- 投稿日:2025/08/21
- 更新日:2025/10/09
こんにちは、🌸桜🌸です。
「障害のある子どもを育てているなら、生命保険で備えておいたほうが安心ですよ」
そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
親亡き後の備えを考えるとき、必ず出てくるのが 「相続」と「生命保険」 です。
けれど、本当に生命保険は必要なのでしょうか。
今回は歴史的背景から「なぜ必要と言われてきたのか」、そしてメリットとデメリットを整理していきます。
歴史的背景
高度経済成長期〜1980年代頃まで、日本では障害のある人への福祉制度や支援が十分に整っていませんでした。
障害年金はあっても金額が小さく、グループホームや福祉サービスもまだ限られていたのです。
そのため親たちは、
👉 「自分たちが亡くなった後、子どもに毎月の生活費を残すにはどうすればいいか」
という切実な問題を抱えていました。
そこで広まったのが、生命保険や養老保険です。
保険金を残せば「現金が一括で入る=とりあえず生活資金を確保できる」と考えられてきました。
なぜ「生命保険が必要」と言われるのか?
現金がすぐに入るから安心
相続では手続きに時間がかかることもありますが、生命保険金は比較的早く受け取れます。
相続税対策になると言われてきた
生命保険金には「非課税枠」があり、一定額までは相続税がかかりません。
親世代が「現金を残す最も手軽な手段」として活用した
昔は金融商品も限られており、「保険に入っておけば安心」という時代背景がありました。
🌸梅コラム🌸:生命保険の「非課税枠」ってなに?
生命保険の話になると、よく
「500万円 × 相続人の数までは税金がかからない」
と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
でも、このルールはちょっと複雑で誤解されやすいので、やさしく整理してみます。
💡 ポイント1:人数で計算する
たとえば「配偶者と子ども2人」が相続人なら3人。
👉 500万円 × 3人 = 1,500万円までは税金がかからない という計算になります。
💡 ポイント2:みんなで分けるプール制
この非課税枠は、1人ずつに500万円ずつ配られるわけではなく、全員でまとめて使う“プール”のようなものです。
例)1,500万円の枠があって、配偶者が1,000万円、子どもが500万円受け取った場合 → ちょうど1,500万円の枠に収まるので、保険金に税金はかかりません。
💡 ポイント3:相続放棄しても人数に入る
「相続を放棄します」と宣言した人も、人数にはカウントされます。
ただし、その人自身は保険金を受け取らないので、枠を使うことはできません。
💡 ポイント4:家族以外は対象外
保険金の受取人が友人や知人など「相続人以外」だと、この非課税枠は使えません。
👉 あくまで「家族」に残す場合だけの特典です。
まとめ
非課税枠は「500万円 × 家族の人数」で計算
みんなで分ける“プール制”
放棄した人も人数には数える
家族以外は対象外
こうして見てみると、「ちょっとした節税の仕組み」くらいに思っておくと分かりやすいです。
🌸桜からのひとこと
生命保険の非課税枠は確かに便利ですが、家庭によっては「そもそも相続税がかからない」ケースも多いです。
だから「絶対に保険が必要」と思い込む必要はありませんよ。
メリット
死亡時にまとまった現金が入る
→ 子どもの生活費や施設入居の準備金に使える。
受け取りが早い
→ 預貯金の相続に比べ、比較的スムーズに支給される。
相続税の非課税枠がある
→ 500万円 × 法定相続人の人数までは非課税。
デメリット
手数料が高い
→ 保険商品には販売手数料・運用コストが含まれており、効率が悪い。
保障が薄い商品も多い
→ 「相続税対策」として勧められても、実際に役立つのは限られたケース。
インフレに対応できない
→ 将来の物価上昇を考えると、固定された保険金額の価値は下がっていく。
資産規模によっては不要
→ 相続税がかからない家庭にとっては「節税メリット」は意味がない。
私の考え
生命保険は、昔の「親亡き後の安心」を支えた大切な仕組みでした。
しかし現在の日本では——
障害基礎年金や福祉サービスが整備されてきた
NISAや投資信託など、より低コストで資産を残す方法がある
相続税がかかる家庭はごく一部に限られる
こうした点を考えると、一般家庭にとっては必須の備えではないと思います。
むしろ、
👉 「掛け捨て型で最低限の保障」だけを確保し、残りはシンプルに現金や投資信託で備える
という方が、無理なく続けられる現実的な選択ではないでしょうか。
まとめ
障害者の親亡き後の備えとして、かつて生命保険は「最も手軽な安心」として使われてきた
メリットは「現金がすぐ入る」「相続税対策」など
しかしデメリットも多く、今の時代には万能ではない
必須ではなく、家庭の状況によって取捨選択すべき手段
👉 制度や商品に頼るのではなく、「自分の家庭にとって本当に必要か?」を冷静に見極めることが大切です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。