- 投稿日:2025/07/22
- 更新日:2025/09/29

🟩利益が出ないのは「売上のせい」だけではない
まず結論からお伝えします。
売上が伸びているのに利益が出ないと、「もっと売らなきゃ」と考えがちですが、実はそれだけでは解決しないことも多いのです。
その理由を、ひとつずつ見ていきましょう。
🟩架空のシンプルな事例で考えてみよう
たとえば、以下のような会社を想定してみます。
売 上:1,000万円
原 価: 400万円(仕入などの変動費)
固定費: 600万円(人件費・家賃・広告など)
このとき、利益はどうなるでしょうか?
売上1,000 - 原価400 - 固定費600 = 利益0
「売上1,000万円もあるのに、利益ゼロ!?」と思われるかもしれません。 でも、固定費の構造によっては、こうしたケースは珍しくありません。
🟩「変動費」と「固定費」のちがいを知ろう
利益構造を理解するうえで大切なのが、さきほどの例では、原価400万円が変動費。売上が伸びれば増え、減れば減ります。
一方、人件費・家賃などの固定費は、売上が増えてもあまり変わりません。
つまり、この会社は「売上1,000万円では、固定費をカバーしきれない」構造になっているということです。
🟩「営業レバレッジ」を活かすには
この仕組みを「営業レバレッジ」と呼びます。ホテル業などの固定費が大きいビジネスモデルで特に注目されます。
さきほどの例では、売上が1,200万円に増えれば、利益はどうなるでしょう?
売上 :1,200万円
原価(変動費): 480万円(売上の40%)
固定費 : 600万円
売上1,200 - 原価480 - 固定費600 = 利益120(利益率10%)
200万円の売上増で利益が一気に出るのは、固定費が大きいからこそ。
この特性を理解していると、「どこまで売れば黒字になるか」が見えるようになります。
🟩では、なにを見直すべきか?
利益を出すには、
変動費の見直し(仕入単価の交渉など)
固定費の削減(使途の明確化、削れるコストの見極め)
価格設定(粗利の確保)
売上の向上(売上構成や単価の改善)
など、複数の視点が必要です。そして何よりも、経営者の感覚や経験値も大切ですが、数字をもとに判断することで、意思決定の精度が格段に上がります。
🟩まとめ
今回は、「利益が出ない理由」についてやさしく整理してみました。
売上はあるのに利益が出ない。 そんなときには、ぜひ「コスト構造」と「損益分岐点」に目を向けてみてください。
次回は、「儲けの使いみち(配当、内部留保、自己資本)」についてお届けします。「利益が出た後、どう使うか?」も、経営においてとても重要な視点です。どうぞお楽しみに!
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