- 投稿日:2026/03/11
地震や台風、豪雨など、自然災害が多い日本。
いざ災害が起きたとき、「避難所での生活」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
「食べ物は足りるのだろうか。」
「慣れない場所で眠れるのだろうか。」
さまざまな不安が浮かびますが、実際に「能登半島地震」に遭い、強く感じたのは「トイレへの不安」でした。
2024年の能登半島地震で強い揺れを体験し、避難所へ避難することになりました。
そのとき実感したのが、災害時のトイレ問題です。
避難所ではトイレに人が集中し、使いたくてもすぐに使えないことがあります。
また、自身や家が無事でも、断水などで自宅のトイレが使えなくなるケースも少なくありません。
実際に震源地の近くに住んでいた友人は、トイレが震災前と同じように使えなくなり、復旧まで数ヶ月かかりました。
それにもかかわらず、防災の備えというと多くの人が思い浮かべるのは「防災食」や「防災リュックの中身」が大半です。
近年は防災食や防災グッズも種類が豊富になり、普段から使えるものが増えています。
その一方で、盲点になりがちなのが「トイレの備え」です。
一般社団法人日本トイレ協会の調査によると、災害に備えて備蓄しているものは、
懐中電灯が66.5%、非常食が43.4%であるのに対し、災害用トイレの備蓄率は22.2%にとどまっています。
さらに、「地震によってトイレが使えなくなる可能性があることを知っているか」という質問には、77.2%が「知っている」と回答。
つまり、多くの人が必要性を理解しているにもかかわらず、備えが追いついていない状況です。
2026年は東日本大震災から15年。
そして、能登半島地震から2年が経ち、能登は法律・制度上の支援や復興計画の区切りとして一つの目安になっている節目でもあります。
以前、介護職として働いていた経験もあり、排泄の重要性を日頃から感じていました。
そこで防災トイレに特化した製品を製造・販売しているメーカー「株式会社サンコー」を訪問し、災害時のトイレについて取材を行いました。
実際に製品を使ってみながら、災害時に必要なトイレの備えについて考えていきます。
排泄は自分でコントロールできない欲求
人が日常的に感じる三つの欲求に、「食欲」「睡眠欲」「排泄」があります。
この中で、自分でコントロールすることができないのが排泄です。
尿意を感じてしまうと、それを止めることはほぼ不可能です。
災害時であっても、それは変わりません。
トイレが不足している状況では「トイレに行く回数を減らそう」と水分を控えてしまう人もいます。
けれども水分不足は、脱水や体調悪化につながる危険があるため、注意が必要です。
そのため、災害時には簡易トイレなどの備えが重要になります。
どれくらい備蓄しておけばよい?
災害時は断水などにより、長期間トイレが使えなくなる可能性があります。
そのため、防災トイレは最低でも1週間分の備蓄が推奨されています。
目安は以下の通りです。
1週間で必要な備蓄数の目安
・夫婦二人暮らし…約70回分
・夫婦+子ども2人…約140回分
・夫婦+子ども+両親…約175回分
※トイレ回数は1人1日4〜5回、1回の尿量200〜400mlを想定
※参照:内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」
防災トイレは「自宅用」と「避難用」の2種類を
避難用トイレ(左)
非常時に自宅で使える「トイレ非常用袋」(右)
災害時は必ずしも避難所に行くとは限りません。
自宅にいても断水などによりトイレが使えなくなる可能性があります。
そのため、
・自宅で使えるタイプ
・避難所などで使えるタイプ
2種類を備えておくと安心です。
実際に防災トイレを使ってみた

自宅のトイレで使える「トイレ非常用袋」
便座に袋をセットし、凝固剤を振りかけることで、汚物をゼリー状に固めて処理する仕組みになっています。
水を使わず処理できるため、断水時でも使用できます。
手順は次の通りです。
1.便座にトイレ非常用袋をセット
2.代用の水を入れる
3.凝固剤を振りかける
凝固剤を入れてから約1分ほどでゼリー状に固まりました。
使用後は袋をしっかり縛り、そのまま廃棄できます。
災害時は想定外の状況が続き、落ち着いて行動できなくなることもあります。
そのため、事前に実際に使ってみておくことが大切だと感じました。
また、この製品は凝固剤や袋の1つ1つに使い方が記載されているのが特徴です。
多くの商品はパッケージにのみ説明が書かれていることが多く、緊急時には確認できないこともあります。
個別に説明があることで、慌てている状況でも使いやすいと感じました。
避難所でも使える段ボールトイレ
もう一つは、避難所など自宅以外でも使える簡易トイレです。
・組み立てが簡単
・便座はプラスチック製
・繰り返し使える
段ボール製で、場所を選ばず使えるという特徴があります。
組み立ててみました。
手順は3ステップです。
1.段ボールの本体を組み立てる
2.中に非常用袋をセット
3.便座を取り付ける
女性一人でも簡単に組み立てることができます。
段ボール製ですが強度があり、実際に座ってみても安定感があり安心して使える印象でした。
防災トイレは能登半島地震でも活躍
防災トイレの備蓄率は、まだ2割程度と言われています。
しかし、排泄は食事のように我慢できるものではありません。
災害時にはトイレに人が集中し、使いたくてもすぐに使えないことも多くあります。
実際に能登半島地震でも、防災トイレは大きな役割を果たしました。
災害はいつ起こるかわかりません。
だからこそ、普段の暮らしの中で備えておくことが大切です。
3月11日という日をきっかけに、
「トイレの備え」を見直してみてはいかがでしょうか。
それが、いざという時の安心につながります。
注:記事内の資料や商品画像は株式会社サンコーより提供されたものです。
無断転載や複製はご遠慮ください。
