• 投稿日:2024/05/25
  • 更新日:2025/09/29
初めての展示会⑤【会場準備編】

初めての展示会⑤【会場準備編】

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ならぃ@わんちゃん造形家🎨ならい

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要約
この記事では、展示空間の会場レイアウトの作成方法~搬入搬出の注意点についてまとめました。 事前の展示計画がしっかりできていれば、搬入、搬出の間際・当日に慌てずに済む…かもしれません!ぜひ参考にしてください。

「会場レイアウト」は展示会場の準備において、どんな空間にするのかを記した計画図です。

本記事ではファーストステップ展での事例と、何度かギャラリーや美術館でのグループ展や個展の展示経験をもとに解説します。
初めて展覧会を計画される方の参考になれば幸いです✨

会場レイアウトとは?

会場レイアウトとは展示会空間に置く作品などの配置を記した図面資料です。
会場のどこに、何を置くのか、それはどんな物でどのくらいのサイズなのか…などの情報を図で表します。

会場レイアウトを作成することで、どんな作品をどういう風に展示するかをイメージしやすくなります。
それだけでなく、出来上がったレイアウトをギャラリーオーナーさんや
一緒に展示する作家メンバーと共有する資料として活用します。

展示空間のイメージは口頭や文章では伝えきれなかったり、双方で思い違いが生じたりする可能性があります。
会場レイアウトは正確なイメージをすり合わせる重要な資料になります。


「会場レイアウト」に書かれていること

「会場レイアウト」には主に次のような情報を記載します。

✅会場の床、壁の間取り、広さ
✅作品のタイトル、サイズ、素材、位置
✅壁掛けの場合は掛ける方法(使用する金具や道具) 
✅ウェルカムボードや挨拶文の掲示位置
✅DMなど配布物置き場
✅大きな重い立体作品などは重量
✅展示台や机、棚、椅子などの配置とそれぞれのサイズ
✅入口の位置、間口、広い会場の場合は人の動線経路
✅電源の位置や配線(使用する場合)


ファーストステップ展では最終的にこのようなレイアウトになりました!

240223会場_ページ_1.jpg240223会場_ページ_2.jpg240223会場_ページ_3.jpg240223会場_ページ_4.jpg

間取り図を用意する

間取り図とは壁面や床面などの空間を2次元で表した図面です。
賃貸情報で見かけるのは床面ですが、絵やイラスト展示の場合は壁面も必要になります。

ギャラリーによっては会場図のデータをもらえる事があるので、事前にオーナーさんに確認してみてください。
HPに載っている場合もあります。

今回の展示会場では間取り図面がなかったため、私の方で作成しました。
会場現地を見学する際、壁の高さ、横幅をはじめとする要所をメジャーで測っておき、縮尺1/20で会場図を作成しました。

また、机や棚等の据え付け家具が多かったため、3DCADを使ってモデリングしレイアウトを検討しています。

あいそめ.png7名での展示空間で様々なパターンの検討をするのに、1枚1枚図面を書くよりも比較的スムーズに行うことができました。

間取り図を描いている時間がない、という方や図面を描くのが苦手、という方はリベで依頼するのもおすすめです!


実際の寸法を確認する

間取り図を用意できたら、事前に必ず会場を下見して、各寸法が正しいか確認しましょう。
自分が知りたい寸法が入っていなかったり、多少のズレがあったりとアバウトなことがあります。

💡特に意識するポイント

①作品を展示できるスペースの確認

②会場全体にかかわる要素


①作品を展示できるスペースの確認

✅各壁の高さ、横幅
✅床の奥行、幅
✅釘やビスを打ってよい範囲の確認
✅棚や机等の据え付け備品の寸法
✅展示台座や棚を貸し出している場合はそれらの高さ、横幅、奥行き
✅大きな重い立体作品などの場合は耐荷重


②会場全体にかかわる要素

✅お客さんの出入口となるドアの間口サイズ
✅作品の搬入経路の間口サイズ(裏口などの場合)
✅窓の位置、サイズ
✅受付、作家の在廊スペースの有無
✅DM等配布物を置くスペースの有無
✅ウェルカムボード(挨拶文)を貼るスペース
✅収納スペースの確認(梱包材や荷物を置けるかの確認)


そのほかに意識する要素としては
・撮影が可能であればできるだけ写真を撮っておく
・自分の作品が展示されている空間をイメージする
・お客さんの導線をイメージする
・照明や窓からの光、時間帯毎の日当たりや明るさ

などなど、実際に会場に行ける回数も限られているため、全体から細部までよく見て記録しておくことが大切です。


会場レイアウトを作成する

正しい間取り図面が用意できたら、会場レイアウトを作っていきます。

具体的な作成方法2段階に分けて解説します。
①作品配置図の描き方
②会場全体のレイアウトの考え方


①作品配置図の描き方

間取り図に作品を配置して、頭の中のイメージを図面に書いていきましょう。
実際に図に起こすことで、作品のサイズはどれくらいにすればよいか、何点あれば良いかが鮮明になります。


作品の形はおおまかに四角や丸で表します。
間取り図とのスケールを合わせることに注意しましょう。
縮尺1/20の間取り図であれば実際の1mは図面上で5㎝となります。
A4サイズの絵であれば約1.5cmx1cm程になります。
全ての作品を書き出し、はみ出したり、ぶつかることなくきちんと収まるかを確認します。 

図と合わせて下記の要素を入れ込むとより分かりやすいです。
・作品タイトル
・作品サイズ
・材質:例)画用紙+額装、キャンバス単品など
・展示方法:例)自身で釘打ち+麻紐+金具付きの額

②会場全体のレイアウトの考え方

作品の配置と並行して会場全体のレイアウトも検討します。

ファーストステップ展では中央のテーブルを壁に寄せ、奥に広くスペースを作りました。
・DM等配布物をゆっくりることが出来たり
・オフ会の歓談スペースにしたり
・1Fのカフェで注文したメニューをゆっくり楽しんだり

結果的に限られたスペースを有効に活用できました。 
会場をどのように活用すればベストなのか、メンバー全員で様々なパターンを考えました。
会期中のイベントなど、作家やお客さんがどのように過ごすのか動線を意識すると良いと思います◎


設営準備(搬入)

作成した会場レイアウトを事前にオーナーさんや作家グループ、お手伝いの方等と共有しておくことでスムーズな搬入ができます。
当日はどうしてもバタバタしますので、時間に余裕をもって予定を組みましょう。


▼搬入当日の主な流れ

1.現状把握(記録写真撮影)
2.机・棚の小物など移動
3.運搬、作品搬入、開梱
4.展示設置作業
5.展示ボードキャプション設置
6.照明調整
7.全体調整
8.資材など持ち物まとめ
9.完全撤収

▼搬入時の持ち物

・ひっつき虫
・両面テープ
・マスキングテープ
・ガムテープ、養生テープ
・ビス、釘、虫ピン
・インパクトドライバー
・ワイヤーやヒモの予備
・メジャー
・白手袋
・ゴミ袋
・雑巾、ウエス


💡注意したこと
・持ち物に記名しておく
・作品の設置はなるべく短時間で完了できるように心がける
例)壁に掛けるヒモの長さをあらかじめ調節しておくなど


撤収(搬出)

搬出も限られた時間内に撤収しなければなりません。
また、搬入前の元の状態に戻す必要があります。搬入前の記録写真を確認しておきましょう。

▼搬出当日の主な流れ

1.作品撤去
2.梱包作業 
3.作品搬出(ロッカーや車等の仮置き場があれば会場から出しておく、郵送するものは手続きを終えておく)
4.机や棚を動かしていれば元の位置に戻す
5.全体掃除
6.オーナーさんへ御礼
7.完全撤収

▼搬出持の持ち物

・ガムテープ、養生テープ
・インパクトドライバー
・白手袋
・ゴミ袋
・雑巾、ウエス
・梱包資材

本展では作家7人がそれぞれ事前に役割を決め、協力しながら進めたことで
かなり短い時間で設営、撤収を終えることができました!


まとめ

以上、展示空間の会場レイアウトの作成方法~搬入搬出の注意点について解説しました。
どんな空間にすればよいかは、作家さんの意図や作品の魅せ方、会場の使用条件によって様々です。
些細な疑問や不安でも、主催やオーナーさんに必ず確認しましょう。

作品制作以外にもやることが多くて大変ですが、悩みつつ楽しんで考えてもらえたらと思います✨

その他の詳しい内容は以下の項目もぜひチェックしてみてください♪
①概要/初期準備編はこちら
②DM編はこちら
③ウェルカムボード/印刷物発注編はこちら
④その他/印刷物編はこちら
⑤▶︎この記事
⑥作品の飾り方編はこちら
⑦宣伝/在廊/総まとめ編はこちら

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