- 投稿日:2025/10/21
「透析」という言葉を聞いたことがありますか?
腎臓の機能が低下し、体の中の老廃物や余分な水分を取り除くために、機械の助けが必要になる治療です。
透析には大きく2種類があります。
病院で行う「血液透析」と自宅で自分や家族の手で行う「腹膜透析」。
私はこれまでの看護師人生の中で、そのどちらの現場にも携わってきました。
そこで見えてきたのは…
”守れたはずの腎臓を失ってから気づく人が多すぎる”という現実でした。
🩺腎臓は「沈黙の臓器」
腎臓はとても我慢強い臓器です。
少しずつ機能が落ちていても、ほとんど自覚症状がありません。
むくみや疲れ、食欲不振などが出る頃には、すでにかなりの進行していることが多いのです。
そして、一旦壊れてしまった腎臓は、二度と元には戻らないんです。
だからこそ、
「何も症状のない今」のうちに守ることが一番大切な健康投資だと私は思っています。
💨”生活習慣病”が静かに腎臓を追い詰める
透析になる原因の多くは、
糖尿病・高血圧・慢性腎炎などの生活習慣病です。
・コンビニ食や外食が続く
・水分をあまり摂らない
・塩分の多い食事が好き
・甘いものばかり食べる
・運動不足
・忙しくて定期検診を後回しにしてしまう
こうした小さな積み重ねが、じわじわと腎臓に負担をかけていきます。
でも多くの人は、
「自分はまだ大丈夫」と思ってしまう。
実際、透析導入になる患者さんの中には、”前兆の段階で止められたはずの人”が少なくありません。
🌿もう少し早く検査をしていれば…。
ある患者さんがこう言いました。
「あの時、健診で”腎臓の値が悪い”って言われたけど、忙しくて病院にいかなかったんです。まさか、透析になるなんて思わなかった。生活が変わってしまった。」
そう話す目の奥は、
”もっと早く気付けたら”という後悔が見えました。
でもその方は、透析を受けながらも前を向き、「今ある命を大切にしたい。」と笑顔で話してくれました。とても印象に残っています。
私はその姿に、”今を生きる力強さ”と”予防の大切さ”を同時に教えられたのです。
💫腎臓を守る=未来の自分を守る
腎臓の健康は、単なる”臓器の話”ではありません。
働く時間、家族との時間、やりたい事に使える時間…
その全てが、腎臓の健康とつながっています。
つまり、
腎臓は「人生の時間を支える健康資産」
・水分を意識して摂る
・塩分を控える
・定期的に血液検査を受ける(職員健診でもOK)
・体のサイン(むくみ・尿の変化→尿量の減少・色の濃さなど)を見逃さない
どれも小さなことですが、”未来の自分への投資”になると私は思います。
💬看護師として伝えたいこと
私はこれまで、
「透析になってから」患者さんと出会うことが多かったです。
でも本当は「透析になる前に」「透析にならないため」に出会いたかった。
医療の現場では、命をつなぐことが最優先です。
でも、これからの時代に本当に大切なのは
「命を守る前に、健康を守る意識」だと思います。
🌿まとめ:健康資産を失う前にできること…
健康は失って初めて価値に気づく資産。
腎臓もそのひとつです。
だからこそ、「大丈夫」と思える今が、守るチャンス。
一滴の水を大切にするように、、自分の身体にも優しく向き合って欲しい。
腎臓を守ることは、未来の自分を守ること。
今日の小さな選択が、明日のあなたを支えます。