- 投稿日:2025/09/09
- 更新日:2025/09/29

はじめに
高配当株投資をしていると、こんな悩みはありませんか?
・財務データを毎回コピーするのが面倒
・配当履歴を更新し忘れる
・気づけば管理シートがぐちゃぐちゃに…
実は IRBANKのCSVデータとスプレッドシート関数を組み合わせれば、証券コードを入力するだけで最新データを自動で取り込めます。
ポイントは「加工前のデータを倉庫に置く」という考え方です。
1. 証券コードをセルに入力
実際にサンプルファイルを用意したので、試しながら記事を読むと理解が進むと思います。
まず、シートの A1セル に銘柄コードを入力します。
例:
7203 → トヨタ自動車
👉 A1セルを切り替えるだけで他の銘柄にも対応できます。
2. IMPORTDATAで財務データを取得
IMPORTDATA関数 は CSVやTSVをWebから直接読み込む関数 です。
書式:
=IMPORTDATA("URL")
IRBANKのデータは銘柄コードごとにCSVが用意されているので、A1セルを参照すればOK。
3. 使用例
貸借対照表(Balance Sheet, BS)
=IMPORTDATA("https://f.irbank.net/files/"&A1&"/fy-balance-sheet.csv")
👆の関数をA2セルに貼り付けると下図のように財務データが取得できます。
日付は見やすく「表示形式」から修正しましょう。
○ 損益計算書(Profit and Loss, PL)
=IMPORTDATA("https://f.irbank.net/files/"&A1&"/fy-profit-and-loss.csv")
同様に損益計算書も試してみましょう。
○ キャッシュフロー計算書(Cash Flow, CF)
=IMPORTDATA("https://f.irbank.net/files/"&A1&"/fy-cash-flow-statement.csv")
○ 配当金(Dividend)
=IMPORTDATA("https://f.irbank.net/files/"&A1&"/fy-stock-dividend.csv")
○ 全データ一括
=IMPORTDATA("https://f.irbank.net/files/"&A1&"/fy-data-all.csv")
4. 取り込んだデータから分かること
BS(貸借対照表) → 総資産、純資産、自己資本比率、BPS(安全性)
PL(損益計算書) → 売上高、営業利益、当期純利益、EPS(収益性)
CF(キャッシュフロー) → 営業CF、投資CF、財務CF、フリーCF(現金の流れ)
配当 → DPS、配当総額、配当性向(株主還元)
👉 この4つをそろえると「安全性・収益性・資金繰り・株主還元」が見えるようになります。
5. “倉庫データ”として使う
IMPORTDATAで取り込んだデータは 加工前の生データ。
見づらいままですが、それを「倉庫ファイル」として残すのがポイントです。
別途、分析用のファイルを用意してデータを加工しましょう。
倉庫ファイル:IRBANKから取ったままのCSV
分析用ファイル:倉庫を参照してグラフ化・利回り計算
👉 「生データは常に最新」「分析は自由に加工」という管理ができます。
6. IMPORTRANGEで分析シートに取り込む
IMPORTRANGE は 別のスプレッドシートからデータを参照する関数 です。
分析用のファイルを用意して以下の関数をA1セルに入力してみましょう。
書式:
=IMPORTRANGE("スプレッドシートのURL","シート名!範囲")"シート名!範囲"の例
※初回のみアクセス許可メッセージが表示されます。
「アクセスを許可」 を押すと、はじめてデータが読み込まれます。
👉 「倉庫ブック」と「分析ブック」を分けておけば、分析用のブックをコピー配布しても、大元の倉庫データを最新のまま参照できます。
7. サンプルシートを配布中
記事に合わせてサンプルシートも用意しました。
A1に証券コードを入力 → IRBANKから財務データを自動取得
・4つのIMPORTDATA関数は配置済み
・別ブックでIMPORTRANGEを試せます。
👉こちらから自由にコピーして編集してください
8. まとめ
IMPORTDATA → 外部から生データを倉庫へ
IMPORTRANGE → 倉庫から分析シートへ
証券コードを入れるだけで、財務三表+配当を自動取得
・「倉庫と分析を分ける」ことでデータ管理がスッキリする
・「加工前は倉庫に置く」──これがスプレッドシートを使った投資管理のコツです。