- 投稿日:2025/12/08
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はリチャード・スミッテン著『世紀の相場師ジェシー・リバモア』2001年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:リチャード・スミッテン
ニューヨーク州ブロンクス生まれ。化学会社のマーケティング部長、人材派遣会社の副社長などを務めたのち、執筆活動に入る。ノンフィクションから推理小説まで、幅広いジャンルの作品を発表している。昼間は執筆に専念し、夜は自ら経営するバーで支配人を務める。フロリダ州在住

ジェシー・リバモア:アメリカの投機家・相場師。空売りを得意とした。
1929年の世界大恐慌において、リバモアは暴落を予測し、一人勝ちをおさめた「伝説の相場師」として名を馳せた。
しかし、投資の勝利と人生の充実は別物である。
その後の彼は巨万の富と引き換えに人間関係や自己の安寧を失い、私生活の破綻と悲劇的な結末を迎えている。
本記事はそこが焦点ではないので、これぐらいにする。
あくまで情報提供を目的としたものであって、売買の推奨を目的としたものではない。ご注意を!
特に「空売り」は推奨しません!
余剰資金の適正な範囲で行いましょう!
値下がりが期待される自らが保有していない株を、株式を供給するブローカーから借りて売る。
その後、その株を市場で買い戻し、ブローカーに返せば取引は終了する。
差額が利益または損失となる。
空売りとは、安く買って高く売るという通常の株取引を逆手に取った手法である。
リチャード・スミッテン著『世紀の相場師ジェシー・リバモア』
空売り:株価がこれから下がると予想される際に、まだ手元にない株式を信用取引などを使って「借りて売り」から入り、その後、実際に株価が下がったところで「買い戻して」利益を得る投資手法。
大きな損失リスクや手数料といった取引コストがあるため、リターンを得るのが難しい。
長期投資と比べれば明らかにギャンブルである。
たまによくわからない個別株が特に良い情報もないのに10%以上急激に値上がりしたりするのは、空売りが可能で発行株数が少ない、すなわち時価総額が小さい、浮動株比率が低い銘柄だったりする。
「空売り」とは、どんな時でも儲けたい人間の知恵が生みだした産物である。
✅ 相場の最大の敵は自分自身である。
✅ 資金管理と防御を最優先せよ。
✅ 成功と人生の幸福は必ずしも一致しない。
一般の投資家というのは、数日前の相場と比べて安ければ安値だと勘違いしがちだった。
現実には、さらに値を下げていく可能性がいくらでもあるわけである。
リチャード・スミッテン著『世紀の相場師ジェシー・リバモア』
「投資で勝ち続ける秘訣はあるのか?」
「天才相場師の哲学は現代に通用するのか?」
今回は、破産と復活を繰り返した伝説の投資家ジェシー・リバモアの投資哲学を解説する。
リバモアが遺した投資哲学
⇒ 感情を抑制できる者だけが生き残る。
⇒ 市場は人間の欲と恐怖の鏡だ。
⇒ 資金管理こそ、最大のルール。
賢明なトレーダーは底値が確認されるまでじっと待つ、そして探りを入れた後に、本格的な「買い」に入る
リチャード・スミッテン著『世紀の相場師ジェシー・リバモア』
大型株が値を下げるとしばしば、買い得のように見えるが、その後反転することはほとんどなく、そのまま下がり続けるケースが多いと語る。
常にじゃんけんで勝てる者は、裏を返せば、常にじゃんけんで負けることができ、常に相手のしてほしいことを考えられる者は相手がしてほしくないことも簡単に想像できる。
つまり、「空売り」の思考を知っておくことはより現物株の保有や長期積立の材料に利用することができる。
「反転」した考えを知っておくことは悪いことではない。
ただ、一時の感情に流されて、「空売り」をしてはいけない。
知識を得るという行為は、自分から湧き出る知識欲も制御しなければならない。
リバモアの投資哲学は、単なるテクニックや相場観ではなく、投資家の「心構え」に重点を置いたものである。
・損失は早期に切って捨てる。
・一気に予定の額を投資するのではなく、事前に自分の判断が正しいことを確認する。
・取引を終了する妥当な理由が見当たらない場合、確保された利益を成り行き任せとする。
・主要銘柄を取引の中心とする。
ただし、銘柄は入れ替わるので注意すること。
・取引銘柄を限定する。
人が意識を集中させ、扱える銘柄数には限りがあるからである。
リチャード・スミッテン著『世紀の相場師ジェシー・リバモア』
重要なのは、世界一の投資家も投機家も根底に流れているものに大きな違いはなく、肉付けされる言葉や行動によって解釈される。
どちらを良い悪いではなく、両方の概念を知る。
これが一番面白いのだ。
だが、知ったからと言って実施するのはあまりにも早計である。
彼の数々の成功と破綻の経験から導かれた教訓は、現代においても色褪せない。
以下は、その核心をなす原則である。
❶タイミング
❷資金管理
❸感情の制御
これら3つを支配せよ。
1. トレンドに従う
波は逆らうものではなく、乗るものである。
一般投資家は、市場で起きたことはそのまま持続すると思いがちだ。
その”誤解”が「プール」のつけ目でもあった。
突如として”眠り”から覚め、値を上げた銘柄は、そのまま上昇を続けると彼らの目には映る。
リチャード・スミッテン著『世紀の相場師ジェシー・リバモア』
ここでいう「プール」は水泳用の水溜りではなく、水や物資を蓄えるように資金や人員を共同で出し合うことといった意味。
⇒ 相場の流れを信じ、大局に逆らわなかった。
リバモアは「市場の流れに逆らってはならない」と繰り返し述べている。
「人間の知性の邪魔をするのはつねに、人間の情緒であり情動である。」
株価はランダムに動くように見えても、大局的には明確なトレンドを形成する。
その流れに身を任せることこそが利益を伸ばす唯一の方法である。
別の言い方をすれば、「順張り」。
彼は上昇トレンドでは買いを、下降トレンドでは空売りを徹底した。
予想や希望ではなく、実際の値動きに基づいて行動する姿勢は今もなお通用する鉄則である。
2. 資金管理の重要性
❶金を失うな。❷金をすべて使いきるな。❸金に動かされるな。
金を失ってはならない。特に株取引の資金はトレーダーの命綱であることを肝に銘じること。
現金を持たない相場師は、在庫を持たない小売業と同じで、相場師としての命脈は保てない。
リチャード・スミッテン著『世紀の相場師ジェシー・リバモア』
⇒ 大敗を避け、資金を守り抜いた。
リバモアは「いかにして儲けるか」以上に「いかにして資金を守るか」を重視した。
「私は失うことを前提に考える。獲得することに夢中になるのではなく保護することを第一に考える。最も重要なルールは攻撃ではなく防御である。」
自己資金を失えば市場に居続けることができず、再起のチャンスすら失われるからである。彼は常にポジションサイズを調整し、損切りを徹底することで大敗を避けた。
資金を温存することが、次の好機を掴む条件になるという考え方は現代のリスク管理の原点である。
投資した資金の10%以上、損失を出してはいけない。
巨大な利益は「座して待つ」。
しばしば、休みを取り、相場から完全に離れる機会を持つ。
経営でも何でも、余剰資金や生活防衛資金があるからこそ、「賢明な判断」ができる。
どんな人間も、”貧すれば鈍するし、鈍すれば貧する”。
決して、例外はない。
この伝説の相場師も、最後は株式投機以外の情動に負けて、破滅している。
3. 群衆心理の逆を行く
市場に乗り込む決意をしたら、単純明快な戦略を立て、それをしっかり維持していくこと。
株式市場で実際の取引をおこなう前に、自らの心理的傾向に合った緻密な作戦を立てる。
相場師が最も警戒しなければならない相手は、自らの感情であり、心理である。
リチャード・スミッテン著『世紀の相場師ジェシー・リバモア』
⇒ 群衆の感情に流されず、逆を突いた。
市場は常に人間の感情によって揺れ動く。
「情報はすべて危険である。情報はあらゆる形態を装い、採用をもちかける。自分の知る世界に専念せよ。」 と語る。
恐怖と欲望が価格を過剰に押し上げ、あるいは押し下げる。
その中で投資家が勝ち残るためには、群衆と同じ方向に盲目的に従うのではなく、一歩引いて市場心理を観察する冷静さが必要である。
過ちを犯していると知りつつ、誤った道を行くことは愚かであるとも語る。
リバモアはパニック売りや過熱的な買いに流されず、むしろその逆の動きにチャンスを見出した。
もちろん、「市場」に方向性が見えないと思ったら、「待ち」を決め込む冷静さがあってこそである。

ベンジャミン・グレアム著『賢明なる投資家』
グレアムは株式市場を架空の人物「ミスター・マーケット」と表現する。
彼は非常に気分屋で、毎日あなたのところに来て「株を売りたい」「株を買いたい」と値段を提示してくる。
しかし、その価格は彼の気分次第で大きく変動する。
昨日は楽観的で高値をつけ、今日は悲観的で安値をつける。
この気分屋に振り回されると、あなたは高値で買い、安値で売るという最悪の結果になる。
重要なのは、価格を判断基準にしないことだ。
価値で判断しなければならない。
賢明な投機もあるのだが、残念なことに愚かと言わざるを得ない投機の仕方が往々にあるのだ。それは、 ①投資と勘違いした投機 ②娯楽としてではなく真剣に、しかも適切な知識も技術も持たずにする投機 ③リスクを許容できないほどの金額を賭けた投機――の3つである。
ベンジャミン・グレアム著『賢明なる投資家』
4. 自らのルールを守る
波を見すぎると、波に引き込まれる。
実際に金を賭けない限り、自らの判断を試すことはできない。
それ以外に自らの感情や心理をテストする方法はないからだ。
リチャード・スミッテン著『世紀の相場師ジェシー・リバモア』
⇒ 最大の敵は自分と悟り、規律を貫いた。
リバモアは「最大の敵は市場ではなく、自分自身だ」と語っている。
感情的な判断や衝動的な売買は必ず破滅を招く。
そこで彼は自らの売買ルールを厳格に設定し、決して例外を許さなかった。
損切りの水準やポジションの大きさ、エントリーの条件などを事前に決め、その規律を徹底した。
これは単なる技術論ではなく、自己管理の哲学である。
人生の転機となるような選択(恋愛、結婚、犯罪、情熱など)は、理性に導かれて人が動くことはめったにない。
”勢いとノリ”の恐ろしさと大切さをないがしろにしてはいけない。
5. 相場は繰り返す
株式投資・投機に新しいものは何もない。
ここで過去に起こったことは、これからもいく度となく繰り返されるだろう。
この繰り返しも、人間の本性が変わらないからだ。
リチャード・スミッテン著『世紀の相場師ジェシー・リバモア』
⇒ 歴史は繰り返すと信じ、常に備えた。
リバモアは歴史を通じて相場が繰り返すことを理解していた。
恐慌やバブルは形を変えながらも何度も現れる。
人間の本質的な心理が変わらない以上、相場もまた同じパターンを繰り返すのだ。
彼の洞察は、今日の金融市場にもそのまま当てはまる。
リーマンショックやコロナショックといった出来事も、リバモアが見た光景の現代版である。

浦上邦雄著『相場サイクルの見分け方』
金融政策、景気、投資家心理をつなぐサイクル(流れ)を理解すれば、無駄なリスクを避け、勝率を高めるヒントが得られる。
金利の変動により「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」が順番に訪れる。
この情報が正しいかどうかを判断するのは、投資家自身の情報分析力と責任に帰する。 この結論や判断が出るまでの工程をチェックするためには、ある程度の勉強は必要であろう。 そうでないと、「あなただけですよ」という一見、耳寄りな情報にひっかかり、痛手を受けることになりかねない。
浦上邦雄著『相場サイクルの見分け方』
まとめ
✅ 相場の最大の敵は自分自身である。
✅ 資金管理と防御を最優先せよ。
✅ 成功と人生の幸福は必ずしも一致しない。
知ることとは、為すことである
ソクラテス
⇒ 相場の最大の敵は自分自身である。
トレンドを重視し、資金管理を徹底し、群衆心理を逆手に取り、規律を守る。そして市場が繰り返すことを理解しよう。
経営者、投資家、投機家どのような立場であっても、たった1人の自分自身を説得するのが難しいと共通しているのは興味深い。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆
