- 投稿日:2026/01/27
- 更新日:2026/03/28
【第2話】
60歳を超えた退職はFIREなのか
― 余白が教えてくれた働き方の自由 ―
(初めに:リアクションやレビューをくださった皆さん、ありがとうございました。)
週3勤務に変えて最初に変わったのは、朝の時間でした。
けれど、その変化に気づく前に、私はまず“心の揺れ”と向き合う必要がありました。
■ FIは達成していたのに、REに踏み切れなかった理由
FIは数字で達成できる。
けれど、REは“心が納得するかどうか”で決まる。
この当たり前のようで難しい事実に、私は65歳になってようやく気づいた。
FIを達成していたのにREできなかった理由は、振り返ればとてもシンプルで、そしてとても根深かった。
■ 「働かない自分」を想像できなかった
FIを達成していた頃の私は、“働かない自分”という姿をどうしても思い描けなかった。
平日の昼間に家にいる自分。
地域活動はあまりやってこなかった自分。
まだまだ元気で仕事はできると思う自分。
その姿を想像すると、胸の奥に小さな不安が広がった。
「本当に大丈夫なのか」
「社会から離れてしまうのではないか」
「自分は何者でいられるのか」
FIを達成しても、心はまだ“会社の外の世界”に慣れていなかった。
■ 昭和の価値観が、静かにブレーキをかけていた
私が社会に出た頃は、
• 65歳(当時は60歳)までは働くもの
• 男は家族を支えるもの
• 定年までは勤め上げるもの
そんな価値観が当たり前だった。
誰かに強制されたわけではない。
ただ、空気のようにそこにあった。
だからFIを達成しても、
「辞めてもいいんだ」と心から思えなかった。
数字の上では自由なのに、
心の中では“働くことが前提”になっていた。
この“心の構造”こそが、REに踏み切れなかった最大の理由だった。
■ 余白のない生活では、選ぶことができない
60歳までの私は、週5勤務で毎日がぎゅうぎゅうに詰まっていた。
• 朝起きて
• 通勤して
• 仕事をして
• 帰ってきて
• 最低限の家事をして
• 寝るだけ
その繰り返し。
土日は“回復のための時間”で、自分の人生を選ぶための時間ではなかった。
余白がなければ、人は“選ぶ”という行為ができない。
FIを達成していても、心が整わなければREは始まらない。
今ならそう言える。
■ 「働かない不安」と向き合う時間がなかった
FIを達成していたのにREできなかった理由は、お金ではなく、心の問題だった。
「働かない自分は大丈夫なのか」
「社会とのつながりが切れたらどうなるのか」
「自分は何をして生きていくのか」
こうした不安と向き合う“時間”が、当時の私にはなかった。
忙しさは、時に不安を見えなくしてくれる。
でもそれは、不安が消えたわけではない。
ただ、見ないようにしていただけだ。
■ 65歳6ヶ月で訪れた“静かな変化”
61歳で再雇用となり週4日勤務に。
63歳でも同じ働き方を続けていた。
そして65歳6ヶ月。
週3勤務になった瞬間、人生に初めて“余白”が生まれた。
この1日の差が大きく、最初は戸惑いのほうが大きかった。
「こんなに時間があっていいのか」
「何か今までとちがうぞ」
そんな気持ちが、静かに胸の中にあった。
けれど、余白に身を置いてみると、少しずつ心の中に変化が生まれた。
“働かない不安”と向き合う時間ができたのだ。
そして気づいた。
「ああ、自分は“働かない自由”よりも、“働いていない自分への不安”のほうが大きかったんだ」
FIは数字。
REは心。
FIREは、その両方がそろって初めて形になる。
■ “心の準備”が整っていく
こうして振り返ると、“週3勤務の心地よさ”は、この“心の整理”があってこそ生まれたものだった。
FIを達成してもREできなかった理由。
それは、
• 「働かない自由」よりも
• 「働いていない自分への不安」
が勝っていたから。
そしてその不安は、“余白”が生まれたとき、静かにほどけていった。
■ 結び
FIは数字で達成するもの。
REは心が整って初めて始まるもの。
60歳を超えた退職がFIREなのかどうか。
その答えは年齢ではなく、
「心が余白を受け入れられるかどうか」
そこにあるのだと思う。
最後まで読んでいただきありがとうございました。週3勤務になって生まれた“余白”は、心だけでなく、生活そのものにも静かな変化をもたらし、FIREに気づき始めます。次の第3話では、その最初の変化─「朝の時間」についてお話しします。
第3話は、こちらから読めます。
https://library.libecity.com/articles/01KG4T9D03ZF1DEJ109BX30XG1

【おまけ:関連する宿題リスト(第2話)】
① 稼ぐ力:(給与所得)自分の強みを見つけてみよう
→ 自分の強みを棚卸しする宿題。
② 稼ぐ力:(事業所得)稼ぎ方の正解は人によって異なることを知ろう
→ 自分に合う働き方を理解する宿題。
③ 稼ぐ力:(給与所得)自分の時間単価を把握しよう
→ 働き方の最適化につながる宿題。