- 投稿日:2026/02/25

はじめに
電動アシスト自転車は、
便利で、静かで、当たり前の存在になっています。
でも――
その“当たり前”が、ある夜突然、火に変わることがあります。
充電中。
家族は寝ている。
物音もしない。
次に気づくのは、焦げた匂いと、黒い煙。
炎は一瞬です。
「まさか」が「現実」に変わるのに、時間はかかりません。
バッテリーの劣化。
落とした衝撃。
純正ではない充電器。
どれも、「まあ大丈夫だろう」で済ませた小さな選択です。
火災は“特別な人”の家に起きるのではありません。
“確認を後回しにした家”に起きます。
守れる火災があります。
でも、守れなかった後悔は、一生残ります。
自転車を守る必要はありません。
守るのは、家族の命と、帰る場所です。
今、充電しているその場所は安全ですか?
そのバッテリー、本当に大丈夫と言えますか?
「まさか自転車で火事になるなんて」
現場では、そう言葉を失う方を何度も見てきました。
実際に起きている火災
近年、全国で次のような事例が発生しています。
・室内で充電中、突然バッテリーから発煙・発火
・非純正バッテリー使用中に異常発熱し出火
・落下させた後に内部損傷 → 数日後に発火
・長年使用した劣化バッテリーが充電中に破裂
・集合住宅の共用廊下で充電中に出火し延焼
特に怖いのは、充電中の火災は勢いが強いこと。
リチウムイオン電池は一度「熱暴走」を起こすと
・ 激しい炎
・ 高温
・ 大量の煙
・ 再燃の危険
を伴います。
水をかければ終わり、という単純な火災ではありません。
なぜ火災は起きるのか
リチウムイオン電池は、とても精密な構造をしています。
そのため、内部でわずかな異常が起きただけでも、発熱から発火へと一気に進むことがあります。
主な原因は次のとおりです。
・過充電
・強い衝撃や落下
・内部ショート
・経年劣化
・非純正品の使用
・高温環境など不適切な保管
火災は“突然”起きるように見えて、実際は小さなリスクが積み重なった結果です。
さらに、リチウムイオン電池は一度発火すると、激しい炎と大量の煙を発生させます。内部で化学反応が続くため、水だけでは完全に抑えにくい特性もあります。
特に注意が必要なのが室内での充電中。
「夜間」や「留守中」に出火すると、発見が遅れ、被害が大きくなりやすいのです。
火災は偶然ではなく、条件がそろった結果。
だからこそ、条件を減らすことが最大の予防になります。
消防現場で感じる共通点
出火したご家庭の多くがこう言います。
「便利だから、つけっぱなしにしていた」
「落としたけど、普通に使えていた」
「純正じゃなくても大丈夫だと思った」
“使えている”と“安全である”は別問題です。
特に注意してほしいサイン
・ バッテリーが膨らんでいる
・ 充電中に異常に熱い
・ 落下歴がある
・ 充電時間が異常に長い
・ 5年以上使用している
・ 純正以外を使っている
一つでも当てはまれば、リスクは上がっています。
今日からできる現実的な対策
・ 必ず純正バッテリー・純正充電器を使用
・ 就寝中の充電は避ける
・ 可燃物の近くで充電しない
・ 玄関や避難経路を塞ぐ場所で充電しない
・ 定期的に点検する
・ 異常を感じたら使用を中止
・ 廃棄は自治体ルールに従う
集合住宅では特に、一件の火災が全体被害につながることを忘れないでください。
火災は「不運」ではない
消防の現場で強く感じることがあります。
火災は偶然ではなく、確率の積み重ねです。
その確率は、習慣で下げられます。
電動アシスト自転車は生活を豊かにします。
でも、守るべきは自転車ではなく、
・家族
・住まい
・隣人
・積み上げた資産
です。
最後に
「うちは大丈夫」
その言葉を、本当に安全な意味で言えるように。
今日一度、バッテリーの状態を見てください。
充電環境を見直してください。
小さな点検が、大きな損失を防ぎます。
守れる火災は、減らせます。
