- 投稿日:2025/11/03
- 更新日:2025/11/03
こんにちは。元大手大学受験予備校職員の”たけいし”といいます!
私はこれまで大学受験予備校で多くの受験生、保護者と関わってきました。
受験期になると、「できるだけ多くの時間を割いて、子どものサポートをしてあげたい」と思う親は多いものです。
志望校の話し合い、出願の準備、受験当日の宿泊先の手配——。やることは山ほどあります。
けれど、現実は仕事が忙しく、思うように時間が取れない。
「サポートしたいのに、できていない気がする」と罪悪感を抱いている方も少なくありません。
予備校で面談をしていると、「他の家庭はどうしているのか」「自分は関われていないのでは」と悩む保護者の声をよく聞きます。
しかし実際には、忙しくても上手に支えている家庭はたくさんあります。
そのポイントは、“時間”ではなく、“仕組み”にあります。
■ 時間よりも「仕組み」で支える家庭はうまくいく
仕事や家事で忙しくても上手くいく家庭では、「どのように関わるか」をデザインしていることが共通しています。
「時間がない」ことを前提に、サポートの方法を工夫しているのです。
ここでは、実際に見聞きした3つの実例を紹介します。
●ケース①:「共有アプリ」で情報を一元管理
Aさんの家庭では、親子でGoogleスプレッドシートを共有。
受験日程、出願締切、模試の結果などを一つの表にまとめ、
夜に親が確認できるようにしていました。
これによって「この前言ったでしょ」「それ聞いてないよ」といった行き違いが減り、お互いのストレスが大幅に減少。
親が口出しするより、“見守りながら共有する”スタイルが自然にできていました。
●ケース②:「1日10分の会話」で親も安心、子も整理
Bさんの家庭では、夜10分だけ親子で話す時間を決めています。
「今日の勉強どうだった?」「何か手伝ってほしいことある?」
この短いやり取りだけで十分。
長時間話すより、“短くても毎日続ける”方が信頼関係は深まるとBさんの親御さんは言います。
子どもも「親が聞いてくれる」と思えるだけで、安心して自分の計画を進められるようになりました。
●ケース③:「休日まとめ作業」で平日の負担をゼロに
平日は仕事で身動きが取れないCさん家庭は、週末に受験準備を一気に進めています。
・宿泊先の候補をキャンセル無料で複数押さえておく
・出願日程を一覧にまとめて冷蔵庫に貼る
・併願校の資料をファイルに整理しておく
この“休日まとめ作業”によって、平日は「確認するだけ」で済む仕組みを構築。
「時間がないからこそ、先に動けるところは先にやる」という割り切りが、結果的に大きな安心につながりました。
■ 忙しい親が意識したい3つのサポート軸
ここまでの事例から見えてくるのは、
「完璧に関わること」よりも「継続的に支える仕組み」が大切だということです。
特に次の3つを意識すると、サポートがぐっとスムーズになります。
①【情報】共有できる“見える化ツール”を使う
紙のメモや口頭伝達だけでは、情報がすぐ抜け落ちます。
Googleカレンダーやスプレッドシート、LINEノートなど、更新がすぐ反映されるツールでスケジュールを共有しましょう。
「親も子も同じ画面を見ている」という安心感は、想像以上に大きいです。
②【精神面】「応援の空気」を日常に混ぜ込む
忙しいと「ちゃんとやってる?」「勉強したの?」「模試の判定は?」など結果を促す言葉が増えがちです。
でも受験期の子どもにとって、何よりの支えは「見守ってくれている」という空気です。
「今日も遅くまで頑張ってるね」
「体調大丈夫?無理しすぎないでね」
そんな一言が、子どもの背中を静かに支えます。
③【環境】家庭の“集中できるスペース”を整える
忙しい中でもできる環境面のサポートもあります。
・リビングの一角に資料置き場をつくる
・夜食や水分をすぐ取れるようにしておく
・受験関係の書類をまとめたファイルを常備する
ちょっとした工夫が、子どもの「やる気」を支える土台になります。
■ 忙しくても伝えられる“安心感”
子どもが本当に求めているのは「一緒にいる時間」よりも、
“親が見守ってくれている”という安心感です。
仕事で帰りが遅くなっても、
「今日もお疲れさま。無理せずにね。」
「週末に出願の確認、一緒にしようか。」
こんな声かけで、子どもは「支えてくれている/自分のことも考えてくれている」と感じます。
■ まとめ:サポートの“量”より“仕組み”を大切に
受験期の親のサポートは、どれだけ時間をかけたかではなく、
どう継続できる形をつくったかで決まります。
仕事が忙しくても、子どもに寄り添うことは十分にできます。
日々の中に「共有」「声かけ」「環境づくり」を少しずつ仕込むだけで、
子どもは安心して受験に集中できるようになります。
親のサポートは完璧である必要はありません。
むしろ「無理のない継続」が、子どもにとっていちばんの支えになるのです。
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