- 投稿日:2025/11/10
はじめに
片頭痛は日本人の成人の約8%が罹患している病気で、特に女性での罹患率が高い病気です。片頭痛患者さんの約7割が日常生活に支障をきたすほどの頭痛に悩まされており、患者さんの生活の質の低下だけでなく、頭痛による生産性低下による効率の低下という社会的な問題もあります。
これまでにトリプタン製剤を中心とした治療薬やいくつかの予防薬が使われてきましたが、その効果は不十分なのが現状でした。
近年CGRP受容体という片頭痛の原因となる受容体を阻害する注射製剤が開発され、何割の患者さんは劇的な症状の改善が得られるようになってきましたが、注射製剤である点が課題でした。学長のように注射の痛みに弱い患者さんには使えませんでした。
2025年9月に承認された内服できる新たな薬剤について本記事では紹介します。
これまでのCGRP受容体拮抗薬について
片頭痛について過去に記事にしていますが、簡単に説明します。
抗 CGRP受容体抗体 は、「CGRP」という片頭痛の原因となる物質やその受容体(原因物質がくっつくところ)の働きを拮抗する薬です。CGRPは、頭の血管を広げたり、神経の炎症を起こしたりして片頭痛を引き起こします。
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