- 投稿日:2025/11/18
【注意事項】
・本記事に使用しているのは「S&P500インデックス」に関するデータです。
・あくまで「過去の結果」によるシミュレーションなので、将来同じような結果になるとは限りません😅
(S&P500が今後も右肩上がりで、20年後「今より株価が高くなっている」前提です)
✅結論
① 積立投資はリスク分散ではなく「後半にリスクが集中する構造」
投資額は年を追うごとに増えていきます。そのため、10年目の値動きは1年目の 10倍のインパクト を持ちます (「積立期間」における資産下落(額)は低減できるが、その分機会損失も同じだけ発生する)
② 一括投資は“ほぼすべての開始時期で”リターンが上
「一括投資 VS 積立投資」では97%以上の確率で一括投資のほうがリターンが高くなり、平均的に2倍くらいリターン差になります。
(S&P500を20年間、同額投資した場合)
③ただし、積立投資は「投資を継続する」ことに寄与し、投資の成功率を高める「意義」があります。
✅積立投資と一括投資の違い
・資金を一度に全部投資する方法を「一括投資」
分散して少しずつ投資する方法を「積立投資」(分割投資)と言います🖐️

・一般的に「一括投資」は値動きが大きく、「積立投資」は長期で安定したリターンが得られるというイメージだと思います🖐️
一般的には「リスクを抑えるための積立」というイメージが強いですが、実際のリスク構造は逆になります。
✅積立投資の実際のリスク構造
例として「毎年100万円を10年間、合計1000万円投資する」ケースを考えます。
1年目:100万円に対するリスク
2年目:200万円に対するリスク
……
10年目:1000万円に対するリスク
つまり、積立は “後半の結果” が全体の成績をほぼ決める 投資方法です。
たとえば:
1年目に+100% → 100万円 → 200万円(+100万円)
10年目に▲50% → 1000万円 → 500万円(▲500万円)
1年目にどれだけ良くても、後半の悪い結果のほうが圧倒的な影響力を持つ構造です。
これが積立投資の「後半リスク集中」の正体です。
(一括投資は10年間のリターン全体に均等にリスクを取っています)
✅ 10年リターン検証
▼ケース①
「1年目に+150%」、「2~9年目は0%」、「10年目に▲50%」の(積立にとって)最悪のケースを想定します。
結果は「年平均10%」のリターンの10年であっても1000万円⇒575万円(▲425万円)になります😱
(一括投資は1,000万円⇒1,700万円(+700万円))
ーーーー
▼ケース②
「1年目に▲50%」、「2~9年目は0%」、「10年目に+150%」の(積立にとって)最高のケースを想定します。
結果は同じく「年平均+10%」でも1000万円⇒2,375万円(+1,375万円)になります😆
(一括投資は1,000万円⇒3,500万円(+2,500万円))
ーーーー
・下記で様々なケースを検証してみました。(全て「年平均リターン10%」で出現する年度が違うだけ)
一括VS積立比較2025-11-14
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1hYjgJc16svn08jVskRf7WBpw6NSHqg7jKtAb0z8Z5GA/edit?usp=sharing
やはり、積立投資は「投資後半の年のリターンに大きく影響される結果」となっています。
▼重要ポイント
同じ「年平均+10%」でも、積立は “どの年にどんなリターンが来るか” により
最終結果が ▲40%〜+140% と大きくぶれます😓
(投資全体として「積立すること」が「リスク低減」になっていない)
✅一括 VS 積立のシミュレーション
🔶実データ検証(1970〜2025年)※S&P500のデータが詳細に取れる期間
1970年1月開始→20年後
1970年2月開始→20年後
……と、開始を1カ月ずつずらして55年分を検証。
■結果
「約99%の開始時期で一括投資が積立を上回る」 と判明しました。
平均値・中央値ともに 一括のほうが高いリターン でした。(ほぼ倍くらい)
(一括=20年で5倍くらい / 積立=20年で2.5倍くらい)
長期右肩上がりの資産では、一括のほうが有利になるのが“数学的に自然”です🤗

🔶モンテカルロシミュレーション
・「S&P500の値動きをするデータ」を1871年~2025年(154年)の値動きを元に
10万回無作為に繰り返してシミュレーションしてみました。
(過去の値動きは、この「10万回のうちの1回」なので、将来どう動くかの予測では
このモンテカルロシミュレーションのほうが精度が高くなります)
■結果
少し数字はズレますが「一括投資が圧倒的有利」であることに変わりはありません😉
チャットGPTによる検証
https://chatgpt.com/share/69170b57-b838-8009-b414-74b33920aac7
✅なぜこのような結果になるか?
・S&P500が右肩上がりの資産であり、早く・多く現金を株に変えることにより「早く・多く」そのリターンを得られるからです。
実は積立投資も「その1回1回は一括投資」で、その1回の投資時期から20年を迎える頃には同じリターンを得られることになります🤗
(例)
先ほどの20年間のシミュレーションで「20年目に投資した資金」はまだ1年しかS&P500のリターンを受け取っていません。
更に19年後には同様なリターンが得られるはずです😉
一括投資は(投資開始が早いので)「リターンを得るタイミングが早い」ということになります。
ーーー
積立投資が「一括投資のリターンの半分」になるのは、リターンを得られる「資金×時間」の面積が半分だからです。(極自然な結果)
※リターンは複利効果によって更に差が開きます。
✅積立投資の「意義」
・リターンに劣る「積立投資」が不要かというと、そうではなく
投資で一番大事な要件である「続ける事」に大きく役立ちます🤗
・初心者の方が自分の月収以上の資産が1日で動く感覚に慣れるには1年以上かかります。(カーネル調べ)
そして、20年の投資期間で3回以上、20%以上の「暴落」を経験することになります😱
・積立投資は暴落時も「安く買える」というインセンティブがあり、これによって20年間投資を続けられる確率が飛躍的に高まります。
数学的なリターンよりも、現実的な投資行動の確実性に「積立投資の意義」があります😉
とにかく投資を始めて、続けることが一番大事です(。+・`ω・´)キリッ
今回は以上です🐔
【関連図書】
【カーネル投資解説シリーズ③】新NISA一括投資、分割投資、タイミング投資の差について解説
【カーネル投資解説シリーズ㉖】「株価急落時に思い出すべき3つの知識」について解説
【カーネル投資解説シリーズ㉘】「株価暴落時に買い増しするのがNGな理由」を解説

【免責事項】
・基本的に「知らんけど」となります。
(和訳:本記事に記載の情報は個人的に調べたもの、個人的意見です。可能な限り正確な情報を記載するように心掛けていますが、正確性・信頼性を保証するものではありませんのでご了承お願いします(人´∀`*))
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(過去は返信できない仕様でした😅)