- 投稿日:2025/11/09
はじめに
PCやスマホ、タブレットなど、モバイルバッテリーを使う機会はどんどん増えています。しかし、その便利さの一方で、「発熱」「膨張」「発火」などの事故も少なくありません。
この記事では、今日からできる安全対策を解説します。
安全に使うためのチェックリスト
・PSEマークのある信頼できるメーカーを選ぶ
・高温、低温を避け、直射日光の当たらない場所に保管する
・落下などの強い衝撃を与えた製品は使用しない
・付属またはメーカー推奨のケーブルを使用する
・半年に一度は充放電して状態を確認し、2〜3年を目安に交換を検討する
・廃棄は一般ゴミではなく、リサイクル回収ボックスまたはメーカー回収制度を利用する
安全に使うためのポイント
✅信頼できるメーカーを選ぶ
現在のモバイルバッテリーは、ほとんどがリチウムイオン電池を用いています。リチウムイオン電池は軽くて高性能な反面、非常に繊細で品質管理が難しい電池です。内部では化学反応によって大量のエネルギーを蓄えており、わずかな製造不良や破損、過熱でも発火や膨張につながる可能性があります。
モバイルバッテリーを選ぶときは、まず「PSEマーク」が付いているかを確認しましょう。このマークがあれば電気用品安全法に適合した製品です。
日本国内ではPSEマークがないと販売できませんが、Amazonなどの通販サイトでは、無名のメーカーや極端に安価な製品でPSEマークがない場合があります。こうした製品は安全性や信頼性に欠けるため、絶対に購入しないようにしてください。
また、偽のPSEマークが出回っていることもあるため、有名で信頼できるメーカーを選びましょう。
信頼できるメーカーの例
・Anker
・CIO
・UGREEN
・ELECOM
上記のようなメーカーでも近年リコール事例が報告されています。しかしこれは、問題が起きた際に迅速に原因を公表し、交換・回収を実施できる体制が整っている証拠でもあります。むしろ、こうした透明性の高い対応ができるメーカーこそ、長期的に見て信頼に値します。
🌡️高温・低温環境に弱い
リチウムイオン電池は温度変化に非常に敏感です。特に未使用時の推奨保管温度は意外と低く、メーカーにもよりますが最大40℃、推奨25℃程度とされています。
炎天下の車内や、室内でも直射日光の下での放置は発火の原因となり非常に危険です。
また、冬場の0℃以下の低温環境も劣化の原因となるため、低温環境での保管は避けましょう。
充電時の発熱にも注意が必要です。ワイヤレス充電は有線充電に比べてエネルギーロスが大きい(=より発熱しやすい)ため、真夏など高温環境下では有線充電を検討してください。
💥 衝撃・水濡れに注意
リチウムイオン電池は内部構造が繊細で、落下や強い衝撃で内部が破損することがあります。
これが発火や膨張につながる場合もあります。モバイルバッテリーは持ち運ぶことが多いため、落下や衝撃、水濡れのリスクがあります。特に衝撃による内部破損は外観から判断しづらいため、落下など強い衝撃を受けたモバイルバッテリーの使用は控えましょう。
🔌 ケーブルにも注意
意外と見落としがちですが、ケーブルの不良による発火事故も報告されています。
USB-Cケーブルには「eMarker」という、安全かつ最適な電力を供給するためのチップが内蔵されていますが、中にはeMarkerがないケーブルもあります。
eMarkerがないと過充電の原因になり、最悪発火につながります。
外観ではeMarkerの有無はわからないので、メーカー推奨のケーブルや、購入したモバイルバッテリーに付属しているケーブルを使用しましょう。
🪫未使用の期間が長いと劣化します
リチウムイオン電池は自然放電します。長期間未使用のまま放置すると、過放電によって劣化が進み、膨張のリスクが高まります。
半年に一度は充放電・点検を行いましょう。
また、充放電のサイクル回数が規定値を上回ると著しく劣化します。(スマートフォンと同じです)
サイクル回数を超えた製品は使用しないようにしてください。サイクル回数は製品によって異なりますが、概ね300〜500回程度、期間の目安としては2〜3年が寿命です。
🚯処分方法
リチウムイオン電池を含む製品は、一般ゴミでは出せません。家電量販店や自治体の「小型家電リサイクル回収ボックス」を利用しましょう。
バッテリー単体の場合は、端子をテープで絶縁してから持ち込むと安全です。適切にリサイクルすることで、資源の有効活用にもつながります。
メーカーの回収制度を利用するのも良い方法です。
CIOはモバイルバテリーの回収サービスを行なっており、利用することで割引クーポンがもらえます。
他社製のモバイルバッテリーも回収してくれるので、処分するときは検討してみてください。
以下にリンクを貼っておきます。
ただし、膨張したモバイルバッテリーは回収してもらえませんので注意してください。
まとめ
モバイルバッテリーは、非常に便利なツールですが、「便利さの裏にある弱点」を理解し、正しく使うことが大切です。
もし発火などの事故が起これば、スマホやPCの故障、場合によっては家屋の焼損といった金銭的な損失に加え、最悪の場合は命に関わる危険もあります。
少しの注意を意識するだけで、機器の寿命も安全性もぐっと高まります。
今お使いのモバイルバッテリーも、この機会に状態や使い方を見直してみてください。