- 投稿日:2025/10/14
- 更新日:2025/10/17
 
    後悔から学んだこと:父の死と相続手続き
父が亡くなったとき、悲しみに浸る間もなく、年金や相続などの手続きが次々と押し寄せました。
何もかもが初めてで、戸惑いながらも家族で力を合わせて乗り越えた数ヶ月。仕事との両立もあり、無我夢中の日々でした。
そして、相続手続きがようやく終わりに近づいた今、ふと振り返ると「こうしておけばよかった」と思うことがいくつもあります。
その中でも、これから手続きをされる方にぜひ知っておいていただきたいのが「法定相続情報証明制度」です。
相続手続きで最初にやるべきこと
相続が発生したら、まず取りかかってほしいのが「法定相続情報証明制度」の申請です。
これを取得しておけば、戸籍謄本や住民票などを何度も取り寄せる必要がなくなり、手続きの手間も費用も大幅に減らせます。
私自身はこの制度を後から知ったため、年金関係の手続きには間に合わず、何度も謄本類を発行しては提出することになりました。
法定相続情報証明制度とは?
この制度は、相続人の情報を「家族関係図」として法務局に提出することで「法定相続情報一覧図」という証明書を発行してもらうというものです。
この証明書があれば、銀行・証券会社・年金・不動産登記などの手続きで、戸籍謄本の束の代わりとして使えるのです。何枚でも発行してもらえるので、気軽に金融機関や役所に提出できます。
主なメリット:
• 	戸籍謄本や住民票を何度も取り寄せる必要がない
• 	交付は無料、何枚でも請求可能
• 	手続きがスムーズになり、時間と費用の負担を軽減できる
私の失敗談:書類の山と手続きの嵐
父が亡くなった際、区役所から「ご家族が亡くなった際の手続き一覧」の冊子をいただきました。
初めての経験だったので、それを読みながら順に進めていきました。
それ以外にも家庭ごとに必要な手続きは発生するのですが、我が家が最終的行った手続きは以下の通りです:
• 	遺族厚生年金の申請
• 	未支給年金の請求
• 	企業年金の手続き
• 	銀行の相続手続き
• 	証券会社の相続手続き
• 	不動産登記
• 	墓の改葬のための手続き(水戸→世田谷区に墓を移しました)
これらには戸籍謄本や住民票除票などが必要なのですが、最初は案件ごとに用意して提出していました。コンビニで発行できないものもあり、楽ではありませんでした。
その後、金融機関の相続手続きを始める際に「法定相続情報証明制度」の存在を知りました。そのおかげで、何度も謄本類を発行してもらう必要がなくなりましたが、最初から知っていたらどんなに楽だったでしょう。
具体的な手続き方法と注意点
具体的な手続きの詳細については、法務局ホームページをご参照下さい。
あらかじめお伝えしておきますが、こちらの手続きを進めるにあたっては、必要となる書類が少なくありません。例えば、亡くなられた方の出生から亡くなるまでの連続した戸籍謄本や住民票除票など、日常ではあまり耳にしないものも含まれます。ただし、これらの書類はいずれにせよ相続の手続きで必要になるものです。手間はかかりますが、のちに個々の手続きで戸籍謄本など何度も取り寄せたりコピーしたりする手間が省くことができます。
なお、注意点もあります。相続の手続に印鑑証明書が必要となる場合がありますが、この制度では印鑑証明書まではカバーしていません。したがって、この制度を利用しても、すべての書類を完全に代替できるわけではない点をご理解ください。
それでも、全体としては非常に有用で、相続手続きを効率よく進めるために利用をお勧めできる制度です。
この経験から学んだこと
家族が亡くなったとき、すぐに多くの手続きが始まります。
だからこそ、最初に「法定相続情報証明制度」を利用しておくことが、後悔しないための第一歩です。
家族の不幸は頻繁に起こることではありません。だからこそ、事前に知っておくだけで、心身の負担を大きく減らすことができます。
この体験が、これから手続きをされる方の少しでもお役に立てたら幸いです。
 
         
                  
                   
         
                  
                   
         
                  
                   
           
        