- 投稿日:2025/12/06
1.一側性難聴がわかった日のこと
● 逆子・早産・帝王切開で生まれた次男
次男は2023年の春に生まれました。
逆子のまま妊娠35週で破水し、予定していた産院では早産に対応できないため大きな病院に搬送され、そのまま帝王切開で誕生しました。
● 新生児スクリーニングで「リファー」
生後3日目に受けた「新生児スクリーニング」(多くの病院で行われる聴覚検査)で、左耳がリファー(要再検査) でした。
医師からは
「赤ちゃんのコンディションによって変わることが多いよ」
と説明があり、退院前に再検査することに。
しかし、生後7日目の再検査では両耳ともリファー。
1ヶ月健診でももう一度検査しましたが、やはり左耳はリファーのままでした。
● 3ヶ月で再検査、そして精密検査へ
生後3ヶ月でも再検査し、結果は同じ。
県内の大きな病院で精密検査を受けることになりました。
精密検査を行えたのは、生後7ヶ月の頃です。
2.不安だった日々と、わたしの葛藤
● 何度も原因を自分の中で探してしまった
精密検査までの間、私は毎日「片耳難聴」と検索していました。
「片耳は聞こえるから大丈夫」
「呼びかけに反応してるから大丈夫」
そう思いたい一方で、
「聞こえないまま産んでごめんね…」
と何度も自分を責めました。
早産、逆子、冷え性、食中毒で食べられなかった日、長男のインフルをもらって寝込んだ日──
考えれば考えるほど、原因と思えることはいくらでも出てきました。
3.精密検査の結果と聞こえのレベル
● 左耳は80dBほどの難聴
精密検査は、次男が寝ている間に別室で行われました。
結果は、
右耳 → 正常に聞こえる
左耳 → 80dB前後の難聴
医師の説明では、
「耳元で大きな声を出して、ようやく聞こえるかどうか」
とのこと。
ただし、
「右耳が良く聞こえるから、そんな大声は逆にびっくりしちゃうよ!」
とも言われて思わず笑ってしまいました。
4.原因を調べる検査はしないと決めた理由
● 原因検査には睡眠薬が必要だった
医師からは原因を調べる検査も提案されました。
ただ、その方法は睡眠薬を使って脳波や耳の構造を調べるというもの。
しかも、
先天性の場合、原因が特定できるのは20%程度。
小さな赤ちゃんに睡眠薬を使うことがどうしても不安で、
「原因究明のメリットより負担のほうが大きい」と判断し、検査は行わないことにしました。
5.補聴器を導入するまでの流れ
● 補聴器は“聞こえを良くする”というより“音を増幅させるもの”
一般的には補聴器=聞こえを良くする装置、
というイメージがありますが、実際は
周囲の音をそのまま大きくして聞かせる装置
です。
風の音、BGM、話し声、生活音……
すべてが耳に入るため、
一側性難聴の子は聞こえる方の耳で聞いたほうが楽で、補聴器を嫌がることも多いそうです。
● 生後7ヶ月〜10ヶ月:レンタル補聴器でお試し→購入へ
すぐに購入するのは不安もあり、病院のレンタル補聴器を使ってみることに。
生後7ヶ月〜10ヶ月まで、レンタルで生活してみました。
問題なく生活に馴染んできたため、生後10ヶ月で購入に切り替えました。
6.補聴器をつけて見られた変化とメリット
● 最初は違和感で外したがった
最初はすぐに外してしまうことも多く、慣れるまでに時間がかかりました。
慣れるまでは補聴器がどこかに行ってしまわないよう、補聴器を指サックに付けて、紐を通しその紐をクリップに縛り、クリップを服につける、と補聴器がなくならないための工夫をしていました。
● 振り向く方向に変化があった
補聴器前:
右耳が聞こえるため、呼びかけに対して右側に振り向きがち。
補聴器後:
左から呼ばれても振り向く様子が増えた。
● 手話で「聞こえる」を教えてくれるように
1歳を過ぎた頃から手話を覚え始め、音楽が聞こえると「聞こえる」の手話をしてくれるように。
補聴器なしのときは右耳を、
補聴器ありのときは左耳を指す姿に、
“ちゃんと聞こえてるんだ”という安心を感じました。
● 2歳を過ぎて、本人から自ら装着するように
朝起きたら自分で補聴器をつけたがる時期が来ました。
まだ喋れないけれど、必要なものだと理解しているように感じます。
● 一側性難聴は補聴器が無意味と言われることもあるけれど…
一般論としては「意味が薄い」と言われがちですが、
我が家は明らかに変化があり、生活に馴染んでいます。
● 中耳炎の時に“左耳で聞こうとする”様子も
体質的に中耳炎になりやすく、右耳が一時的に聞こえにくくなる時があります。
その時は、補聴器のある左耳で聞こうとしている様子が見られました。
7.補聴器に関する補助制度について
● 自治体によって異なるが、我が家は2/3補助あり
一側性難聴では補助が出ない自治体も多い中、
私の住む自治体は県と町で2/3を補助してくれました。
自己負担は1/3で購入でき、大変ありがたかったです。
● ランニングコストは年間3,000円ほど
補聴器の電池は1〜2週間に1回交換。
年間で約3,000円程度です。
8.まとめ:補聴器は次男にとって“必要な相棒”
うちの場合、
補聴器は導入してよかった
というのが結論です。
補聴器は、次男の「聞こえにくい左耳の代わり」として日常に溶け込んでいます。
今後は、
2歳9ヶ月の次男の手話の様子
言語の発達
聞こえの変化
病院での継続的な聞こえの検査
情緒面の成長
なども、私なりの目線で更新していけたらと思います。