- 投稿日:2025/08/31
- 更新日:2025/09/29

創業当初の計画
創業当初の売上高
創業当初は誰もご自身が事業を始めたことを知りません。ご自身の理想もあるとは思いますが、お金が尽きれば事業を続けることは出来ません。理想の実現は事業が軌道にのって、利益がしっかり出始めてからでも遅くないはずです。ご自身の人脈や身近な人等販売先が限られた中で、どのくらい販売できそうですか?
もし身近な人に販売できないとしたら、まずは限られた時間等制約の中でどのくらい販売できそうでしょうか?
これを右側の根拠に記載していきます。(金額の合計が合うように)
売上高 ○○○円(平均単価)×○件×○○日(時間)=○○万円
飲食店のように席の制約がある場合は
売上高 ○○○円(平均単価)×○○席×2回転×営業日数=○○万円
土日祝日によく売れる場合は、平日と土日祝日を2行に分けて記載します。
創業当初の売上原価
販売する商品の原価や仕入れ価格です。飲食店であれば原価率となります。インターネットやAIを使って平均原価率を調べましょう。蕎麦店であれば20%、飲食店であれば25%程度が理想です。理想の売上原価率と乖離していると頑張っても頑張ってもお金が残らないということになりかねません。また、注意して欲しいのが商品によって原価率が大きく異なることです。例えば、普通盛りと大盛りで金額以上にサービスしてしまっているとか。ご自身のお客さんの満足度にあまり関わらない部分でサービスしすぎていないか等です。まさか、まだメニューが決まっていないとか、メニューに使う材料が決まっていないなんてことはないですよね。一方で、サービス業等では原価となる金額はないかもしれません。その場合はゼロで大丈夫です。
創業当初の経費
創業当初は人を雇うのか、雇うならいくらで来て貰えそうか。お金を借りるのか借りないのか。店舗や事務所を借りるのか。借りるならいくら家賃がかかるのか。融資は利用するのか。借りるならいくら借りていくらの支払利息が発生するのか。をそれぞれ記入してください。また、その他の欄には水道光熱費(水道代、電気代)、ガソリン代、リース料、消耗品費等の金額が入ります。さらに、このその他の欄に広告宣伝費も入ります。広告宣伝費以外の経費は、宿題リストの家計管理と同じように一度見直したらそのままで大丈夫です。固定費と思ってください。一方で広告宣伝費は重要です。創業当初は誰も読者さんが事業を始めたことを知りません。また、闇雲に広告宣伝費を掛けてもお金の無駄になってしまいます。そこで創業計画書の左部分に販売ターゲット・販売戦略とある項目を参考に広告戦略を検討して金額を記載してください。もし、まだ創業計画書の左側の作成が終わっていない方はこちらの記事を参考にしてください。
【日本政策金融公庫の創業計画書作り方】ポイントを絞って解説!難しかったらこれだけでいったんOK!
経費の合計と利益
売上原価と経費の合計を合算して売上高を引いてみてください。残った金額が利益です。読者さんが金融機関からお金を借りている場合には、この金額から融資の元本を返済します(利息は経費の支払利息です。)。また、個人事業主であればこの金額が読者さんの人件費です。マイナスの場合は赤字となります。もし、読者さんが法人でしたら、役員報酬は経費の人件費に計上します。そうすると、この金額は利益剰余金となり資本に組み込まれます。
軌道に乗った後の計画
軌道に乗った後をどこに置くのかを決めなければなりません。私のお勧めは副業で月5万円です。副業で月5万円行けば、本業を辞めて副業にフルコミットすると十分食べていけるだけ稼げると思うからです。副業でチャレンジしている人で、今後副業を本業に育てて行きたいと思う方は、本業に切り替えるタイミングで創業計画書を作り直してみてください。既に本業として考えている人は生活費が賄えるラインで計画すれば良いと思います。
軌道に乗った後の売上高
事業が軌道に乗ったのですから、ご自身が描いた通りの事業を行うことができます。創業当初始めた事業をそのまま伸ばした金額を記載しても良いですし、このラインは絶対死守しなければならない売上高(損益分岐点売上高)は創業当初の売上高にしつつ、別のご自身がやりたかった事業を立ち上げてそれを売上高に記載しても良いです。軌道に乗っている訳ですから、全て自分で行うことは難しいかもしれません。苦手は人に頼りながら売上高を設定しましょう。私の商工会議所のお客さんに、いつまでも確定申告をご自身で行っている人がいます。どんなに確定申告上手くなっても本業の腕が上がるわけではないですよ。キャンセル待ち等で待っている人に対応した方が良いですよとアドバイスしています。その分経費は掛かりますが、やりたい事業に集中出来るのでその価値は十分にあると思います。
軌道に乗った後の売上原価
売上原価のほとんどは変動費(売上に伴って変動する費用)だと思います。売上高に比例して原価率を定めてください。外注をお願いする場合は、創業当初の原価率より高くなると思います。
軌道に乗った後の経費
創業当初の計画の経費と大きく変わるとしたら、人件費や広告宣伝費ではないでしょうか。確定申告や消費税の納税等を税理士先生にお願いする場合の費用もこちらに計上するのですが、税務を税理士先生に依頼するのは創業当初から軌道に乗った後の計画よりもっと後になります。希望しても費用倒れになるので、もっと売上及び利益が大きくなってからと助言を受けると思います。
創業計画書の見直しは半年に1回が基本
創業計画書を作成したらPDCAサイクルを回します。この数字計画を基に行ってください。事業を行いながら走りながら修正していきます。なので見直しは半年に1回ですが、随時行って頂いて良いです。ひとりで事業を行っている場合突然メニューを変えてしまっても大丈夫です。それだけ失敗して修正してが許されます。どんどん失敗しましょう。よく例えるのですが、チェーン店がメニューを変える場合全ての店舗で同じ日に”いっせのせ”で変えなければなりません。POP等も同時に変えないとならないので、企業が大きくなれば大きくなるほど変更が大変です。その点我々はその気になればいくらでも事業のメニューを変えられるメリットがあります。
先行く先輩に見て貰う
私は本業で創業計画書の作成やアドバイスを行っています。創業当初はアドバイス出来ますが、ある程度事業を行っている方ですと私が実際にその事業を行ったことがないことが多く、皆さんとのヒアリングを通じて皆さんの中にある答えを一緒に探していく方式となります。一方で、先行く先輩であればその事業について、既に経験を積んでいるし人脈も築いています。同じような失敗もされていることでしょう。知り合いの先行く先輩を何人も見てきているはずです。ご自身に何が足りないのかヒントを貰いやすいと思います。
最後はやっぱり人に会いに行くしかない
ご自身の中で考えていることを先行く先輩と話していく中で、会話にしてみると気づくことがあります。また、先行く先輩はその業種について良く知っています。(私は商工会議所の経営指導員です。商工会議所どうですか?と聞かれますが、商店街の実店舗や製造業など融資や補助金が絡む事業(たくさん固定資産がないと出来ない事業)が得意です。市役所も町の賑わいから商店街支援、地域の雇用創出の観点から製造業支援を行っていて連携しています。一方、インターネット関連の事業や海外との貿易は苦手分野です。また、ご自宅で出来る副業はアドバイスしづらいです。いくらでも他の地域に引っ越すことが出来るからです。さらに、公的機関の要素が強いため誰かを紹介して欲しいも困ります。誰かを紹介するということは、他の誰かを紹介しないということです。紹介したのに連絡が取れないとクレームを頂く場合は大変です。職員がトラブルに巻き込まれるということになりかねません。)リベシティの皆さんは副業16選のなかで副業に取り組まれていると思います。リベシティオフィスでアドバイスをお受けになることをお勧めします。私も個人の立場であれば、いくらでも気軽にお声がけください。リベ大フェス2025では個人の立場でお話しさせて頂きました。
まとめ
話が脱線しましたが、事業が軌道に乗って利益が出た後に、経費で接待交際費が急に増えたりとかしないですよね・・・。宿題リストで家計管理やっていますよね。経費はほとんど固定費です。利益が出て気が大きくなってお金を失うことがないようにしてください。異性と車とギャンブルには気をつけてくださいね。その上で、大事なのは売上と売上原価です。売上原価がある事業を行っている方は、原価計算をしてみても良いかもしれません。飲食店や花屋さんとかですね。見積もりやメニューに予定のない一品を追加してしまっていたり、利益率が高い商品ではなく、利益率の低い商品のPOPを出してしまっていたり・・・。私のお勧めは季節商品を置くことです。その季節のみPOPを出すことで来年には再度値段を設定できます。オールシーズンの商品だと値上げをお客さんが感じてしまいますし、季節ものだと初物だからということで財布も緩みますね。どちらにしても、利益率の高い商品をラミネートしてお客さんに注文して貰うのは商売の基本です。こういう意味でも数字を大事に使って欲しいです。