• 投稿日:2025/09/06
  • 更新日:2025/10/01
イタマール・サイモンソン著『ウソはバレる』“ウソ”が通用しない時代に勝つ、新マーケティング思考とは?

イタマール・サイモンソン著『ウソはバレる』“ウソ”が通用しない時代に勝つ、新マーケティング思考とは?

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シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

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要約
『ウソはバレる』は、ブランドやロイヤルティに依存した旧来型マーケティングの終焉を告げる1冊。情報が簡単に手に入る現代では、消費者は“絶対価値”を基に合理的に購入を判断する。 本書では、ソーシャルメディア全盛期におけるマーケティング戦略の再構築法を、事例とともに提案している。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はイタマール・サイモンソン著『ウソはバレる』2016年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。

著者:イタマール・サイモンソン

lukgva9p0fel2sacu0ssigdsvr._SY600_.jpg出典:Amazonのプロフィール

スタンフォード大学ビジネススクールのセバスチャン・S・クレスゲ・マーケティング教授。消費者の意思決定に関する世界的な権威と評されていて、これまでに、消費者の選択、買い手の意思決定を動かす要因、マスカスタマイゼーションの限界など、マーケティングの中心的な概念について、新たな知見をもたらしてきた。その研究は数々の賞を受賞しているだけでなく、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなど、世界じゅうのメディアで取り上げられている。

スタンフォード大学では、マーケティング・マネジメント、批評的・分析的思考、企業向けマーケティング、テクノロジー・マーケティング分野のMBA課程や、消費者行動、消費者調査手法、意思決定分野の博士課程で教鞭をとってきた。また、マーケティングや意思決定分野の有名学術誌の9つの編集委員会にも名を連ねている。


顧客を説得することしか頭にない企業は、顧客の真のニーズを叶えようとする企業にやがて淘汰されるだろう

イタマール・サイモンソン著『ウソはバレる』


「SNSやレビューサイトの影響が強くなったけど、ブランドの力ってまだ有効なの?」

「昔ながらのマーケティング手法って、今でも使えるの?」

そんな疑問を持つすべてのマーケターに。


原著は2013年に発売されており、Absolute Value「絶対価値」である。

邦題のタイトル(ウソはバレる)だと多少意味合いがぼやけてしまっているし、マーケティングに関する本だとわかりづらいのが残念なところ。

Image_fx (5).jpg「店員の説明よりも、数百のレビューから購入するか決めるよ!」

オンラインで商品を買う事が多くなっている現在、仕様などをすぐに手のひらの端末で調べて、比べる事ができるようになった。

お手軽に「善良な市民の声」をいくつも手に入れることができる。

個人的な尺度の方がより共感しやすく、都合よく使いやすい。

価格ドットコムで最安値を調べるのも簡単だ。

絶対価値とは、ある製品についての何か普遍的な真実、という意味ではなく、特定の消費者が体験する製品の実際の質という意味だ。
つまり、製品を実際に体験する前に、「たぶん使い心地はこんな感じだろう」とわかってしまうのが今の時代なのだ。

イタマール・サイモンソン著『ウソはバレる』


00000.png✅ 今の消費者は“だませない”

✅ ブランド神話は終わった?

✅ 鍵は「他者の声(O)」をどう扱うか


ウソはバレる「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング

Image_fx (1).jpg今や買い物はギャンブルではない。

隣の専門家よりも、「姿なき数多の声」に耳を傾けよ。

それで何となく、賢く選べた気になる。

ただし、時間があるなら両方の意見は聞いておきたい。

ひと言でいうなら、絶対評価を用いれば真実に近づける、ということなのだが、「真実」という言葉はここではちょっと強すぎる。
製品に期待できる内容がわかる、と言ったほうがいいだろう。

イタマール・サイモンソン著『ウソはバレる』

ブランド神話は終わった?

0.png⇒ SNS時代ではブランド力だけでは勝てない。

⇒ 顧客は“絆”ではなく“合理性”で選ぶ。

レビューや評価を即座に確認できる時代。

マーケターが考える“長期的関係性”は、もはや通用しない。

ブランドだけでは、消費者に与える影響力は激減している。

Absolute Value「絶対価値」の反対ともいえる相対的価値ブランディング、ロイヤルティ、ポジショニング)といった今までのテクニックだけでは通用しなくなってきた。

顧客ロイヤルティのマネジメント』でライクヘルドが提唱した顧客ロイヤルティの考え方が拡がったことで、マーケターは顧客との長期的な関係を構築しようと努力してきたが、状況は変わった。

つまり、大手3社キャリアじゃなくても、より安くていいサービスがあれば、お客様とは固く誓い合った関係だと思っていても、消費者は簡単に切り換えるということである。

多くの消費者は「ブランドに忠誠を誓った覚えはない」からだ。

【体験談】日本通信simの1GB【290円】1年間使用した話。


評価軸は「絶対価値」に移行した

⇒ 消費者は製品の本質を事前に見抜く。

「たぶん使い心地はこんな感じ」と判断できるほど情報環境が整っており、相対評価(ブランディング等)は効果を失っている。

0000.pngダウンロード.jpg台湾で無名の受託製造業だったASUS(エイスース)が成長した理由である。

性能とスペックにこだわり、他メーカーに比べて安価だったので、ネットで高評価を獲得し、多くの人がASUS製品を買った。

結果、2012年のパソコン出荷台数は世界5位となった。

参考外部サイト:デスクトップ&ノートPCの出荷台数の多いメーカー全世界ランキングトップ5

合理的に考えるようになった消費者は騙せなくなってきた。

マーケターがよく使う手法に、おとり効果があったが、ネット時代では効果を失っている。

ただし、これは既に出回っているパソコンだったから。

新商品(電気自動車など)の場合は「キャズム」という大きな谷を越える必要がある。

後発のメーカーでも、戦略次第でシェアを奪える時代になったともいえる。

00.pngおとり効果(デコイ効果)とは、マーケティングや意思決定の場面で、ある選択肢をより魅力的に見せるために、あえて劣る選択肢(おとり)を提示する心理現象のこと

レストランで800円コースと1200円コースがある場合、多くの人は800円コースを選ぶ。

しかし、2000円コースを投入すると、1200円コースが選ばれるようになる。

松,竹,梅やS,M,Lの商品が用意されているのは、限られた場所だからこそ発揮する。

その選択肢の中でお得と感じる商品に誘導できるのだ。


消費者の意思決定は「POM」で動く

アップルや一部の有名ブランドは(現時点では)ある程度Oから守られているものの、ほとんどのブランドにはそんな特権はない。
新製品の発売のたびに、Oの審判に合格しなければならないのだ。

イタマール・サイモンソン著『ウソはバレる』

0.pngある人の購入判断は、関連しあう次の3つの情報源の組み合わせによって決まる。

Prior(P):その人が前々(Prior)から持つ嗜好、信念、経験

Other(O):他者、つまりほか(other)の人々や情報サービス

Marketer(M):マーケターや広告の呼びかけ

この3つの影響源のうち、Oの比重が極めて高まっている。

特に高額商品・人前で使う商品ほどOに依存している傾向が見られた。

ある意味、(非常に)強力なブランドとは、顧客から与えられる高い与信枠みたいなもの。抜群の実績を安定して残しつづけることで、顧客がほかの情報源をチェックするまでもないと感じるほどの高い信頼を築ける場合もあるのだ。

イタマール・サイモンソン著『ウソはバレる』

0000.pngあくまで私個人のイメージ。

スクリーンショット 2025-06-25 224534.png※O(他者評価)に依存しやすい条件

❶意思決定の重要性:高額商品(車やパソコン)
日用品は手間をかけないので、個人が使い慣れた商品を選びがち。

❷質の情報はどの程度重要?:製品の機能や品質に違いが大きい。

❸リスクと不確実性:「製品に問題がある」などのリスクがある。

❹カテゴリーの変化スピード:ガジェットのように常に最新型が出る。

❺人前で使う商品?:車やスマホは皆の前で使う。

0.png⇒ 他者の声(O)が決定打になる時代。

⇒ あなたが扱う商品が「O」に依存するか否かで、マーケティングの打ち手は変わる。

「O」に依存するなら広告に頼らない手法を。

PもOも重要でない場合に、はじめてマーケター(M)が影響力をもつ。

ブログでアフィリエイトを考えるなら、O比率が高く単価が高いものを選ぶといい感じ。


ソーシャルメディアは“説得の場”ではない

0000.pngunnamed.png「消しゴムマジックで消してやるのスァ↑」

一時期よく流れていたGoogle pixelのCMだ。

商品のスペックなどは一切触れず、スポーツ選手や有名人がただその機能とGoogle pixelを使っているというだけのCM構成である。

今では、合成機能が簡単にできます的なCMをやってる。

参考動画:Google Pixel 8 Pro : 編集マジック篇

https://www.youtube.com/watch?v=bphs-ZIQXko


この広告の目的はブランド名の植えつけでなく、ユーザーに機能そのものに関心をもってもらって、検索してもらう、使ってもらうことが狙いである。

広告やPRは「認知」よりも「関心」を引き出すことが重要になった。

ユーザーに検索させたら勝ちなのである。

0.png⇒ SNSは「関心を呼び起こす」場と捉える。

⇒ これが「O」に依存する商品の戦略である。

『パーミッション・マーケティング』が語るようなスパムではいけない。

売りたいという気持ちがなさすぎるのは、大きく時間がかかるが、あまりにも見せすぎるのは、スパムメールと大差がない。

4d159162c85081736f8e3486848b1249.pngお役立ち情報のように。相手から近づいてもらう必要があるのだ。


まとめ

リベシティ用サムネ.png✅ 今の消費者は“だませない”

✅ ブランド神話は終わった?

✅ 鍵は「他者の声(O)」をどう扱うか

しかし現実的には、こうした高い与信枠を得られるのはほんのひと握りのブランドだけであり、たとえ獲得したとしても一瞬で失ってしまう危険もある。

イタマール・サイモンソン著『ウソはバレる』


⇒ 顧客は“見抜く力”を持ち、ロイヤルティに縛られない。

マーケティング手法は、マーケターがマーケティングをする際に役立つ程度にしか商品の役に立たないのかもしれない。


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

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