• 投稿日:2025/10/26
  • 更新日:2025/10/26
現役救急救命士が解説!「救急車が有料化」のウソとホント

現役救急救命士が解説!「救急車が有料化」のウソとホント

パパK@漫画で広がる交流スペース作り📚

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要約
救急車有料化の真相を徹底解説! 実際に費用が発生するケースと、その背景となる医療制度のの変化をわかりやすく紹介します。

「救急車が有料化」は本当?

3B0BE75F-614B-45C0-B3E9-A73367055227.png最近、SNSやネット記事で「救急車が有料化されるらしい」「救急搬送でもお金を請求された」という話を見かけたことはありませんか?  

「いざという時に呼びにくくなる」「料金を気にして救急をためらうことになったらどうしよう…」と不安になる人も多いでしょう。  

しかし、ちょっと待ってください。実はこの「有料化」という言葉には大きな誤解が混じっています。 


有料に見える理由は“別の制度”にあった

90681F1D-0CA5-4426-8485-BEF2CF56F984.png私も「救急車呼んで有料だったら怖い…」という市民の声を何度も聞きました。 

「本当に請求されるの?」「誰が対象なの?」と、混乱を招いていたようです。

その中で、私自身も「有料化って本当?」と調べた結果、「実は別の制度が関係していた」という事実に気づきました。 

あなたが「救急車を呼ぶ・呼ばない」で迷ったことがあるなら、この記事はあなたのためです。  


「救急車が有料化」誤解の正体は?

CB7C4D22-4FF3-4318-BD6E-62C3C7DF490F.pngそれでは、誤解を整理しながら、正しい情報をお伝えします。  


「救急車の有料化」はウソ!  

現在の日本では、救急車を呼ぶこと自体に料金がかかるわけではありません。  

つまり真っ赤なウソ!

ただし、搬送された先の病院で別途「料金」が発生する場合があります。  

それが次に紹介する「選定療養費」です。  


軽症搬送に課される費用、その背景とは

「救急搬送されたのに請求がきた」という報告の多くは、実際には“救急車代”ではなく、病院での初診費用などに加えて請求される制度、つまり“選定療養費”が関係しています。  

このため「救急車有料化」と誤解されやすいのです。  

👉知らないと損をする「選定療養費」とは?


実際の運用事例から見る“新しい流れ”

簡単に言うと、次のような制度です:  

🏥特定の大病院(一般病床200床以上など)が「紹介状なし」で受診された際、通常の保険診療費に加えて徴収できる制度。  

[厚生労働省]

(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000098761.pdf?utm_source=chatgpt.com) 

🏥最近、これが「救急搬送された」場合にも適用されるようになってきています。

例えば、茨城県では「救急車要請時に緊急性が認められない場合」に選定療養費を徴収する運用を発表しています。

  [city.ryugasaki.ibaraki.jp](https://www.city.ryugasaki.ibaraki.jp/fukushi/kenko/oshirase/senteiryouyouhi.html?utm_source=chatgpt.com) 

🏥三重県の松阪市でも、令和6年6月1日から「救急搬送で入院に至らなかった軽症者」に対し、一件あたり7,700円の選定療養費を徴収すると公表されています。

  [city.matsusaka.mie.jp](https://www.city.matsusaka.mie.jp/soshiki/24/sennteiryouyouhi.html?utm_source=chatgpt.com)  


救急搬送でもお金を取るのはなぜ?  

なぜこのような制度が出てきたのでしょうか?

背景の事情はこうです。

1️⃣救急車・大病院へ搬送される件数が年々増加し、特に「軽症」「緊急性が低い」のに搬送されるケースも多くなっています。

  [茨城県公式サイト](https://www.pref.ibaraki.jp/bugai/koho/hodo/press/19press/p240726.html?utm_source=chatgpt.com)  

2️⃣その結果、本当に救急医療を必要とする患者への対応が遅れたり、病院の救急体制・医師の勤務時間などがひっ迫してきています。 

3️⃣そこで「まず地域の診療所・かかりつけ医で対応できるならそちらを利用してください」「大病院・救急車を使うべきかどうか慎重に対応してください」という制度の歯止めとして、救急搬送後でも「緊急性なし」と判断された場合に選定療養費を請求する動きが出ています。 

4️⃣これにより「軽症で救急車呼んだ」「紹介なしで大病院行った」という“過剰利用”傾向を抑え、救急医療を本当に必要とする人に確保する狙いがあります。 


どうなる?日本の救急車  

実際に、茨城県や松阪市では既に導入・検討段階に入っており、全国に広がる可能性があります。  

制度が広がれば、次のような変化が予想されます

🚑 救急車を呼ぶ/呼ばないを判断する際、以前より慎重になる人が増える。 

🚑 「自分は軽症だから…」「病院行くだけだから…」と救急搬送を避ける傾向が出る可能性も。

🚑 地域の診療体制・かかりつけ医の重要性がさらに増していく。

🚑 救急医療の受け皿を守るため、制度設計・情報提供・相談窓口の充実が一層求められる。


真実を知ることで変わる“判断力”

EE348125-68ED-4E07-B057-F6A9B955E672.png単に「有料化された」という噂ではなく、実は「選定療養費を救急搬送時にも適用する動き」が出てきているということが見えてきます。  

正しい知識を持つことで、  

✅ 本当に呼ぶべきかどうか

✅ どこに相談すればいいか

✅ 自分・家族の選択肢をどう持つか

という判断が変わります。  

知っておくだけで「いざという時」に焦らず行動できるようになります。  


こんな方に知ってほしい

D2BF4D3C-8BE0-4F86-A702-341C1B996952.pngこの記事は、特に以下のような方におすすめです

🧓救急車の呼び方・料金システムに不安・疑問を持っている方  

🧑🏻‍🦳家族や高齢者の医療・緊急時対応を考えている方  

👨地域の医療制度・制度改変に関心がある方  

👩‍🦰「正しい学び」の場として、制度の裏側を知りたいと考えている方  


今からできる3つの行動

2F3F1411-68FA-4F2A-8F44-1922723A38EA.png今からできる小さな一歩として、次の3つを実践してみてください: 

1. 家族やご両親と「救急車を呼ぶかどうか」の判断基準を一緒に確認してみましょう。  

2. お住まいの自治体や近所の大病院・救急外来が「選定療養費を搬送時にも適用しているか」を調べてみましょう

[茨城県公式サイト](https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/iryo/iryo/isei/sentei_ryoyohi.html?utm_source=chatgpt.com)  

3. もし「軽症かな?」と迷った場合には、まずは「#7119 救急安心センター」など相談窓口に電話してみる習慣を持ちましょう。  


リベで正しく学ぼう

日本の救急医療は、いくつかの観点で逼迫しています。  

この逼迫を解消するために、利用者からの負担を含めた制度改変の流れが生まれています。  

本当のことを知ると、見える世界が変わります。  

リベシティは、正しい学びの場。  

正しく学び、豊かな人生を目指しましょう。  


以上、パパKでした🫡

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この記事のレビュー(1
  • 会員ID:eipbJmYh
    会員ID:eipbJmYh
    2025/10/27

    病院で勤務してた時、患者さんやご家族から「救急車ってお金かかるの?」と聞かれたことがありました。 この記事のように、制度の背景と誤解のポイントを分かりやすく整理してくれる情報は本当に貴重です。 医療者・一般の方双方にとって“安心して救急を呼べる社会”づくりの第一歩になる内容だと感じました🚑✨

    パパK@漫画で広がる交流スペース作り📚

    投稿者

    2025/10/28

    心のこもったコメント、ありがとうございます! 現場で実際に「救急車ってお金かかるの?」という質問を受けていたというお話、 まさに"リアルな現場"の声で、胸に響きました。 医療に携わる方から共感いただけるのは本当に嬉しいです。 制度や仕組みを知ることで、 「安心して救急を呼べる社会」に一歩近づける その想いを共有していただけて、感謝の気持ちでいっぱいです🚑✨

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