大きくできる。
・新しいクリームパン(価値)を作る時は相手と協調する。
・元のクリームパン(価値)の需要を切り分けるときは、相手と競争する。
新しい価値を作る時はどういった時か?
航空機業界で考えてみよう。
JALとANAは、乗客(顧客)と航空施設(供給者)を争う競争相手である。
しかし、ボーイングやエアバス(供給者)に航空機開発を依頼する時は補完的生産者同士になり、航空機調達コストを抑える。
1社しかいなかった場合。航空機の値段に価格競争が起こらないからだ。
他者との関係を1つに限定してはいけない。
また、トヨタがハイブリッド技術を他社に提供したのは、市場全体の成長を見越した戦略だ。
外部参考サイト:トヨタイムズ
HV特許を無償提供するトヨタの真意 そして電動化への誤解
不思議なことに独り勝ちしすぎると、他のプレイヤーがいなくなる。
その業界は衰退していく以外、道がなくなってしまう。
ビジネスがゲームなのはこの部分から来ている。
そして、ゲームの仕組みを変えられればビジネスで有利になる。
ゲームは5つの要素で構成される。
①プレイヤー(Players)
②付加価値(Added Value)
③ルール(Rules)
④戦術(Tactics)
⑤範囲(Scope)
頭文字を取ってPARTSという。
①他者の視点でゲームを見直す
①プレイヤー(Players)
つまり相手の立場で考えることは重要である。
全体のプレイヤーを見れば、単純な「勝ち負け」の発想から脱却できる。
顧客からの提案依頼は「勝ち負け」発想ではチャンスである。
しかし、顧客の真意は、あなたを当て馬に使い、今の供給者の価格を下げたいだけなのかもしれない。
現実にはゲームへの参加自体、コストがかかる。
何も得られなければ、あえてゲームに参加する必要はない。
独占販売で儲けている企業の価値を落とすために、新供給者の参入を利用する。
実績と定評ある独占販売した企業は価格交渉をせざる負えなくなる。
新供給者は全体の場に最初出るのではなく、「参入前に、補完的生産者と交渉し、販売先を確保する」といった策も考えられる。
⇒ 立場や視点を変えれば勝機が見える。
②付加価値、希少性を高める
②付加価値(Added Value)
付加価値の観点だけで考えれば、供給過少にすれば希少性が出て、付加価値が高まる。
ただ、デメリットとして商品がないと売れるはずだった目先の売上は減るし、取引関係も失う。
買えなかった顧客の反感を買うこともある。
転売行為がなぜ反感を持たれやすいのかは言うまでもない。
顧客視点で自分の付加価値(=希少性)を把握することは誰にとっても重要である。
フリーランス、転職、自営業。誰にでも当てはまる。
他が真似できない付加価値(=希少性)を、自ら低くしないように。
⇒ 希少性は交渉力を左右する。
③ゲームのルールを変える
③ルール(Rules)
⇒ ルールの変更が新たな可能性を生む。
既存のルールを見直し、新たな枠組みを作ることが求められていく。
ルールに勝つ。
そのために1つのアイデアを洗練させていくだけでは、閉塞感(行き詰まり)を招く。
車は運転するモノ:免許制や安全装置の拡充により使用者を補助する。
↓
車は移動手段の1つ:無人運転、自動運転。
より安価で高速、安全、大量輸送ができれば車はいらない。
↓
移動するのは需要と供給のため
↓
狭いエリアの中で人間すべての需要を満たせれば移動すら縮小化できる。
↓
車がいらない世界になれば、自動車業界はなくなる。
夢物語では決してない。
100年前ではスマホや新幹線、人類が宇宙に行くこともなかった。

クレイトン・クリステンセン著「イノベーションのジレンマ 増補改訂版: 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」
新たな顧客を生み出す視点がイノベーションのカギである。
既存の枠組みを超えると、達人の技術が無効化される。
④ゲームで存在感や認識を変える
④戦術(Tactics)
マイクロソフト「パワーポイント」はプレゼンの定番ソフトだが、実は人気がなかった。
そこでマイクロソフトは、価格を据え置きにして、人気のワードとエクセルとセットにした「マイクロソフトオフィス」を売り出した。
人々は「高いソフトがタダで使える」と使い始め、定番ソフトになった。
ソフトがスタンダードとなるために行った戦術と言える。
⇒ ゲームは人の認識によって影響される。
⇒ 戦術でその認識を変えてしまえ。

クリス・アンダーソン著『フリー 無料からお金を生みだす新戦略』
「0円」は実に強力で、ユーザーが爆発的に増える。
無料にして使う人数が増えるほど、ネットワーク効果で価値が高まる。
手数料、年会費無料もこれに該当する。
⑤ゲームの境界線を変える
⑤範囲(Scope)
他のゲームとつなげて範囲を変えることもできる。
ホテル宿泊客にレストラン割引券を渡すのは、宿泊と飲食という別々のゲームをつなげている。
顧客体験を強化することで、競合とは異なる価値を生みだせる。
コラボ商品も似たようなものだ。
ゲーム理論は決して遊びではない。
現実のお金を使っている。
将棋のルールを知らずに、プロ棋士を相手に将棋を指してはいけないのだ。
まとめ
✅ 競争だけでなく、協調による価値創造が重要である。
✅ ゲームのルールや範囲を変えることで優位性を築ける。
✅ 他者の視点を取り入れた戦略が成功の鍵となる。
⇒ 「ビジネスはゲームであり、ルールを知る者が勝つ」
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆