- 投稿日:2025/11/29
初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
「世界を動かす力がほしいが、どうすればよいのか?」
「権力がない自分には何もできないのでは?」
そんな疑問を持つ人に、本書は“物理的な力はいらない。
必要なのは認識の支配だ”と喝破する。
今回は中田考著『13歳からの世界征服』2019年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:中田考
イスラーム法学者。1960年生まれ。灘中学校、灘高等学校卒業。早稲田大学政治経済学部中退。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。カイロ大学大学院文学部哲学科博士課程修了(Ph.D)。1983年にイスラーム入信、ムスリム名ハサン。現職は同志社大学一神教学際研究センター客員フェロー。
✅ 世界を動かすのは国家ではなく「注意力」である。
✅ 常識を破壊する者が影響力の中心に立つ。
✅ 誰でも非対称戦略で影響力を得られる。
「空気」を気にしすぎて、生きづらくなっている若い人もたくさんいます。
この本が、そんな若い人たちの勇気づけの書となることを願ってやみません。
中田考著『13歳からの世界征服』
今回は、本書が解き明かす“非エリートでも世界を動かせる戦略”を超要約して解説。
なお、本書自体はお悩み相談に対して答えていく形式の人生相談の本になっている。
小学生~大学生の悩みを収集して著者が答えたものである。
著者の本職はイスラーム学者であり、日本人ながら、日本とは違った価値観を提供してくれる。
多くの選択肢とは、多くの思想であり、自分とは全く違った意見にも興味や関心、許容できることは教養である。
そもそも、なぜ世界征服なのかというと…「国家があるのは当たり前である」という考え方を疑ってみるように促すためだ。
「非常識」とは誰かにとっての非常識であることを知ることは面白い。
哲学書よりは読みやすいだろう。
『13歳からの世界征服』
さぁ、世界征服を始めようじゃないか。
一神教を信じていなければ、人を殺してはいけない根拠はない。
殺せないとしたら、あなたが何かを信じているから。それがあなたにとっての神。
中田考著『13歳からの世界征服』
通常、殺さなくても生きていけるのであれば、殺す必要がないものである。
日本の法律では殺人そのものを禁止していない。
刑法199条で「人を殺した者は、死刑又は無期もしくは5年以上の懲役に処する」と定めているだけである。
騒動を素早く収束させて、犯人を不特定多数のおもちゃにされないように抑止するためのルールであることがわかる。
そもそも、殺人を止めることはできないのだ。
自身の命を守るための抵抗による正当防衛も認められなくなるからだ。
止めているのは当人の中にある「ナニカ」である。
世界征服とは“認識の支配”である
まずはコモン・センス(常識)を破壊できることから知ろう。
将来の不安を解消するのに一番いいのは、「絶対に実現しない夢」を持つことです。不安なのは、夢や希望が実現するかどうかわからないからです。実現しないとわかっていれば、不安の持ちようがありません。
中田考著『13歳からの世界征服』
⇒ 世界を動かすのは、資源ではなく“人々の認識”である。
世界を動かす力とは、軍事力でも資本力でもない。
本書が一貫して主張するのは「権力の源泉は人々の注意力と信念にある」という認識である。
国家や巨大企業は、強いように見えても、大衆がその正当性を信じなくなった瞬間に崩れる。
つまり、力の核心は構造ではなく“認識の総量”である。
誰かの期待にすぎないのだから、永遠に続くものは存在しない。
昔の日本では武士は1番偉いと思っていたし、商人も威張っていたし、公家は公家で自分たちが1番偉いと思っていた。
現在でも、多様な価値観の中でお互いが1番だと思っていられる。
国家、宗教、政治団体、会社、地域、家族、仲間内であっても同じだ。
お互いが自分の都合のよいように誤解し合っている。
さらに著者は、世界征服を「領土や人を直接支配する行為」と定義しない。
むしろ、世界の前提、考え方の枠組み――つまりフレームそのものを書き換えることが、本質的な征服であると説く。
言い換えれば、世界の“当たり前”を変える者が世界を動かす。
たとえば、宗教改革、SNSの台頭、思想運動などは、物理的な力を使わずに世界の認識を塗り替えた歴史的事例である。
重要なのは、権力の中心に入ることではなく、人々の心の中心に入り込むことだ。
注意を奪い、信念を揺らし、前提を更新する――この非物質的な戦場こそが、現代における“世界征服”の舞台となる。
イスラーム教徒の場合は「カリフ制再興」を目標として掲げている。
カリフは、イスラーム世界を束ねるリーダーであり、イスラーム法の支配下において人やモノやお金の自由を保証する世界を実現することである。
つまり、「世界征服」という言葉で表現できるのだ。
常識を破壊する者が権力の外側で勝つ
大きなものを動かすのはレバレッジ(てこ)だ。
世界征服とは、理想の世界を作ることです。なにか血が沸き立つ感じがしませんか?昔も今も、世界征服はアニメやマンガの大きなテーマです。今人気の『秘密結社 鷹の爪』や『キングダム』のテーマも世界征服です。
中田考著『13歳からの世界征服』
⇒ 常識を破壊した者だけが、権力の外側から世界を動かせる。
大きな影響力を得たいなら、まず破壊すべきは「常識」である。
本書では常識を“支配者が都合よく為した前提”と捉え、これに従う限り人は支配構造の外に出られないと指摘する。
つまり、常識は大衆を従順に保つための枠であり、それを疑うことこそが新しい力の獲得につながる。
また、本書が特徴的なのは、価値観よりも“目的”を絶対視する姿勢である。
一般的には「正しい価値」や「倫理」が行動の指針とされるが、中田考はその逆を行く。
価値観は状況に応じて柔軟に手段化し、最終目的を達成することを優先すべきだと説く。
目的が揺らがなければ、価値観の相対化はむしろ自由度を上げ、行動可能な選択肢を増やす。
正義の味方を目指すのではなく、世界征服を遠い目標に置く。
漠然としたイメージでもかまいません。そして「世界征服」のために自分で何ができるのかと考えてみましょう。
中田考著『13歳からの世界征服』
そして、この枠組み破壊の姿勢は、権力の外側にいる者が影響力を得るための唯一の道である。
常識内の競争は強者に支配されている。
だが常識外に立てば、敵は減り、競争は消え、既存の権力と正面衝突せず影響力を伸ばすことができる。
いじめられているのなら、いじめているやつらを何とかするのが世界征服へのステップになる。
常識に従う者は大衆で終わり、常識を書き換える者が影響力の中心に立つ。これが本書の核となる主張である。
低資源で影響力を得る非対称戦略
絵を描くことだって世界征服だ。暴力だけじゃない。
そもそも「物事に解決策がある」という考えが間違っています。たいていの問題に解決策はありません。大人だって解決なんてなかなかできるものではありません。何かを解決しようと動くと、たいてい失敗するか、現状よりも悪くなります。いじめの問題に限らず、社会とはそういうものです。
中田考著『13歳からの世界征服』
⇒ 非対称戦略を使えば、弱者でも巨大な影響力を手に入れられる。
本書は“力を持たない者こそ大きな影響力を持てる”という逆説を、極めて実践的な戦略として提示する。
その鍵となるのが「非対称戦略」である。
弱者が強者と同じルールで戦えば敗北する。
しかし、強者が嫌がる場所で戦えば、少ない資源でも大きな成果を得られる。
その一つが「権威の内部に入らず、外側から利用する」という考え方だ。
組織に属するとルールに縛られるが、外側にいれば自由に動ける。
日本には生活保護をはじめ、いろんな制度がある。
情報にアクセスできない可能性はあるものの、社会についての知識や関心が無いのにもかかわらず、自分の周りと比較して苦しくなっている。
本当にお腹がすいて死にそうなら、お店に並んでいるものをその場で食べればよい。
たしかに警察には捕まるだろうが、餓死するよりはよっぽどマシである。
国会議事堂の前で「食べ物をください」と物乞いしても良い。
場合によっては、「社会問題」として取り上げられる可能性さえある。
誰かを叩きたいという欲求は、匿名性が上がれば上がるほど顕著に姿を現す。
組織の信用・知名度・注目をレバレッジとして利用できるため、少ない力でも大きな波を起こせる。
さらに本書が特に強調するのが、敵意や批判すら“資源として資本化する”という発想である。
日本社会では餓死したり殺されたりせずに生きていける確率は十分高いのです。「自分の家は貧しい」と感じていたとしても、生き延びられる現実がある。
中田考著『13歳からの世界征服』
炎上、批判、反発――通常は避けたいものだが、注意を集めるという意味では最高の燃料だ。
敵が多いほど注目され、情報は広がり、理念の存在感は強まる。
SNS時代ではこの傾向が顕著で、むしろ敵が拡散装置として機能する。
そして最終的に重要となるのは、理念を「自発的に拡散される仕組み」にすることだ。
支持者が勝手に広め、内容を再解釈し、メッセージがネットワーク的に伝播していく状態をつくることが、最小コストで最大の影響力を手に入れる方法だと説く。
理念はウイルスのように広がり、中心人物が動かなくても世界に影響を与え続ける。
強者と同じ土俵で戦う必要はない。
むしろ、戦う土俵そのものを変えることが、弱者の最大の武器となる。
非対称戦略とは、少ない力で巨大な影響を起こすための“賢い戦い方”だ。
その行動を止めているのは当人の中にある「ナニカ」である。
「自分ならどうするか?」と折り合いのつく選択肢を探してこそ、「世界征服」の第一歩である。
参考動画(YouTube):鷹の爪団の総統から世界に向けたメッセージ
動画は2020年のコロナ禍では、殺伐とした世の中の空気を変えるべく、「こんな世界を征服したところで意味がない」と発言し、人々に「ありがとう」と「頑張ってね」を伝え合うことを呼びかけるメッセージ動画を公開している。
「人間は誰しも愚かで弱く哀しい生き物、だからこそなけなしの善意で励まし、支え合わなければならない」
鷹の爪団の総統:小泉鈍一郎(こいずみどんいちろう)
お金のかからない「世界征服活動」はできるのだ。
動画やSNSは開かれた無料に近い形で出来る活動の一種である。
誰かと共感しあえたなら、それは世界征服活動なのだ。

中村圭志 著『教養として学んでおきたい5大宗教』
一般的に世界の五大宗教は以下の通り。
・ユダヤ教
・キリスト教
・イスラム教
・ヒンドゥー教
・仏教
イスラム教は中東生まれの宗教であり、7世紀にアラビア半島でムハンマドによって創始された、唯一神「アッラー」を信仰する一神教である。
ちなみに、「イスラーム教」の方が、アラビア語の原音に近い。
宗教について受動的に学ぶだけでは駄目で、積極的に「自分としては宗教をどう考えるか」判断していかなければならない時代が来ていると言えそうです。これは面倒くさいことのように思われるかもしれませんが、あなた自身が主体的理解を示すチャンスなのです。
中村圭志 著『教養として学んでおきたい5大宗教』
齋藤考 著「本当の『頭のよさ』ってなんだろう?」
好きなことをとことん追求することで、楽しさと成功の両方を手に入れられる。
⇒ やっているうちに面白くなり、夢中になれる。
⇒ 食わず嫌いせずに「好きなこと」を増やしていくのだ。
⇒ 「没入体験」は「成功体験」である。
夢中になれる力は、さまざまな場面で生かされる。自分の新たな可能性を知るためには、「好きなこと」をどんどん増やしていくのがよい。好きなことを増やすには、「食わず嫌いにならないこと」が大切だ。つまり、好奇心を持つこと。知らない世界に踏み込めば、新たな興味が開けるかもしれない。
齋藤 考 著『本当の「頭のよさ」ってなんだろう?―勉強と人生に役立つ、一生使えるものの考え方』
まとめ
✅ 世界を動かすのは国家ではなく「注意力」である。
✅ 常識を破壊する者が影響力の中心に立つ。
✅ 誰でも非対称戦略で影響力を得られる。
本当にやりたいことなら、すでにやっている。
悩んでいるのは、どちらも大してやりたくないから。
中田考著『13歳からの世界征服』
⇒ 影響力とは“認識を書き換える力”であることを本書は教えてくれる。
「すべきかどうか」で悩んでいる時点で、たぶんやりたくないんだよ。
「ナニカ」が止めているんだから。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆

