- 投稿日:2025/09/01
- 更新日:2025/10/07

管理栄養士をしていますが、
「SOAPって聞かれても説明できない…」
「栄養指導でどう書けばいいのか全然わからない…」
「とにかくポイントだけサクッと知りたい!」
そんなあなたに向けて、今日は 栄養指導でのSOAPの意味・書き方・記入例 を、分かりやすく例文つきで解説しちゃいます💡
🔑 結論からいくと…
SOAPとは、 栄養指導の“経過記録”をまとめる様式のひとつ!
S:主観的情報(患者さんの訴え)
O:客観的情報(検査や測定のデータ)
A:評価(SとOをもとに分析 → PESで書く)
P:計画(長期・中期・短期目標、Mxモニタリング、Rx栄養ケア、Ex栄養教育に分け書く)
👉 つまり、「患者さんが何を言ってて(S)、実際どんな数値なのか(O)、その結果どう判断して(A)、次に何をやるか(P)」を整理して書くのがSOAPです。
SOAPの書き方のポイントは、数値を使う事です!
💡SOAPを使う理由
問題とケアがスッキリ明確になる!
思考の流れが分かりやすい!
医師や看護師など多職種とも情報共有しやすい!
実際、日本栄養士会でも POSに基づいてSOAPでまとめるのが推奨 されています👌
✍️ 記載例(ざっくりイメージ)
S(主観的情報)
患者さん本人の言っていることです。
指導の際に聞き取りで、患者さんが話した自覚症状や、食事内容、生活状況などです。
会話の中から、栄養指導での効果、改善、問題点など表現できるポイントとなるキーワードを拾いましょう。
・酒は飲まない
・ダイエットしてるつもりなのに太ってきた。
・夜の間食がやめられない
・野菜が嫌いなのであまり食べない
O(客観的情報)
検査や測定で出たデータ・数値など客観的に得られる情報です。
・身長173cm、体重79kg、BMI29
・生化学検査:血糖値:180mg/dl、HbA1c:8.2
・食物摂取状況:食べたものなどの聞き取り内容、摂取カロリー:2800kcal
・運動状況:散歩で20分ほど歩く
A(評価)
SやOに対する判断や思考から栄養診断とその根拠を記載します。
SとOで得た情報を分析・考察した内容です。患者さんは今どのような状態にあるか、また今後どのような処置や検査、対応が必要になるかといったことを総合的に判断し記入します。
アセスメントの手順としては、
①SとOから栄養診断コード※の中で当てはまるものを選び、その中で栄養問題の根源となっているものを1~3つ選ぶ。
(*「栄養診断コード」とは栄養士会発行の「国際標準化のための栄養ケアプロセスマニュアル」という本に載っているコードで、本を買わないと書けないという!!しかも高い!栄養診断コードの一覧は著作権か、載せているサイトはなさそうです・・・)
必須ではないので書かなくても良いですが、今後、栄養指導を頑張るぞという方は1冊手元に置いておいたほうが良い本です!(私も持ってます!)
②栄養診断をPESで記入
PESの内容で記載
1.P:problem 健康上の問題、栄養診断、問題点
2.E:etiology 関連因子=問題の原因または病因、原因や関係しているリスク
3.S:signs & symptoms=診断指標、根拠
PESで記載した実例を出すと、
「栄養診断の根拠:sの根拠により、Eが原因となったPの栄養状態と診断できる」のたった一文でOK。
原因が複数ある時は、いくつかの栄養診断がつくことになります。
書き方の例
栄養診断:NI2-2 経口摂取量過剰
根拠:摂取量2800kcal(指示量の164%)、BMI29、HbA1c8.2%
→ 摂取量を減らすことへの無関心による過剰摂取と判断
P(計画)
Aに基づく今後の予定や計画です。
目標設定について、対象者と一緒に最終目標の設定をします。長期→中期→短期目標の順に設定しましょう。
記載方法は
Mx:モニタリング
Rx:栄養ケア
Ex:栄養教育
に分けて記載します。
Mx:モニタリング:モニタリングする数値に関して記載します。
Rx:栄養ケア:対象者の意識、知識、技術を十分に勘案し無理のない実践可能な計画を立てる。、目標栄養量
Ex:栄養教育:対象者への栄養教育の内容
細かく目標を書くとすると
Mx:モニタリングの長期→中期→短期目標
Rx:栄養ケアの長期→中期→短期目標
Ex:栄養教育の長期→中期→短期目標
という感じになりますが、正直これ全部書くのは大変なので、出来そうな目標に絞って書きましょう。
【記載例】
Rx栄養ケア:長期目標:1700kcalの食事の継続
短期目標:1700kcalの食事に近づけるため野菜摂取を増やす
Ex栄養教育:短期目標:アルコールの適量が分かる
記載の例
読んでると、よく分からなくなってきますよね。最初から理解するのは難しい!!私も無理でした!!
とりあえず栄養士会の事例報告様式「2ページ目」を印刷して、確認しながら記載してみてください
POSやSOAPなど単語の意味って?
似てる単語ばっかりでよく分からない!!ってなりますよね。
意味をまとめてみました。
POS(Problem Oriented System)
患者さんの抱える「問題」を中心に、医療やケアを進めるシステム。
POMR(Problem Oriented Medical Record)
POSを実際の診療録に落とし込むための記録方法。問題リストや経過記録などをまとめる。
SOAP
POMRの中にある「経過記録」の書き方のひとつ。
S:Subjective(主観的情報=患者さんの訴え)O:Objective(客観的情報=検査・測定データ)A:Assessment(評価・分析)
P:Plan(計画)
PES(栄養診断の記載様式)
SOAPの「A(評価)」の部分で使う記録方法。P:Problem(栄養上の問題)
E:Etiology(関連因子=原因)
S:Signs & Symptoms(診断指標=根拠となるデータや症状)
書くときのポイントは「数値を使う」
👉 ポイントは「PESはSOAPの一部(Aの中で使う)」📌 書くときのポイント
ズバリ 「数値で書くこと」!!
重要なことは、栄養指導記録を見るのは多職種ということです。なので、他の職種にも分かるように書く必要があります。
❌「カロリー摂りすぎ」「摂取カロリー3000kcal」
⭕「摂取カロリーが3000kcalで、目標カロリーである1800kcalの167%である。」
実際にこの方法で記載したら他職種の方から「分かりやすい」と言ってもらえた!
📝 まとめ
SOAPって最初は難しく感じるけど、流れをつかめば意外とシンプル!
S:患者さんの言葉
O:数値・データ
A:分析 → PESで栄養診断
P:具体的な計画
そして大事なのは 「数値で表現すること」。
最初は誰でもつまずきます!私もそうでした😂
でも慣れてくるとスラスラ書けるようになるので、一緒に練習していきましょう!